国際キャリア学科生は3年次から国際政治経済・地域研究、国際協力、異文化コミュニケーション、経営・ビジネスの各専門分野のゼミ・クラスに分かれ、専門科目を重点的に学びます。
このうち、中東・北アフリカ地域の政治経済を中心に学ぶ山口ゼミの4年生は、3年前期には世界を揺るがせた「イスラーム国」(IS)が生まれてきた要因や背景、そして地域に大きな政治的変動をもたらした「アラブの春」について、春休みに指定された『現代中東の国家・権力・政治』(ロジャー・オーウェン著、明石書店)や『「イスラーム国」の脅威とイラク』(吉岡明子/山尾大編、岩波書店)などの文献に基づき、各自で調べてきた結果を4つのグループに分かれて討議し、その結果を発表しました。
続いて、3年後期には経済に焦点を当てて、中東・北アフリカにおける広域的な経済ハブとなってきたレバノン、バーレーン、ドバイを取り上げ、それぞれの経済政策の成功(国によってはその後の挫折)の要因について様々な視点から分析を行い、発表しました。
(写真はいずれも昨年度、3年次のゼミ風景です)
4年次には、3年次のグループでの研究成果を踏まえ、各自、テーマを設定して卒業研究を進めました。研究テーマは海外留学や実務研修での経験、卒業後の目指す進路(職業)などを踏まえ、各自が最も深い関心を持った分野を担当教員と協議しながら選定しました。以下はその一例です。
- 「中東・北アフリカ地域における花卉産業」
- 「日本の飲料メーカーの中東市場開拓」
- 「中東における美容・化粧品市場」
- 「中東諸国におけるIT産業とメディア」
- 「中東地域における航空産業」
- 「映画から見た中東・北アフリカの政治と社会」
- 「中東の暮らし:主要国のライフスタイル」
- 「SDGsと中東」
- 「サウジアラビアの経済多様化政策」
- 「ドバイの経済開発戦略」
- 「イスラーム金融とイスラーム保険(タカフル)」
今年度はほぼ遠隔授業となりましたが、昨年12月には対面授業を行い、登校が可能だったゼミ生は対面で、難しかったゼミ生はオンラインで卒業研究の成果発表を行いました。各ゼミ生の卒業研究レポートはいずれも深く考察したことがうかがえる非常に良い内容となっていました。彼女たちが4年間の学習、研究の成果を活かしてこれから社会で活躍していくことがとても楽しみです。
以下は卒業研究を終えたゼミ生の感想(代表)です。
N.Tさん(大分県立国東高等学校出身)
山口ゼミに所属し、中東・北アフリカ地域の政治、経済、歴史、文化など、幅広く学ぶことができました。3年次にはチームで多角的に研究を進めました。他チームの研究成果とのつながりを先生が解説してくださったおかげで、ゼミ全体のまとまりを感じずつ、知識の幅を拡げ、深めることができました。4年次の卒業研究では多様な研究テーマがあり、おもしろかったです。イスラーム世界の美容や生活スタイル、メディア、貿易、航空運輸、映画など人によって本当に様々でした。中東世界は宗教、文化、生活環境など様々な面で日本との違いが大きいと感じる一方で、規模が壮大で煌びやかな商業施設や黒いベールの下はメイクが派手で綺麗なアラブ女子、雄大な自然など興味が尽きず、いつも行きたいと思っていました。社会人になっても仕事やボランティア活動を通して世界とつながり、学び続けていきたいと思います。
M.Tさん(宮崎県立小林高等学校出身)
私は9.11同時多発テロに関心があり、このゼミを選びました。3年次のゼミでは、まずこの9.11同時多発テロにつながった中東・北アフリカ地域の歴史と思想潮流について詳しく学ぶことができました。グループワークを通して細かいところまで調べて、共有し、発表するのは大変でしたが、最初の発表がこのテーマだったこともあり、後々のグループ研究もスムーズに進められました。4年生になってからは卒業研究が中心で、先生にたくさんアドバイスをいただきながら時間をかけて何度も推敲して、仕上げることができました。ゼミの皆と過ごした時間はとても貴重で、一緒に卒業できることが本当に嬉しいです。この出会いを大切にし、大学での学びや経験を活かしながら社会人生活を送っていきたいと思います。
H.Tさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)
2年間、中東・北アフリカの政治や経済を学んでいくことで、新しい知識や考え方を身につけることができました。特に、グループで「アラブの春」を様々な視点から調べた時とドバイの経済発展の歩みと要因について調べた時は得られるものが多かったです。グループで研究していくことの楽しさや大変さ、人に伝えることの難しさも体感できました。4年次は遠隔授業になったことが残念でしたが、12月の卒業研究発表では久しぶりに先生やゼミの友人と会うことができ、とても嬉しかったです。
M.Kさん(福岡工業大学附属城東高等学校出身)
最初は中東・北アフリカには内戦や紛争、貧困などネガティブな印象がありましたが、実際に調べてみると、航空産業や観光業を中心に経済が活況を呈している国もあってイメージが大きく変わりました。4年次には卒論テーマであるSDGs(持続可能な開発目標)を調べていくなかで、アブダビ(アラブ首長国連邦)など国によってはいくつかの先進的な取り組みがされていたので驚きました。全体的な達成度としてはまだ低いので、これから2030年までに中東・北アフリカ地域がどう変わっていくのか注目していきたいと思います。このゼミに入らなかったら知ることができなかったことを多く学べて本当に良かったです。ありがとうございました。
M.Uさん(福岡県立京都高等学校出身)
新たな知識を身につけ、視野を広げられたらいいなと思い、このゼミを選びました。実際に学んでいくなかで、中東・北アフリカ地域の多様性に関心を深め、さらに知りたいという気持ちになっていきました。1960年代から1970年代前半にかけて広域的な経済ハブとして繁栄したレバノンについて調べていた時も、担当したところが関心の深い航空運輸業の発展だったこともあり、資料の読み込みがスムーズに進み、十分に理解したうえで、発表ができたと思っています。4年次の卒業研究では「中東地域における航空産業」をテーマとしました。目指していた航空会社の採用活動が中止されたことからこのまま書き続けるかどうか迷いましたが、やはり自分の関心の深いことを研究すべきだと思い、完成させました。この2年間で中東・北アフリカ地域のニュースやテレビ番組にいつの間にか引き寄せられ、目を向けていた自分がいました。短期大学部から編入して右も左もわからない状態だった私をサポートしてくださった先生とゼミの仲間には本当に感謝しています。ありがとうございました。
S.Yさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)
歴史が長く、政治、経済、社会、宗教が密接に、また複雑に絡み合っている中東・北アフリカ地域について学んでいくことは難しく、最初のうちはついていくことで精一杯でした。しかし、先生が毎回、丁寧にわかりやすく解説してくださり、印象に残る授業をしていただいたので、確実に知識がつき、理解が深まったと感じています。なかなかこの地域について勉強している人はいないと思いますので、社会人になってからも学んでいき、自分の強みにしていきたいです。グループに分かれて一つのテーマに向かって研究発表をする際は一人一人にあった役割分担など、共同作業において大切なことも学ぶことができました。本当にありがとうございました。
☆☾ ندوة ياماغوتشي ☆☾
(上の左は昨年度の写真です。下はヨルダンの砂漠、レバノンの首都ベイルート、ドバイの伝統的な住居、バーレーンの油田、冬のイスタンブール、イラクのクルド自治区のエルビルの写真です。)


