国際キャリア学科(ICD)3年のY.Sさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)が福岡県と福岡県国際交流センター主催の「
「
以下は、シドニーで貴重な経験を積んだY.Sさんの報告をご紹介します。
「海外福岡県人会と連携した国際人財育成事業」シドニー研修に参加して(国際キャリア学科3年 Y.S)
私は「海外福岡県人会と連携した国際人財育成事業(シドニー派遣)」のメンバーに選抜いただき、今夏、オーストラリアのシドニーを訪問して、航空、観光、貿易、不動産、飲食関連のビジネスについて学びました。
私は観光産業に特に強い関心を持っています。コロナ禍前、オーストラリアは海外からの観光客数が日本の 3 分の 1 以下であるのに対して、国際観光収入は世界でトップ 10 に入るほどの観光大国であり、それは海外観光客 1 人当たりの収入が高いためであることに注目しました。そこで、オーストラリアの観光業界が培ってきたノウハウや効果的なマーケティング戦略に興味を持ち、「オーストラリア方式の客単価を高める観光事業について学ぶ」という目標を立てて、今回の研修に臨みました。
研修を通して、オーストラリアでは多文化を受け入れる体制が整備されていること、そして環境に関する意識が高いことが印象に残りました。オーストラリアは、様々な人種の人々が混在して生活している多文化社会です。 私達もそのなかに自然に受け入れられている空気感に居心地の良さを感じました。私はこれまで6ヶ国を訪ねましたが、このような経験は初めてで、とても感動しました。自治体国際化協会(CLAIR) シドニー事務所での研修で、 オーストラリアでは無料の通訳サービスが発達していることを学びました。TIS という誰でも 24 時間 365 日、無料で使える電話通訳サービスがあり、これは移民が 3 割を占めるオーストラリアで、英語が分からない人をサポートする目的で政府が運営しているそうです。また、ベジタリアンやハラルなど、信念や宗教の違いに対応しているお店が多いことにも気づきました。スーパーにはヴィーガン・コーナーがあり、フードコートではヴィーガン・メニューがありました。オーストラリアはエコ先進国であり、サステナブルな取り組みが盛んであることも学びました。このように、多文化社会ならではのサポート体制やエコ先進国ならではの積極的なサステナブルな社会づくりへの取り組みは、日本の観光産業でも活かすべきポイントだと思いました。
次に、日本の観光客 1 人当たりの観光収入を増やすための施策について考えました。国際観光振興機構(JNTO )での研修で、日本はサステナブル・ツーリズムに特化している地域の PR にさらに力を入れるべきだと学びました。近年、世界中の政府や企業が SDGs に積極的に取り組んでおり、旅行業界でもサステナブルな取り組みをしている国や地域が注目されています。なんとオーストラリアの旅行者のうち 59%の方は、環境に優しい内容であれば旅行費用が高くなっても構わないと考えているそうです。コロナ禍を経験し、世界各地で「質が良いもの、納得できるものには高い値段を」という考え方が浸透してきており、日本でしか経験できない特別感のある体験も外国人観光客にとって、とても魅力的なものになっています。日本ならではの特別感があり、高い値段で売り出されている体験型観光の例として、20 万円の岐阜県の日本刀作り体験や10 万円の三重県のアコヤ真珠取り出し体験があります。SNS が盛んな現在、海外のインフルエンサーやセレブリティと協力して、量から質へと発想を転換した PR 活動に取り組むことで、旅の目玉となる体験を大々的に宣伝し、売り出すことで、客単価を効果的に高めることができると思います。
シドニーで「あなたたちは日本人だね。私たちは日本が大好きだよ。早く日本に旅行をしたい」と、 多くの方々が話しかけて下さったことがとても嬉しくて、心に残っています。早くコロナ禍が収束して、以前のように観光客で溢れる日本が戻ることを願っています。今までは旅行の消費者側の立場でしたが、今回は提供者側の立場になって、新たな側面から旅行という商品に触れ、考えることで、これからのキャリアを積むうえでの強みになったと確信していま す。少しずつ with コロナの生活へと動き出そうとしている今、このプログラムでの経験や学びを必ず日本、そして福岡の観光産業の活性化に貢献するために活かしていきたいと思います。最後になりましたが、今回の研修でご指導いただいたシドニーの企業や公的機関の皆様、福岡県人会の皆様、そして福岡県国際交流センターの皆様に心からお礼を申し上げます。このような貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。



