国際キャリア学科(ICD)3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスと公務の第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。今年度の最後となる講義には、不二貿易株式会社様より管理部総務課の山本愛華様をお招きして、専門商社の業務と求められる人材、そして就職活動に向けて心がけておくべきことなどについて、ご講義いただきました。
山本様からは初めに、製品を製造するメーカーと最終消費者に商品を販売する小売店との間をつなぐ商社の機能について、「メーカー、特に海外のメーカーが日本の小売店と直接、取引することは、時間、労力、コスト等の関係から容易ではありません。他方、国内の小売店にとっても売れる商品とそれを供給できるメーカーを国内外で探すことは大変です。商社はそうしたメーカーと小売店の間をつなぎ、双方が抱える課題を解決する機能を持っています」とわかりやすく解説いただいたうえで、不二貿易を例にとり、その具体的な事業展開についてご説明いただきました。
不二貿易は家具、インテリア雑貨、日用品を取り扱っている専門商社で、自社で開発した商品の生産を海外のメーカーに発注し、それを輸入して、国内の量販店やホームセンター、雑貨店などに販売(卸販売)しています。取り扱っている商品は1万点にのぼり、国内の取引先は約1500社に達しています。不二貿易では、国内外での市場調査に基づき、消費者のニーズに合った商品を開発し、それを海外のメーカーに直接、発注して、仕入れる製造・開発機能を有していますが、その商品開発に当たっては女性社員の方が特に活躍されており、山本様は実際に女性社員の方が開発に携わられたぬいぐるみやインテリア用品などを紹介しながらご説明いただきました。同社ではまた、北九州の響灘エリアに約4万坪の物流センターを有するなど、物流機能も持っており、商品開発から流通まで一貫した事業を展開しています。
続いて、営業部門、商品部門(商品開発や輸入・通関等)、企画部門(広報、販促デザイン、企画等)、管理部門(総務、人事、財務、品質管理等)に分かれている同社の各部署の業務、そして若手社員の活躍を推進するための研修制度などについてご説明いただいたうえで、実際に商品部と営業部で活躍されている4名の女性社員の方々の具体的なお仕事について、1日の業務スケジュールや年間の海外出張スケジュールなどを示しながら、わかりやすくご説明下さいました。営業部で活躍している女性社員としては、国際キャリア学科4期生のH.Mさん(広島県立福山明王台高等学校出身)と今年入社した同8期生のK.Yさん(長崎県立長崎南高等学校出身)もご紹介いただきました。このうち、入社4年目となるH.Mさんは上海や広州、香港に出張するなど、現在、海外業務の第一線で活躍しています。
講義の最後には、「会社で活躍できるかどうか、頑張れるかどうかは、自分次第です。だからこそ、就職活動ではこれまでの人生を振り返り、どんな時に自分は頑張れたのか、楽しかったのか、逆にどんな時には頑張れなかったのか、辛かったのか、考えてみてください。皆さんには、ぜひ頑張れる、楽しめる会社、環境で輝いていただきたいです」「実際に社会人になってみると、学生時代に思っていたほど、仕事が全てではありません。思っていたよりも自由な時間があり、自分で自分の毎日を描くことができます」と話されたうえで、「学生時代のうちに本をたくさん読んでください。読書は世界を拡げ、それを通して様々な考えを知ることができます。そして、何より『今』を思いっきり楽しんでください」とのアドバイスをいただきました。学生たちはお年の近い社会人の先輩である山本様の講義に聴き入っていました。
以下では、受講した学生の感想(代表)をご紹介します。
K.Sさん(大分県立大分雄城台高等学校出身)
講義のなかで特に印象に残ったのは、不二貿易様のビジネスモデルについての説明です。同社では商品の開発から物流までを自社で完結できるビジネスモデルを構築しており。これにより、顧客の要望を商品企画に反映し、スピーディーに商品化できます。市場のニーズが変化しやすい現代において、このような柔軟な対応力は非常に重要であると感じました。同社は日本全国に多数の取引先を持っており、それは特定の企業に依存し過ぎない、安定した経営を可能にしていると思います。さらに、海外拠点を活用したグローバルな事業展開も印象的でした。山本様が社員の方の海外出張や現地での業務経験について具体的なエピソードを交えて話してくださったことで、海外で働くことがより現実的なものとして感じられました。今回の講義を通して、商社のビジネスの面白さや海外と関わりながら働くことのやりがいについて学ぶことができました。この講義で得た学びを今後の大学生活や進路選択、就職活動に活かしていきたいと思います。
Y.Sさん(長崎県立佐世保東翔高等学校出身)
