前回に引き続き、「基礎演習A」(担当:忠聡太講師)の授業を紹介します。
この授業では、学生一人ひとりが自分の文化的な原体験に関する調査に取り組み、グループワークを通して文化史調査の基礎とディスカッションの技法を学びます。発表担当者はクラス全員に事前に配布する資料の作成に取り組みます。発表内容に関わりのある文献や新聞記事などの調査が必要であることはもちろんですが、「調べてみて初めて出会った過去の自分」をこの授業では大切にします。
かつての自分を夢中にさせたモノを、現在の自分の目で見て、触れてみる。思い出の場所やその跡地に直接足を運んで、家族や友人といった当時の関係者に直接話を聞く。頭ではわかっていると思っていても、実際に「今」やってみると当時は気付かなかった疑問が湧いてきたり、思いも寄らないものに感情が動かされたり、今まで見えていなかった「自分」に気づくことができます。
そうして完成した資料には各々の個性が投影されており、何より今の自分を培った大切なモノを語るその人の熱い言葉は、別の教室で耳をすますリスナー役の学生を惹きつけてやみません。オンエア中には同世代のリスナーからの多くの「おたより」が次々に寄せられるため、いつ、どの場所で、どのように出会うかによって、違った顔をみせてくれるその時代の「文化」のおもしろさに気づかされます。
この授業を通して話す機会がなければ、知られることもなく消えていってしまったかもしれない思い出や記録の数々。その一つひとつが今のみなさんとつながっているはずです。
(学科Today編集担当)


