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2021.11.18

国際キャリア学科

(授業紹介)「Freshers SeminarⅡ」:門司税関の皆様による講義

国際キャリア学科では経済界や官公庁と連携したカリキュラムの一環として、1年生を対象とする「Freshers SeminarⅡ」に門司税関から博多税関支署の山口支署長、総務部企画調整室の山﨑室長、そして総務部人事課の山﨑様をお招きして、税関の役割と業務、国家公務員の仕事と女性にとっての職場環境などに関する講義を開催しました。

はじめに山口博多税関支署長より、今年150周年を迎える税関の歴史、門司税関の沿革や組織、経済のグローバル化に伴う輸入や訪日観光客等入国者の急増によって業務量が拡大してきた税関を取り巻く環境の変化から説き起こしていただき、①不正薬物や銃砲等の密輸阻止を中心とする安全・安心な社会の実現、②適正かつ公平な関税、消費税等の徴収、③通関手続の効率化、迅速化により利用者の利便性の向上を図る貿易円滑化の推進という税関の「三つの使命」について解説いただきました。

このうち、密輸阻止については覚醒剤の国内押収量の実に98.2%が税関等による水際での押収であることをご紹介いただくとともに、コロナ禍で訪日者が減少するなか、増加している国際郵便を使った密輸の現状、偽ブランド品など知的財産権侵害物品の輸入差止状況について詳しくご説明いただきました。税関の主な取締機器についても学生達の関心の高い麻薬探知犬の訓練風景の映像を見せながら、ご紹介いただきました。

関税、消費税等を徴収する徴税官庁としての税関の役割に関しては、2019年度で日本の国税収入の14.9%(約9.2兆円)を占めていることなどを説明いただきました。「三つの使命」の三つ目にあげられた貿易円滑化の推進については、通関手続の円滑化、迅速化のために導入されている輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)やAEO制度についてご紹介いただき、あわせて学生達が前期の「国際キャリア入門」の授業でも学んだ我が国の経済連携協定(EPA)の締結や交渉の状況についても解説いただきました。

講義の最後には、海港取締、旅具取締、通関、検査、事後調査、分析、審理など税関における具体的な業務についてご紹介いただき、税関では財務本省(東京にある財務省の本部)のほか、国税局や金融庁、在外公館、都道府県警察など他機関への出向や大使館等での海外勤務のチャンスがあること、一つの職場の中でバラエティに富んだ仕事を経験できることなどをお話しいただきました。

続いて、総務部人事課の山﨑様が登壇され、「柔軟性と対応能力、国際性、総合性、そして志を持った人」という税関職員に求められる人材像からお話しいただき、実際の採用のプロセス、採用後の研修制度、そして現在、国家公務員の3割が女性で占められていること、妊娠や出産、育児をしながら働ける職場環境が整っていることなどをご紹介いただきました。

今回は事前に質問を聞いていましたが、学生達からは税関職員の仕事から公務員試験の対策、女性としての働き方まで数多くの質問が寄せられました。そのなかで、「お仕事で一番、やりがいを感じられるのはどういう時ですか。一番、大変な時はどういう時ですか」という質問に対して山口支署長と山﨑様がともに答えられた「大変なことを乗り越えた時が一番、やりがいを感じます。仕事において大変なこととやりがいは実は重なっています」という言葉が印象的でした。聴講していた1年生のなかには将来の進路として公務員を検討している学生もおり、真剣に聴き入っていました。門司税関の皆様、お忙しいなか、貴重なご講義をいただき、ありがとうございました。

門司税関との提携講義は今回で6回目を迎えましたが、5年前に実施した第1回講義を1年次に受講した国際キャリア学科三期生のうちN.Kさん(福岡県立新宮高等学校出身)とH.Nさん(福岡県立春日高等学校出身)が国家公務員である出入国在留管理庁の職員として活躍しています。以下は、受講した学生の感想(代表)です。 

A.Mさん(熊本県立第一高等学校出身)

当初は自分にはあまり関係のない職種ではないかと思っていましたが、講義を聴いて税関には一つの職場のなかに様々な仕事があり、とても興味が湧きました。一方で、とても大変なお仕事で、日々の勉強と経験の積み重ねが重要になってくると感じました。私が最も興味を持ったのは空港でのお仕事ですが、海外勤務や財務省関税局での貿易交渉にも興味を持ちました。これからいただいたパンフレットも参考にして、もっと税関のお仕事について調べていきたいと思います。また、育休などの制度が充実しているところにも魅力を感じました。私も将来、このような制度が充実している職場で働きたいと思います。

K.Yさん(長崎県立長崎南高等学校出身)

私達が海外の製品を安全に入手して、使うことができているのも税関の方々のお仕事があるからだと知り、貿易の第一線、いわば外国との窓口となる場所で国民を守るために働く、そのお仕事にとても興味が湧きました。今回は貴重なお話をありがとうございました。

H.Tさん(長崎県立佐世保商業高等学校出身)

私は入学前から税関に興味を持っており、仕事内容や国家公務員試験について調べていたので、本日の講義はとても貴重で興味深い時間となりました。講義を通して税関には充実した研修制度や福利厚生制度があり、また女性職員のキャリアアップを推進していることを知り、さらに関心を深めました。講師の方は税関職員に期待される資質として、的確な対応能力を備えた柔軟性や様々な国際分野で活躍できる国際性、総合性をあげられました。また、高い志を持った好奇心のある人を求めていると話されました。今後、国家公務員試験を視野に入れて大学での学びを深め、こうした資質を身につけていきたいと思います。 

