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2022.01.13

国際キャリア学科

(授業紹介)「Junior Seminar」(3年次ゼミ、中東・北アフリカ地域研究、山口ゼミ)②

国際キャリア学科生は3年次から国際政治経済・地域研究、国際協力、異文化コミュニケーション、経営・ビジネスの各専門分野のゼミ・クラスに分かれ、専門科目を重点的に学びます。
 
このうち、中東・北アフリカ地域の政治経済を中心に学ぶ山口ゼミの3年生は、前期には近年、世界を揺るがせてきた「イスラーム国」(IS)が生まれてきた要因や背景について、『現代中東の国家・権力・政治』(ロジャー・オーウェン著、明石書店)や『「イスラーム国」の脅威とイラク』(吉岡明子/山尾大編、岩波書店)などの文献を調べたうえで、4つのグループに分かれて討議し、発表しました。

続いて、後期には今度は経済に焦点を当てて、中東・北アフリカ地域における広域的な経済ハブとなってきたレバノン、バーレーン、ドバイ(アラブ首長国連邦)、カタールを取り上げ、それぞれの経済政策の成功(国によってはその後の挫折)の要因について様々な視点から分析を行い、発表しました。

 

4年次は、前期に都市国家的な性格を持つ上記の4カ国とは対照的に人口規模、経済規模とも大きなエジプト、モロッコ、トルコ、シリアを取り上げ、その政治、経済、社会に関しグループで研究します。そして、後期には各自、テーマを設定して卒業研究を進めます。研究テーマは在学中の経験、卒業後の目指す進路(職業)などを踏まえ、各自が最も深い関心を持った分野を担当教員と協議しながら選定する予定です。

以下は後期の「中東の経済ハブ」についての研究発表を終えたゼミ生の感想(代表)です。

R.Uさん(福岡県立筑紫高等学校出身)

私はバーレーン・チームに所属しました。バーレーンに関する文献は少なく、情報を集めることに苦労しましたが、同国がアルミニウム製錬や船舶修理などの製造業、金融業、航空産業などで中東の経済ハブ機能の先駆けとして発展していったことを学びました。一つの国でも研究することにかなりの時間を要したので、短時間で分かり易くまとめた他のチームの発表を聞くことができた点もとてもよかったです。特に、レバノンの発表では広域的な経済ハブとしての繁栄が内戦で一気に崩壊したこと、そしてレバノン経済は今も多くの課題を抱えており、以前の繁栄を取り戻すことは難しいだろうとチームが分析していたことに衝撃を受けました。私は世の中に溢れている情報の中から正しい情報を取捨選択できるようになるとともに、背景を理解したうえで複雑な国際問題等に関し自分の考えを持ちたいと思い、このゼミを志望しました。1年間のゼミ活動を通して、その成果を実感することができました。

M.Nさん(福岡県立久留米高等学校出身)

「中東の経済ハブ」の研究を通じ、ドバイやバーレーン、カタールなどの湾岸諸国がオフショアバンキングやイスラーム金融を中心とする金融センター化、大規模な港湾やフリーゾーン整備による外資系企業の誘致など、大胆な経済政策で発展を導いていることを知り、驚きました。また、経済ハブとなってきた中東諸国ではいずれも航空産業が大きく関わっており、研究を通し私が最も関心のある航空産業についてもその歴史や発展について学ぶことができ、非常に興味深かったです。経済ハブの衰退についてはいずれも宗教・宗派間の対立による情勢悪化が原因となっており、やはり中東・北アフリカ地域において宗教・宗派間の対立は極めて深刻なものであるということを改めて感じました。1年間、このゼミで学び、モノの見方や考え方が広がったような気がします。これからさらに理解を深めていきたいです。そして、コロナ禍でいつになるかは分かりませんが、卒業生の先輩方のようにこのゼミで学んだことを実際に現地に行って自分の目で見てみたいです。

N.Mさん(佐賀県立武雄高等学校出身)

