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2020.11.16

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」④金融業:西日本シティ銀行人事部の立花様による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスや公務の第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。

前回は2016年度より実施している西日本シティ銀行との提携講義の一環として同行人事部人財開発室の立花優子様をお招きし、「銀行の業務と社会的役割」についてお話しいただきました。

立花様は福岡女学院中学高等学校のご出身で、青山学院大学教育人間科学部を経て、2013年に西日本シティ銀行に入行されました。入行後、北九州の戸畑支店に配属され、預金係、貸付係のほか、女性行員登用の一環としてそれまではほとんど男性行員に限られていた渉外営業の業務も担当されました。2016年からは本部の人事部人財開発室に異動して研修業務に従事されており、O.Yさん(福岡県立香住丘高等学校出身)やM.Kさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)など、同行に入行した国際キャリア学科の卒業生もご指導いただいてます。

講義でははじめに銀行の役割と業務について「100万円の車を購入するのに西日本シティ銀行でローンを組みました。5年間で利息はいくらかかると思いますか」という問いかけから始めて、もしも銀行がなかったら生活がどう変わるのかという例をあげながら「お金に関わる『不便』を『便利』に変えるのが銀行です」とわかりやすくご説明いただきました。「銀行法」に規定されている預金、融資、為替という銀行の固有業務と、金融仲介機能、信用創造機能、支払決済機能という銀行が経済活動の中で担っている機能についても学生がイメージしやすい具体例を交えながらご説明いただき、金融業は形として見えない商品を取り扱い、しかも銀行間には取扱商品自体には大きな差がないことから「特に人間力が問われる仕事です」と述べられました。

 

続いて、日本の高齢化や社会保障制度の現状をご自身が入院された際のエピソードを織り交えながらご説明いただき、「長くなる老後に向けて必要なお金についての相談ができるところが銀行です」と述べられ、2008年の金融自由化によって個人向けの投資信託、保険商品の販売、証券仲介の業務が加わるなど、多角化している銀行業務の現状について解説いただきました。

銀行での具体的な仕事については、預金担当(テラー係、預金後方係、出納係)、融資窓口担当、フィナンシャル・アドバイザー、渉外営業担当、支店長・課長、本部のそれぞれの仕事内容と求められる資質について、例えば渉外営業担当は「若い行員でも取引先の経営者の方と親しくなることができ、様々な業種の企業の方と関わることができるやりがいのある、緊張感のあるお仕事です」など、ご自身の戸畑支店での経験談を織り交ぜながら説明いただきました。そのうえで、「営業は女性に向いている仕事です。皆さんも積極的に営業職にチャレンジしてください」と呼びかけていただきました。また、地域社会と密接な結びつきを持つ地方銀行の役割、メインバンクとする企業が全国、そして九州・沖縄でも二番目に多い西日本シティ銀行の概要と同行の女性活躍推進のための取り組みについてもご紹介いただきました。

講義の最後には、ご自身が銀行を就職先として選んだ理由について①20代でも企業経営者の方とつながりができる、②働きながらお金に関する勉強ができる、③転職では入りにくい仕事であるという三点をあげられ、銀行の仕事の魅力について「一つの企業の中で様々なことを経験できることです」と述べられるとともに、同じ女子校出身の先輩として「女子校はリーダーシップを発揮しやすい環境にあります。女子校でのリーダーシップの経験は社会に出ても必ず役立ちます。女性をまとめることができたら、男性をまとめることは簡単です」「コロナ禍でも顕著になってきたようにこれから先、世の中はどう変わるかわかりません。どのような状況でも働ける人になれるように、これからの企業選びに際しては企業の規模などではなく、そこで何が学べるか、何を得られるかという視点を大事にしてください」など貴重なアドバイスをいただきました。

社会人の先輩女性からの学生の目線に立ったわかりやすい解説と力強いアドバイスは学生たちに強い刺激を与えたようです。以下は受講した学生の感想(代表)です。

M.Mさん(福岡県立宗像高等学校出身)

立花様からは講義の最後に就職する際のアドバイスをいただきました。大手だから100%安心ということはないので、この会社ならこんなことを学べる、この会社なら自分の力を伸ばせるという視点を持つことが大切だということでした。自分にスキルや知識が身についていればその後、どんな仕事でもやっていけると思いますので、若いうちから多くのことを積極的に経験することは大切だと思わされました。

A.Fさん(福岡県立三池高等学校出身)

銀行業務についての講義を聞き、身近に利用している銀行が幅広い業務を行っており、現代の社会のニーズに答えながらその役割を拡げていることを学ぶことができました。また、営業に関するお話からはお客様に興味を持つことが大切だと学びました。お客様のことを知るとともに、人間力が求められると感じました。

S.Mさん(福岡県立春日高等学校出身)

講義の最後に立花様がおっしゃった言葉がとても印象に残りました。小さなグループ活動でもいいのでリーダーの経験をたくさんしてほしい、それによってリーダーの大変さを知ることが大事だということでした。「リーダーの経験をすることで、こうするとリーダーが助かるだろうなと先回りして行動することができる」、この言葉を聞いて私はこれからもっとリーダーの役割に積極的に挑戦しようと決めました。夏休みに福岡銀行のインターンシップに参加しましたが、同じ業界でありながら立花様から受ける印象や雰囲気は全然、違っていて驚きました。やはり、実際に企業で働かれている方からお話を伺うことが大切だと改めて感じました。 

K.Oさん(福岡県立城南高等学校出身)

