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2022.05.13

心理学科

授業紹介『キャリア心理学』

「キャリア」という言葉をきいて、何を思い浮かべますか?男性に負けないくらいバリバリ働く「キャリア・ウーマン」や、官僚などの「国家公務員」というイメージが浮かぶかもしれません。あるいは、もっと大まかに「仕事」や「就職」、「出世」というイメージを抱いているひともいるかもしれませんね。しかし、実際には、「キャリア」とは、仕事上の経験や経歴だけでなく、生涯のなかで培った様々な役割の積み重ねを表す言葉なのです。
「キャリア」は英語ではcareerと書きますが、金井(2002)によれば、馬車を表すcarriageや、なにかを運ぶひとやものを表すcarrierと語源が同じなのだそうです。その語源は、車輪が通った後にできる跡、すなわち「轍(わだち)」です。人生を長い一つの道のりとみなすと、現在地にたどり着くまでの道すがら、誰しもが様々なことを経験し、多くの岐路に立ちながら、歩みを進めてきたと思います。語源となった言葉がもっているニュアンスを踏まえれば、キャリアとは、過去から現在、そして未来へと途切れなく続く一人一人の「旅路」だと捉えることができるでしょう。

こうした視点に立ち、キャリア心理学の授業では、特に心理学や経営学などの領域において蓄積されてきたキャリアに関するさまざまな理論について学ぶことを目的としています。内容の一部を紹介すると、個々人がキャリアを展開させていくプロセスに関する「キャリア発達の理論」、加齢に伴う変化や課題の移り変わりに関連する「年齢層別のキャリア発達課題」、そして、キャリア発達を阻む要因である「キャリア・ストレス」などについて解説をします。
大学を卒業し、最初の就職をすることは、大学生にとって、とても大きなキャリア上の転換期だといえます。後悔のないキャリアの選択に、本講義で学んだことが参考になることを願っています。

 

引用文献:金井壽宏(2002)働くひとのためのキャリア・デザイン PHP研究所