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2021.11.22

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」2021年度⑥:IT業界-LINE Fukuokaの中島様による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスの第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。 先日の講義にはLINE Fukuokaから中島祥吾様をお招きし、LINE Fukuokaの業務とマーケティングを中心にこれまで携わられてきたお仕事についてお話しいただきました。

 

中島様は初めに好きな英語を活かすため、英語コースのある高校に進まれたこと、大学も帰国子女や留学生が多い立命館アジア太平洋大学に入学し、そこでタイ人の友人ができたことからタイの歴史や文化、習慣、言語に関心を持ち、バンコクのタマサ―ト大学へ留学すべく、英語等言語の学習や留学に必要な成績の維持に努められたことなど、学生たちが身近に感じることができる学生時代のご経験から説き起こしてくださいました。

中島様は留学時に習得されたタイ語が評価され、タイ国政府観光庁に採用されましたが、国際協力への強い関心とガイドブックには載っていない開発途上国のリアルを体験し、現地の方々の生活に貢献したいという思いから海外青年協力隊に応募され、2年間、ケニアへ派遣されました。中島様が派遣されたのはケニア第四の都市ナクルで、水道やダムなどの建設プロジェクトを進める政府機関の広報部に所属されました。中島様は主として地域住民の協力を得るためのSNSを活用した情報発信や大学生等研修生の教育などのお仕事に取り組まれました。こうしたケニアでのご経験についても臨場感のある写真を示しながらご紹介いただきました。 

 

海外青年協力隊でのケニア派遣の後、中島様は再びタイ国政府観光庁でのお仕事に就かれます。そこでは、マスメディアと連携した情報発信、旅行会社や航空会社と提携した広告展開、SNSを活用したオンライン・マーケティングなど、タイへの観光誘致のお仕事に取り組まれました。中島様からはタイ国政府観光庁での業務について実例をあげながらご紹介いただくとともに、これまで取り組まれてきたマーケティングについて「以前は商品やサービスを顧客に買ってもらうための活動・プロセスと位置付けられていましたが、今日では顧客の真の欲求(=課題)を満たすための(=解決するための)価値をつくり、継続的に提供し続け、体験を高めていく総合的な活動及びプロセスに変わってきています。すなわち、企業目線での取り組みから顧客目線での取り組みに変わってきています」と述べられ、特に市場調査のうち統計やアンケート調査などをもとに消費者がなぜその行動をとるのかに注目し、仮説をたてるインサイト分析の重要性についてマクドナルドの事例を紹介しながら詳しく解説いただきました。

1920年代から今日に至る消費者の購買行動の移り変わりについても分かりやすく解説いただき、現代は①IT化の進展によるデジタル接点の増加、②高品質で低価格の商品が市場に溢れるプロダクトの変化、③最も利便性が高いものを選び、体験価値にフォーカスする顧客欲求の変化などで、質がいいだけでは商品は売れない時代になっていることを指摘され、そうした時代の変化に的確に対応している事例としてNIKEの取り組みを紹介されました。

中島様は今年、LINE Fukuokaに転職されました。講義の後半にはLINE、そしてLINE Fukuokaの設立の経緯や業務の概要、職場の雰囲気などについてご説明いただいた後、ご自身が担当されているAI関連の業務についてLINEが保有する画像認識や顔認証などのAIテクノロジーについて解説いただき、実際のサービスの実例としてLINE AiCallのレストラン予約サービスの映像を見せながらご紹介いただきました。

そして、講義の最後には学生たちに「自分に何ができるかわからない人は何が好きかを考えましょう。逆に何が好きかわからない人は何ができるかを考えましょう。情報が溢れている世の中ですが、アンテナを張りながら、自分で正しい判断基準を持つようにしましょう。そして、人の目を気にせず、WHY(なぜそれをするのか)を考えていきましょう。そこに自分のコアな部分が隠れています」「特に社会人になったら常にお客様にとって有益かどうかを忘れずに、モノやサービスを売ることは客観的に自分と相手を知ることから始まります。世の中の流れにアンテナをはり、データを重視しながらもとらわれ過ぎず、目の前の仕事に夢中になるあまり上位目標を見失わないようにしましょう。何より失敗を恐れないでください。失敗しないと学びにつながりません。大事なことは同じ失敗をしないことです」と貴重なアドバイスをいただきました。

