検索したいキーワードを入れてください

2017.11.24 授業紹介

授業紹介『学習心理学』

 福岡女学院大学心理学科では、学生の可能性を開花させるための講義や演習が数多く準備されています。では、そこではどのような授業が行われ、学生たちは何を学んでいるのでしょうか?このような疑問にお答えするため、本ブログ『心理学科Today』では担当教員による授業紹介を行っています。
 今回紹介する授業は『学習心理学』。「学習」と聞くと学校などをイメージされるかもしれませんが、実は人間そのものに関係する現象です。その現象を歴史的な研究の流れの中で捉え直し、主要な理論やその根底にある考え方を理解することを目標としています。

 

 心理学は、19世紀末に哲学から分かれて誕生、発展してきた若い学問領域です。学問としての考え方を整備する際に中心テーマとなっていたのが「学習」です。
 心理学が誕生した頃はダーウィンの進化論の影響を強く受けており、環境への適応が重視されていました。その影響もあり、研究では動物を使った学習実験が中心に行われていました。ここで取り上げている「学習」という現象は、学校で行うような教科の勉強だけに限らず、もっと広く、「個体がある経験をしてその後行動の在り方を変える現象全般」を指します。つまり経験によって生じる行動の変化を指し、生物の存在そのものに関係する事象と言えます。
 授業では、これまでの研究成果や構築された理論をベースに、学習の種類やメカニズムについて理解を深め、「学習」が人間や生物に対して持つ意味を新たな視点から考えることを心がけています。先人の研究を検討し追体験することで、「学習」という機能が人間の生存にとっていかにかけがえのないものであり、また、日常生活の中でどれだけ重要な役割を果たしているかが理解されてきます。
 学習心理学の教育目標は以上のようなもので、その内容を15回にわたって行っています。授業では、行動主義心理学から認知心理学に至るまでの主だった学習理論に関して講義し、各種の概念や用語を整理しています。特に行動主義心理学については、古典的条件づけやオペラント条件づけを多様な外界への適応メカニズムの観点から捉え直し、現代的な意義を再発見するようにして、人間行動の変容に関する理解を深めています。また学習の認知説、社会的学習理論等に関しても概説しています。認知心理学における学習に関しては、記憶のスキーマ理論や知識構造、知識表現との関連でとらえていきます。最後に、学習理論の臨床的応用である行動療法や認知行動療法にも言及して、その現代的な意義を伝えることを心掛けています。
(担当:米川勉)
s_today171124.png