T.Iさん(佐賀県立佐賀東高等学校出身)

講義を受ける前は税関のお仕事は空港で麻薬の密輸を取り締まることだと思っていましたので、海港や国際郵便局でも働かれていること、銃器や偽ブランド品も取り締まっていることなどを知り、改めてグローバル化が進む経済の最前線に必要不可欠な職業なのだと実感しました。特に印象に残ったのは麻薬探知犬の活躍です。訓練風景の映像を見て、とても感動しました。また、山口支署長が「真面目な人が馬鹿をみる、そんなことは絶対あってはならない」とおっしゃっていたのがとても印象に残りました。真面目に税金を納めている人が損にならない社会を自分の手で作ってきた実績を持たれている方がおっしゃったからこそ、とても重みがある言葉に感じました。

A.Kさん(佐賀県立致遠館高等学校出身)

門司税関の方々のご講義では、税関の沿革や概要、果たしている役割、業務内容について知ることができ、また麻薬探知犬のハンドラーのお仕事についての動画や税関職員になるまでの道筋を時系列で見ることもできました。一番、驚いたことは税関職員には予想以上に仕事の種類がたくさんあることでした。「旅具取締」のような私達が目にする仕事だけではなく、「事後調査」という輸入者の事業所等を訪問して貿易の取引内容を調査する仕事や化学的な分析を行い不正な薬物かどうかを調べる「分析」、密輸事件や脱税事件の犯則調査などの仕事があることを知りました。講義前まで密輸は人が巧妙に隠して持ち込むものと思っていましたので、船で運ばれてきた荷物や郵便物までもが密輸の道具になっていることに驚きました。今回、私は幸運なことに隣が講師の方々というベストポジションに座っていたため、お顔をはっきりと見ることができました。オーラがキラキラしていたので、働いてる女性はかっこいいと改めて思い、私もやりがいがあり、熱中できる仕事がしたいと思いました。税関で働くためには難しい国家公務員試験を受け、面接に合格しなければならないので、相当な努力と覚悟が必要になると思います。私も目標とする職業に就くために覚悟を持って挑戦できる人になりたいです。

E.Mさん(福岡県立小倉南高等学校出身)

門司税関の方々のご講義を聴いて、税関の業務や役割について詳しく知ることができました。特に印象に残っているお話が二つあります。一つ目は、偽ブランド商品の収益が組織犯罪の資金になるかもしれないということです。自分が偽ブランド品を買うことが犯罪に繋がってしまう可能性があると知り、絶対に買わないようにしようと改めて思いました。二つ目は、国家公務員は女性が働きやすい職場環境であるということです。国家公務員の3割が女性であると知り、とても驚きました。産前や産後の休暇や育児短時間勤務など、女性職員にとって働きやすい環境が整備されていて、魅力を感じました。これらのこと以外にも、税関の業務や役割について今まで知らなかったことをたくさん知り、とても魅力を感じました。自分でもさらに詳しく調べてみようと思います。これから先、将来の夢について考えたり、就職活動が始まったりした時に、今回のご講義で学んだことを活かしていきたいと思います。

A.Mさん(福岡県立筑前高等学校出身)

税関は第一線で秩序ある貿易を守るとともに、社会や経済を乱す不正な輸出入を防止するという役割を果たしています。私はかねてより税関のお仕事に興味がありながら、難しそうという印象のみで諦めてしまっていましたが、採用されてからの研修制度が充実していると知り、少し安心しました。もちろん、国家公務員試験は難しいとは思いますが、将来の選択の一つとして考えていきたいです。

N.Sさん(福岡県立香椎高等学校出身)

私は税関職員の方々から高い志を感じました。一人ひとりの職員が「税関」という仕事に課された責任と任務の重要性をしっかりと認識され、国や国民から寄せられる期待の大きさを理解して日々、行動されているから、私たちは安心して生活できていると思いました。それに対する感謝と恩返しをするべく、私も本学で将来に向けた勉学に励みます。ありがとうございました。

M.Sさん(福岡県立宗像高等学校出身)

質疑応答の際に講師の方が「税関の仕事だけでなく、どの仕事でもやりがいと大変なことは一致している」とお答えになった言葉がとても印象に残りました。大変なことを頑張ってやりきったからこそ、そこによりやりがいを感じることができる。これは仕事だけでなく私達の学生生活にもあてはまることだと思います。今はきつく感じても授業に真剣に取り組んでいれば、必ず将来、自分の人生に役立つと思います。私も、自分の将来のためにもっと勉学に励みたいと思いました。

R.Hさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)

今回は私達が知らないところで社会の安全を守るために大きな役割を果たされている税関の方々から貴重なお話を聞けて本当によかったです。講義を通して、将来の選択の幅も大きく広がりました。知らないということは将来の選択肢が狭くなるということなので、まずは自分で様々な分野の情報収集をしていこうと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。

Y.Aさん(福岡県立糸島高等学校出身)

私は入国審査官になることを目標としていますので、今回、同じく世界とつながる国家公務員のお仕事についてお話を聴くことができて本当によかったです。税関は部署によって仕事内容もたくさんあり、色々なことを経験することのできるところにとても関心を持ちました。また、日本の安全を守るという大きな責任がある重要なお仕事だと感じました。国家公務員という仕事に就くことは決して簡単ではないと思いますが、ぜひ挑戦していきたいです。