学生たちは中島様の世界を舞台とした経験談と実務経験に裏付けられた解説に真剣に聴き入っていました。以下は聴講した学生の感想(代表)です。

M.Tさん(大分県立大分舞鶴高等学校出身)

一極集中型はやめて分散させるべきだという事業計画のもとで設立されたLINE Fukuokaですが、とても活き活きとした働きがいのある職場だろうと感じました。アジアの玄関口であり、教育機関が充実しており、磁力のある都市であることから同社の日本における二番目の拠点として福岡という土地が選ばれたことは初めて知りました。LINEはアジアを中心に利用されているアプリだからこそ、福岡という都市は最適であるとのことでした。日本では8割以上の国民が当たり前のように利用しているLINEという連絡手段、この「当たり前に携われていることがやりがいだ」という中島様の言葉がとても素敵だと思いました。

M.Sさん(大分県立大分雄城台高等学校出身)

中島先生からは特にマーケティングについて詳しく解説いただきました。中島先生はマーケティングとは「顧客の真の欲求を満たすための価値をつくり、継続的に提供し続け、体験を高めていく総合的な活動及びプロセス」とおっしゃいましたが、この定義に納得しました。今の時代は高品質で低価格の商品が溢れており、品質が良いだけではなかなか売れない時代になっています。そんな時代だからこそ、ユーザー体験がとても重要になってくるのだと感じました。その商品が顧客に何をもたらすのかという部分が非常に大切なことであることがわかりました。今回の講義でマーケティングについて学び、LINE Fukuokaについても詳しくお聴きすることができました。自分でもさらに調べていきたいと思います。

H.Kさん(宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校出身)

今回の講義を通して、今まではほとんど興味を持っていなかったIT業界について、LINEという私達に身近な企業を通じて知識を得ることで、とても関心を深めました。中島様がおっしゃっていた「失敗を恐れない」という言葉を忘れずに、これからの学生生活を過ごしていこうと思います。また、将来、企業側の人間になった時にも、客観的に自分とお客様を知ることを大事にし、常に世の中の流れを察知しながら働いていきたいです。貴重なお話をありがとうございました。

A.Iさん(聖和女子学院高等学校-長崎-出身)

LINE Fukuokaの中島様よりLINE Fukuokaの業務やマーケティングについて、そしてこれから意識して取り組むべきことなど、幅広く、深い話をお聴きすることができました。講義のなかで、①人目を気にしない、②目標を見失わない、③データにとらわれすぎず、クリエイティブに物事を考えることという中島様が大切にされていることが特に印象に残りました。一度きりの人生なので人の目を気にせず、挑戦したいことはやらないと損だなと思いました。私も中島様のように自分からたくさんのアクションを起こし、行動していこうと思います。また、目標を見失わないと聞いたときに、最初にたてた目標がだんだん低い目標に変わっていったり、何を目標にしてきたのかを見失ったりする自分を思い出しました。これからは自分の立てた目標を軸に行動していこうと思います。

M.Wさん(福岡県立春日高等学校出身)

中島様の講義を聴いて、これから生きていくうえで、働いていくうえで、大切なことを学べました。特に、講義の最後にいただいた私達へのアドバイスのなかの「自分の人生の責任を負うのは自分であり、人目を気にしてはいけない」という言葉が心に残りました。また、マーケティングに関心があるので、詳しく解説いただき、勉強になりました。これからマーケティングについてさらに勉強していきたいと思います。

M.Aさん(福岡県立春日高等学校出身)

中島様にはタイ国政府観光庁にお勤めだった時にもお話をしていただきましたが、今回は現在、勤められているLINE Fukuokaのお仕事のことだけでなく、ご自身のこれまでのご経験やマーケティングについて、またMECEのことなど、非常に多くのことをお話しいただき、勉強になりました。中島様の考え方や生き方に惹かれ、私も中島様のように行動力を発揮して、様々なことに挑戦できるような人になりたいと思いました。

Y.Mさん(福岡県立福岡高等学校出身)

