メディア・コミュニケーション学科の３年池田理知子ゼミでは、アーサー・ビナード編著の『知らなかった、ぼくらの戦争』を通して、これまであまり取り上げられてこなかった戦争のさまざまな側面について学んでいます。福岡女学院資料室ツアーの前週で取り上げたのが、戦時中に広島県の大久野島で毒ガスを製造していた工場に学徒動員された女性のインタビューでした。

実は、福岡女学院の先輩たちも戦時中は兵器工場で働いています。下記の写真にはその様子が写されています。大久野島で働いていた女性も、女学院の先輩も、いったい何を作らされていたのかはっきりとは知らなかったはずです。インタビューのなかでその女性は、はからずも「加害者」となってしまった事実を知り、とても悔やんでいました。自分が製造した毒ガスがその後どのように使用されたのかは今となってはわかりません。たとえ無自覚であったとしても、知らず知らずのうちに命を奪う行為に協力させられてしまうのが戦争の恐さなのです。資料室ツアーでは、母校と戦争のつながりをしっかりと学んでほしいと思っています。

航空機工場での作業風景（福岡女学院資料室所蔵）

（池田　理知子）

昨年度の資料室訪問の記事はこちらよりご覧いただけます。