ー福岡女学院大学のメディア・コミュニケーション学科の受験を決めた経緯を教えてください。
実は私、高校2年生の冬まで、大学に進学するという考えは全くありませんでした。「専門学校にでも行くのかな」と漠然と考えるだけで、自分の進路に真剣に向き合っていなかったんです。
転機が訪れたのは高2の冬。あまり成績がよくなかったこともあり、家庭教師の先生と一緒に勉強を始めたところ、そこから少しずつ成績が上がるようになり、「もっと勉強したい!」という自覚が芽生えました。そして「どうせ勉強をするなら大学の方がいいかもしれない」と思うようになり、そこから進路探しがスタートしました。
私は小学1年生の頃から絵を描くのが大好きで、高校時代もスケッチブックやiPadにオリジナルのキャラクターをたくさん描いていました。中高とも美術部だったこともあり、興味のある「デザイン」が学べる大学を調べていく中で、候補に上がったのがこの大学でした。
高3では、美術系や家政系の大学など3校のオープンキャンパスに参加しました。その中でメディア・コミュニケーション学科への進学を決めた理由は2つあります。一つはフォトショップを使って画像編集をする模擬授業がとにかく楽しかったことです。 もう一つは「メディア」「コミュニケーション」「デザイン」を横断的に、幅広く学べると聞いて、「デザインだけでなく色々な領域を学べたら、自分の視野が広がりそう」と考えたからです。
ー実際に入学してみていかがでしたか?
大学での勉強は、公式や歴史の出来事を暗記するだけのこれまでの勉強とは180度違っていました。答えのない問いに対して、自主的に考えることが多く、それが何より新鮮で面白いと感じています。
4年生になった今では、日常生活の中でふとした疑問や違和感に気づくようになり、その原因や問題を考えて自分なりの意見を持てるようになりました。 例えば、池田先生の「文化とコミュニケーション」の授業で「お店の手提げ袋は、持ち歩かれることで広告媒体として機能しており、それを目にした人々とのあいだにも新たなメディア的つながりが生まれている。」と聞いて以来、街を行き交う人の手提げ袋を観察しては、「そのデザインが魅力的に見える理由」とその背景にある意図を考えるようになりました。
また、この学科では授業の終わりに「コメントシート」を書く機会が多くあるのですが、これが、問題意識を持つことや、自分の意見をまとめる訓練になりました。 特に忠先生の授業では、コメントシートを提出した次の回の授業で、いくつかのコメントが紹介されます。自分のコメントが読まれると本当にうれしくて、「次も読まれたい!」とモチベーションに繋がっていました。
ー大学の授業を存分に楽しんでいるようですね。なかでも特に印象に残っている授業はありますか?
一つ目は、1年次に受講した池田先生の「異文化コミュニケーション」の授業です。
「異文化」と聞くと海外を想像しますが、この授業では日本の地域や方言など、身近なところにも異文化があることを知りました。 受講する前は、自分と違う文化を持つ人への接し方をあまり意識していませんでしたが、「自分の当たり前は、世の中の当たり前ではない」「自分の当たり前を相手に押し付けるのは傲慢だ」ということを深く学びました。それまでは人とすれ違いがあっても「なんでだろう」と思うだけで終わっていましたが、今では一歩立ち止まって相手の背景を考え、そもそも自分の考えが間違っていないかと思案できるようになりました。
二つ目は、3年次に受講した忠先生の「サブカルチャー表現演習」です。
大多数に支持される「メインカルチャー」に対し、端に追いやられがちな「サブカルチャー」について学ぶ授業です。例えば街の落書きにも独自の決まり事があり、一種の文化であると知りました。ただの落書きだと思っていたものの背景にある経緯に興味が湧き、「この世に無駄な文化はない」と実感しました。 授業ではそうした文化の歴史や理論を学びつつ、演習として「消しゴムはんこ」の制作や「版画でのTシャツ作り」も行う、とても興味深いものでした。
三つ目は、現在受講中の飯塚先生の「卒業研究(ゼミ)」です。
先生の研究室には、写真集、イラスト集、詩集、ZINE(個人で作る冊子)など、大量の本があります。自分の知らない世界がこんなにもあるんだと感動すると同時に、ゼミでたくさんの本に触れるうちに、自分の「好き」や「経験」をなんの検閲もなく素直に表現できる「ZINE」に魅了され、個人的に8ページのイラスト集を作ってみました!大好きなピンク色にこだわり、女の子やおじいちゃん、ゲーム機、文房具などすべてをピンクだけで描いた本です。最初は簡単だと思っていましたが、いざ8枚の絵を描き切るのはとても大変で、クリエイターの苦労と、それ以上の楽しさを知ることができました。
―お話を聞いて私も授業を受けてみたくなりました。それでは、進路に悩んでいる高校生や後輩たちにメッセージをお願いします。
「自分は勉強に興味がない」と思っていても、やってみないとわからないことって本当に多いです。人は、自分が思っている以上に好奇心を持っている生き物です。その可能性を育むには、大学はとてもいい場所だよと言いたいです。
よく「大学は就職するために行く場所だ」と言われますが、それだけではありません。多くの知識に出会い、人間関係も大きく広がります。自分が動いた分だけ新しい発見や出会いがあります。大学生活を「自分の成長のための期間」と捉えて、「どう成長したいか」「何を学んだら自分を変えられるか」を基準に考えてみるのもいいかなと思います。
~ 最後に、私が伝えたいこと~
私がこの大学に入ってよかったと感じる一番の理由は、「考える力」を得られたことです。
実は、私は中2の頃から学校に行けなくなり、ずっと家に閉じこもっていました。「周りの人はみんな自分のことが嫌いなんだ」と、ずっと考えていました。高校も通信制だったため、人と密接に関わることがなく、他者や自分自身と向き合うことをしてきませんでした。
でも、「めんどくさい」「どうせ嫌われているから」と思考を放棄してしまうのはもったいないことです。大学で色々な学問や人と出会ったことで、「相手は必ずしも自分と同じではないこと」、そして「自分は思っているよりも何でもできるんだ」ということに気づけました。
だからみなさんも、どうか自分を卑下しないでください。 少しのことでも「やってみよう」「学んでみよう」と一歩を踏み出せば、世界はぐんと広がっていくはずです!
言葉を選びながら、でもしっかりと自分の思いを語ってくれたK・Mさん、ありがとうございました。
(学科Today編集担当)