今回の講義を通して、消費者の購買行動やマーケティングについても楽しく学ぶことができました。最後に中島様にいただいた私達へのアドバイスのなかで「手段の目的化を避ける」という言葉がありました。就職活動はあくまでもなりたい自分に向かってステップアップするための過程です。就職活動を行うことが目的ではなく、就職活動を通して自分を見つめなおし、社会で活躍するために成長する場として捉え、目標を見失わないように前向きに取り組んでまいります。

R.Mさん(福岡県立香椎高等学校出身)

LINEはコミュニケーション手段として浸透しており、日本国内では約85%の人が使用しているということを知り、私達の日常に不可欠な連絡手段となっていることを実感しました。LINEはメッセージや電話だけでなく、様々なサービスがあるということを知り、常に新しいことに挑戦する素晴らしい企業であると思いました。中島先生からは講義の最後にこれから就職活動をしていく私達へのアドバイスもいただきました。人目を気にせず、自分のやりたいことを貫き、責任を持って取り組むことがとても重要だと感じました。私も自分の好きを見つけるなど、自分自身についてもっと理解を深めることで、今後の就職活動に活かしていきたいと思います。とても勉強になり、面白い講義でした。ありがとうございました。

S.Kさん(福岡県立武蔵台高等学校出身)

現代人の生活において必要不可欠なコミュニケーション・ツールに加えて、私たちの暮らしをより快適にするためにAI等を活用して進化をし続けているLINEの姿がとても刺激的でした。これからを見据えると、さらに成長を続ける可能性の高い活気のある会社という印象を受けました。また、講義の最後に中島様にいただいたアドバイスも全て印象的で、私達に大切なことが詰まっていると感じました。①自分のやりたいことを後悔せずやっていく、②目標を見失うことのないようにする、③失敗を恐れず、失敗は次に活かす、④自分の価値を高める、⑤「なぜ?」の考え方を大切にして自分のコアを見極めるなど、就職活動に向かっていく私達にとって非常に重要な考え方だと思います。今後、様々な壁にぶつかることがあっても自分のコアを大事に行動することが大切なのだと感じました。自分自身を改めて見つめ直すことができた講義でした。ありがとうございました。

E.Tさん(福岡海星女子学院高等学校出身)

今回は、幅広い世代の人たちがコミュニケーション・ツールとして使っているLINE Fukuokaの中島様にご講義いただきました。私自身、LINEを愛用しているため、とても興味深い話でした。LINEはチャットや電話機能のある世界の人ともつながることのできるコミュニケーション・ツールに加え、AI技術を活用し、音声検索やLINE AiCallという飲食店予約をスムーズに行うためのサービスなども提供されています。これからはどれだけAIを活用し、付加価値の高いサービスを作りだせるかが鍵となるため、常に最先端なものを生み出していくLINEは活気のある魅力的な会社だろうと思いました。この講義では、私たちに最も身近なサービスを提供されている会社の方にご講義いただきました。もともと興味のある会社でしたが、今回の講義を受け、さらに興味が湧きました。

A.Yさん(純真高等学校-福岡-出身)

LINE Fukuokaの中島様に講義をしていただきました。まさか、2年前にお話を聴いたタイ国政府観光庁に勤めていた方とは思いませんでした。前回の講義の時もとてもワクワクして、「タイに行きたい!」「観光業って面白そう!」と思いましたが、今回も「マーケティングって面白そう!」「LINEって奥が深い!」と、心が躍る講義でした。今はコロナ禍でやりたいことがあっても行動に移しにくい世の中ですが、それを理由にチャレンジすることをやめてしまうより、今できることは何か考えて行動しておくべきだなと思いました。私達は様々な試みが必要な時期に機会を失ってしまったロストジェネレーションと呼ばれているらしいです。確かにその通りだとは思いますが、コロナ禍でたくさんの機会を失ったからこそ見えてきた日本や世界の動き、自分達が国民としての意識をもって選挙に参加することの大切さなど、わかったことも多くありました。私もこれから中島様のように将来、誰かの心を躍らせるお話ができるような経験を積んでいきたいと思います。ありがとうございました。