SNSでたくさんの人と繋がっているはずなのに、ふと寂しさを感じたことはありませんか?
グループ演習授業「グループ・プロジェクト」の最後の2回では、AIが人類の知能を超えると言われる2045年(シンギュラリティの時代)を舞台に、テクノロジーが進化した未来で起こる「デジタル孤独」を解決するアイデアを学生たちがチームで提案しました。
メタバースやSNSでの交流が当たり前となり、高齢化やひとり暮らしが増えた2045年。「常にネットで繋がっているのに心が寂しい」という深刻な社会課題が発生していると仮定します。この「デジタル孤独」を解決する身近なコミュニティやツールのアイデアを企画し、未来の広告ポスターとして発表することが今回の課題です。
一見難しそうに思えるテーマですが、答えのない問いに対してチームで解決策を模索するワクワク感が、この演習の醍醐味です。
議論を円滑に進めるため、学生たちはチーム内で一人ひとりが異なるリーダー役を担当しました。議論全体を盛り上げて発言を促す「ファシリテーション・リーダー」、進行時間を管理する「タイム・リーダー」、発言が脱線した際にターゲット目線で引き戻す「ペルソナ・リーダー」、ポスターの構成を主導する「ビジュアル・リーダー」、そして必要な情報収集や宿題の取りまとめを行う「リサーチ・リーダー」など、各自が責任感を持って自分の持ち味を発揮しながら協力し合いました。
1週目は、2045年に最も孤独を感じていそうな架空の人物(ペルソナ)を具体的に作り上げました。名前や年齢だけでなく、「リアルな会話が年間5回以下」といった生活背景まで深掘りすることで、救うべき相手の姿を明確にします。ターゲットが決まったら、実現可能性は一旦脇に置き、質より量でブレインストーミングを行います。斬新な発想を出し合った後、一番面白いアイデアを1つ選び、最後に来週のポスター作成に向けて考えておくことが宿題としてグループで共有され1週目を終了しました。
2週目は、持ち寄った宿題を共有しながらアイデアをブラッシュアップし、誰が見ても一目で伝わるポスターへと落とし込む作業です。ポスターには、ツールを使う前後の変化を描いたペルソナのイラスト、2045年の技術の仕組みを示す図解、そしてサービスを一言で表す未来のキャッチコピーという3つの要素を必ず盛り込みます。文章で埋め尽くすのではなく、4コマ漫画やニュース記事風の紹介など、視覚的に届ける表現の工夫が凝らされました。
完成したポスターは教室の壁に掲示され、受講者全員で相互評価を行いました。評価の際は、全員が2045年の未来の住民になりきり、2種類の付箋を使ってコメントを残します。良い点や感動した部分にはピンクの付箋を貼り、「もし〜な機能があればもっと使いたい」といった未来の住民目線での質問や提案は黄色の付箋で伝えます。自分たちの作品の元に戻った学生たちは、貼られた付箋を見ながら客観的な反応を確認し、大いに盛り上がった演習を締めくくりました。
この演習を通して学生たちは、テクノロジーと人間の心の関係を見つめる社会課題への洞察力、多様な役割で協力し合うチームワーク力、そしてアイデアを魅力的に視覚化して届ける伝える力を養いました。
メディア・コミュニケーション学科の特色ある授業(グループ・プロジェクト)
https://www.fukujo.ac.jp/university/faculty/humanities/media_c/#bge-learn
(近藤 桂司)
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