池田教授が担当する「基礎演習D」では、さまざまなミュージアムについて、その成り立ちや展示物、展示方法などから、「メディア」としてどのようなコミュニケーションを生み出しているのかを学びます。
*基礎演習はA~Fまであり、それぞれを学科の6人の先生が担当し、オリジナリティあふれる授業を展開します。通常2年次後期に受講する選択必修の授業です。
さまざまなミュージアムを調べ、ディスカッションを重ねながら授業は進みます。そして12月、ミュージアムを見学するフィールドワークに出かけ、今年も北九州市が運営する「北九州平和のまちミュージアム」と私設の「北九州平和資料室」の2つのミュージアムを訪れました。
実際に足を運ぶと、同じテーマを扱っていても、展示方法や受け取る印象が違うことを感じます。(それぞれの違いについてはこちら。※昨年度の記事より)
私設のミュージアムである「北九州平和資料室」を管理・運営されている小松芳子さんから、当日の様子について寄稿していただきました。
私の一方的な説明を大きく反応することなく聴いていた学生たち。きっと、普段考えていない戦争のリアルを突き付けられて、固まっていたのではないかと思う。そんな学生たちが、「戦争の時代を生きた方々の存在があるからこそ今がある」「その時代を生きた人の気持ちを知ろうとすることが大切」と、書いて表現してくれた。
兵士の背嚢を背負い、鉄帽をかぶり、銃を持ち、「やばい!やばい!」と「同年代の兵士を感じる」人。「おばあちゃんのお姉さんが風船爆弾製造に関わった」と、そっと話してくれる人。戦時資料に触れ、当時の写真を見て、当時を生きた「人」に思いを馳せてくれていることが嬉しかった。さらに、「生きるとは」「人間とは」と考えている学生の姿、命のつながりを考え、自分のできることを考えている学生の姿に、未来への希望をもつことができた。「人の見える展示」が、今と昔の距離を、自分とその人の距離を縮め、自分がどうすべきかを考えさせると、改めて思った。
欲を言えば、「生きるとは」の答えが「国のため」にならないことを願う。国家に捉われない全人類、地球全体として俯瞰する目を養い多様性を受け入れるために学んでほしいと思う。そういう人間が育つ社会を築いていかなければならないと思う。
この3年間、大人の仲間入りをしたばかりの学生たちが、何を大事にすべきかを悩みつつ真剣に考える姿、表現する姿に力をいただいた。きっと、これから先も自ら考えることを大切にして生きて行ってくれることを信じ、私も継承活動を続けていきたいと思う。感謝。
世界情勢が刻々と変化している今、戦争は過去のことではなくなったと感じます。
当時どのようなことが起こっていたのかを知ることが第一歩となります。
ミュージアムの「メディア」としての役割を実感した一日となりました。
(学科Today編集担当)