今回は西日本シティ銀行人事部の立花様のお話を聴かせていただきました。銀行などの金融機関は私が志望している職種の一つなので、とても貴重な時間でした。講義のなかで立花様が「コロナ禍の前、銀行はこの何十年かで無くなる仕事の上位に位置づけられていました。しかし、コロナ禍以降は無くならない仕事の第1位になっていました」とおっしゃっていたのが印象に残りました。私はアルバイトで銀行に関係のある事務の仕事をしています。コロナ禍でも大忙しでした。私自身、コロナ禍の前までは銀行の作業はAIに取って代わられるのではないかと思っていましたが、その時、銀行はいかに生活に密接している仕事なのかを実感しました。このように何が起こるか分からない、安定した仕事なんてないという時代に生きるには「自分の意思」が必要だと思います。「安定」で決めるのではなく、その会社で何をしたいか、どのスキルを身につけていきたいかが重要なのだとこの講義を聴いて改めて思いました。

N.Nさん(福岡県立新宮高等学校出身)

今回、西日本シティ銀行の立花様の講義を通して、銀行の業務や社会的な役割、仕事内容について理解を深めることができました。これまで私は銀行の業務はお金を扱うため、責任が大きすぎる仕事なのではないかと思い、少し敬遠していました。しかし、今回の講義を通して責任が大きいからこそやりがいを感じられる仕事でもあり、周りの方々と支え合って働き、お客様とともに成長することができる仕事であると感じました。また、立花様は学生時代におけるアドバイスとしてリーダーシップについてお話しされました。女性だからこその発想や考え方を活かして、リーダーシップを発揮することが社会においても大切なことであるとわかりました。今後、リーダーシップについて意識した行動をしていきたいと思います。

K.Mさん(福岡県立須恵高等学校出身)

就職活動のなかでどの会社に応募するか、非常に悩んでいました。しかし、立花様から「その会社でどういう力をつけたいか、どのような力を発揮したいのか」という視点を大切にするようにアドバイスいただいたことで、自己理解や具体的な目標を持つことが重要であることに気が付くことができました。また、立花様は「私たち女性には女性だからこそできる事がある」とおっしゃっていました。女性の社会進出は以前に比べれば一般的にはなりましたが、まだ課題も多く残っています。しかし、仕事では女性だからこそ乗り越えられる課題や壁があるそうです。そのお言葉が心に響きました。立花様が女性だからこそできる事や強みを活かして、お仕事をこなされているお姿は素晴らしいと思いました。

S.Kさん(福岡県立八女高等学校出身)

立花様には多くの貴重なアドバイスをいただきました。特に印象に残っていることはリーダーの経験をたくさんしておくということです。女性だから、女子校出身だからこそ言えることだと思いました。「女性をまとめていくことは大変なことだ」という言葉にも納得しました。私自身、リーダーの経験、リーダーを支える役割、どちらも経験したことがあります。双方を経験することでリーダーをどのように支えるべきなのか、リーダーがどのような行動を行うとグループがまとまるのかなど、様々な観点から見ることができるようになったと感じます。今後も小さなことでもいいので、積極的にリーダーの経験をするようにしていきたいと思います。今、就職活動に向けて、企業研究を進めている段階です。コロナ禍で様々な企業が打撃を受けています。大企業だからという理由だけで企業を選んでしまうと、失敗する可能性が高いと改めて感じました。立花様は「自分がその企業で何がしたいのかという軸を持っていると、どんな環境でも頑張ることができる」とおっしゃっていました。今一度、自分の軸を確認して、将来、どんな自分になりたいのか考えてみます。そして、さらに視野を広げて、就職活動に取り組みたいと思います。

A.Tさん(長崎県立佐世保商業高等学校出身)

立花様はこれまでの「カレントビジネス」の講義で初めての女性の講師ということもあって、とても親しみを持ってお話を聞かせていただきました。ご自身の経験や考えをたくさん伝えてくださって、とても充実した楽しい時間でした。これまで金融業に対して少し堅いイメージを持っていたのですが、たくさんの人と関わることのできる魅力的な仕事だとわかりました。これをきっかけに金融業についてもう少し調べてみたいと思いましたし、何より立花様のようにかっこいい女性になりたいと思いました。

A.Tさん(大分県立大分鶴崎高等学校出身)

銀行の仕事と聞くと窓口での接客を思い浮かべていましたが、渉外営業で地元企業などに対するアドバイスやコンサルティングなども行っているということを立花様のご経験を含め詳しく聞くことができ、銀行に対するイメージが変わりました。また、西日本シティ銀行が女性にとって働きやすく、生涯活躍できる銀行を目指しているということを聞き、素晴らしいことだと思いました。

M.Kさん(鹿児島県立国分高等学校出身)

立花様の「営業や銀行のお仕事は女性だからこそやりやすい仕事」という言葉がとてもイメージが湧きやすかったです。お客様の気持ちの一歩先まで考え、人に興味を持つというのが大切なのだと学びました。アルバイト先でも社員の方から「お客様がおっしゃりたいことの一歩先まで考えたほうがいいよ」とアドバイスされたことがあったので、とても納得できました。お客様に限らず、誰かと関わる際には相手の気持ちを一歩先まで考えると円滑にコミュニケーションが行えると思います。ぜひこれからに活かしていきたいです。

K.Kさん(熊本県立玉名高等学校出身)

立花様の講義から銀行の仕事と地方銀行について多くのことを学ぶことができました。20代で社長の方と話す機会があることやお金の仕組みに詳しくなること、さらに西日本シティ銀行では女性が生涯活躍できる職場を目指しているなど、銀行に勤めることの良さがたくさん見えてきました。一部に銀行は将来、なくなる可能性が高い仕事などと言われていますが、そのような情報に振り回されず、自分の求める学びを得られ、スキルが習得できる会社で働くことが大切だと改めて感じました。