普段、何気なく見上げている大学の建物。その複雑な造形や構造の美しさを、たった一枚の厚紙で立体的に表現する課題に挑戦しました。
今回題材としたのは、福岡女学院の正門を入ってすぐに皆さんが目にする125周年記念館です。使用する材料は、扱いやすいケント紙。これをカッターで切り、正確にスジを入れて折るだけで、建築物が立ち上がる「折り紙建築」をデザインします。
この課題の最大の面白さは、建物をそのまま精密に再現することではありません。本物の建物が持つ「象徴的な特徴」を鋭く捉え、それを思い切って「デフォルメ」することにあります。例えば、目を引くアーチの形は強調しつつも、壁面の細かな凹凸はあえて省略するといった取捨選択が重要になります。
厚紙(ケント紙)という制限された材料を使うからこそ、建物の本質的なデザインを深く分析し、表現を単純化する力が磨かれます。切り線と折り線だけで構成される作品は、光を当てたときに生まれるドラマチックな影も表現の一部となり、より印象的な仕上がりになります。
(近藤 桂司)