「中東の経済ハブ」に関する研究・発表では、中東・北アフリカ地域における経済ハブとしての役割を担ってきたカタール、レバノン、バーレーン、ドバイについてそれぞれの経済発展と衰退の原因などについて学びました。私は今もなお経済ハブとして繁栄しているドバイについて研究しましたが、これまで様々な先進的な政策を展開して、発展を遂げてきたドバイの諸政策はレバノンやバーレーンの経験を活かし、発展させてきたものであることを知り、驚きました。来年度もまだまだ知らない中東・北アフリカの国々やその魅力について知識を深めていきたいです。

F.Mさん(福岡県立香椎高等学校出身)

私たちはカタールについて研究しました。カタールは独立してあまり年月が経ってないということもあり、先行研究も少なく、情報を集めることにも苦労しましたが、4 人でそれぞれ調べたことをまとめた上で、討議し、カタールが現在に至るまでどのように経済発展してきたのかをまとめることができました。とても活発的なグループ活動を行うことができ、充実したゼミでした。

M.Wさん(福岡県立福岡中央高等学校出身)

私たちのチームはレバノンについて調べましたが、初めは参考になる文献や資料を見つけることが難しく、苦戦しました。その時に先生から「レバノンは他の国と比べて早い段階から経済ハブになるための取り組みを行っていた」と聞き、まずはレバノンの国と国民がどのような特徴を持っているのかを歴史を遡りながら調べることにしました。先生の力をお借りしながらチームの皆と全く分からない状態から始め、私たちなりの研究成果を発表することができました。また、他の国を調べたチームの発表を聞くことでレバノンとの相違点について知ることができたのも、視野を広げることに繋がったと思います。ゼミでの活動を通してどんなに困難な課題にも考え方を変えて、異なる方向から取り組むことの大切さにも気が付くことができました。これからの学生生活、就職活動に活かしていこうと思います。

M.Tさん(長崎県立島原高等学校出身)

私たちが担当したレバノンは情報が少なく、最初は苦戦しましたが、メンバーで協力して研究を進め、発表した後には大きな達成感を感じました。研究するなかで、中東・北アフリカ諸国と日本とのつながりの深さを知り、驚きました。4年前期も同じグループ発表なので、しっかり調べて発表できるように頑張りたいと思います。ゼミの皆と一緒に一つのことに取り組み、協力して成果を創り上げていくことが楽しかったです。

Y.Mさん(福岡県立福岡高等学校出身)

1年間のゼミを通して、中東・北アフリカ地域について政治、経済、宗教、歴史など多角的な視点から、学びを深めることができました。1年次の「Freshers Seminar」の授業で山口先生から歴史的観点からイスラーム世界について学んだ際に、自身の知識の少なさに悔しい思いをしたことを覚えています。今では、分からないことがむしろ楽しく、複雑に絡み合った要因を一つずつ紐解いていくことにやりがいを感じており、この研究分野を選択して、本当によかったと思っています。また、前後期を通してグループで研究しましたが、協力的で温かい雰囲気のなか、取り組むことができました。ゼミのメンバーの熱心に研究する姿に日々、刺激を受け、先生からは文献からだけでは知りえないことやご自身の現地でのご経験に基づいたお話を聞かせていただき、恵まれた学習環境にとてもありがたく感じております。

M.Mさん(香川県立高松桜井高等学校出身)

私たちのチームは、レバノンについて調べました。最初、レバノンが経済ハブになった要因について知るための情報がなかなか見つからず、とても苦労しましたが、歴史を遡り、経済、産業、貿易、観光などあらゆる方面から情報を集め、メンバーで協力して取りまとめることができました。1年間のゼミを通して、中東・北アフリカ地域について多くのことを学ぶことができました。何よりコロナ禍で対面授業が限られるなか、ゼミに行くと皆と就職活動の報告をしたり、他愛もない話をしたりすることができ、仲間の大切さにも改めて気づくことができました。4年生のゼミも頑張ります。ありがとうございました。

山口ゼミ六期生(昨年12月のグループ発表後、写真撮影の時だけマスクを外しています)

山口ゼミ一期生:ドバイ研修(2017年)

(シャルジャ歴史資料館、エミレーツ航空本社で)