貿易商社とは単なる「モノを売る会社」ではなく、世界と日本をつなぎ、価値を創造する存在であることを学びました。ご紹介いただいた不二貿易様の事例から、企業における企画力、物流機能、そして人材育成の重要性を具体的に理解することができました。将来、商社や国際的な仕事に携わるうえでの視野が広がる貴重な機会となりました。
Y.Fさん(長崎県立諫早商業高等学校出身)
山本様の講義を通して、自分の経験や気づきを活かしながら、人々の生活をより豊かにする仕事に携わることに強い魅力を感じました。また、海外と日本をつなぐ役割を担い、多くの人や企業と関わりながら価値を生み出していく貿易の仕事は、自分自身の成長にもつながるのではないかと思いました。今後は日常生活のなかで感じたニーズに目を向ける力を養い、学業やさまざまな経験を通して視野を広げていくことで、将来の進路選択につなげていきたいと考えています。
M.Sさん(福岡市立福岡西陵高等学校出身)
R.Mさん(福岡県立須恵高等学校出身)
A.Yさん(福岡県立嘉穂高等学校出身)
山本様の講義で特に心に残ったのは、「仕事や会社は環境でしかない。そのなかで頑張れるかどうかは自分次第」という言葉です。就職活動では企業選びにばかりに目が向きがちでしたが、実際に働くのは自分自身であり、どのような環境であれば楽しく頑張れるのかを考えることが大切であることに気付かされました。そのためには、これまでの人生を振り返り、楽しかったことや頑張れなかったこと、辛かったことを見つめ直すことが重要であるというアドバイスは非常に参考になりました。「学生のうちにたくさん本を読み、今を思いきり楽しんでほしい」という言葉も印象的でした。今を全力で楽しむことで後悔なく社会人になれるという考え方は、将来へ漠然とした不安を抱いていた私にとって大きな励ましとなりました。また、社会人は思っているほど仕事が全てではなく、自分の時間を持つことができるというお話を聞き、社会人生活に対するイメージが大きく変わりました。自分を高めたり、趣味や旅行でリフレッシュしたりしながら毎日を描いていけるという点に希望を感じました。今回の講義を通して、専門商社の業務や不二貿易様という企業の魅力だけでなく、社会人としての心構えや働き方について深く考えることができました。これから就職活動を進めていくなかで、自分自身を見つめ直し、本当に頑張れる環境を見つけていきたいと強く思いました。
S.Aさん(福岡県立鞍手高等学校出身)
講義の最後に山本様が「学生時代の今を思いっきり楽しむことをやってほしい」とおっしゃっていたのが印象的でした。学生時代のうちに思う存分、楽しいことにも挑戦していこうと思いました。その一方で、自ら少しきついと感じる選択をし、自分を律することも大切にしたいと感じました。「正解」のない就職活動で焦ったり、不安になったりすることもありますが、だからこそ楽しむ気持ちを忘れずに、前向きに取り組んでいきたいです。また、「仕事や会社は環境でしかない」「社会人は思っていたほど仕事がすべてではない」というお話を聞いて、明るい未来が見えたように感じました。これからは、自分の原動力は何なのか、何が楽しいと感じるのかといった自己分析をさらに深めていきたいです。就職活動ではどうしても「選ばれている」と思ってしまいますが、自分も「選ぶ側」であるという気持ちを持ち、納得できる企業から内定をいただけるように励んでいきたいと思います。
M.Aさん(筑陽学園高等学校出身)
家具・インテリア業界の仕組みや、そのなかで不二貿易様のような専門商社が果たしている役割について深く理解することができました。普段、家具は「使うもの」「買うもの」として意識することはあっても、その背景にあるビジネスの仕組みや企業の工夫について考える機会はほとんどありませんでした。そのため、今回の講義は身近な商品を違う視点から見るきっかけにもなりました。講義では、物流機能や在庫管理の重要性についても触れられていました。家具はサイズが大きく、保管や輸送に多くのコストと手間がかかります。そのため、適切な在庫量の管理、効率的な物流体制を整えることが企業の競争力につながるというお話はとても現実的で、強く印象に残りました。普段、店頭に並んでいる家具やインテリア雑貨の裏側には、こうした努力があることを知り、企業活動は多くの人の連携によって成り立っているのだと実感しました。また、家具・インテリア業界は流行やライフスタイルの変化の影響を強く受ける業界であることも学びました。一人暮らし世帯の増加や在宅時間の増加など、社会の変化に合わせて求められる家具も変わっていきます。そのため、市場の変化を捉えながら商品を企画し続ける必要があり、常に柔軟な発想と情報収集が求められる仕事であると感じました。
S.Uさん(筑紫女学園高等学校出身)
今回の講義、そして昨年8月の国際ビジネス・フィールドワークでの不二貿易様の訪問を通して、私は企業を見る視点が変化したと感じています。取扱商品や業績だけでなく、その背景にある企業の考え方や人の動きに目を向けることの大切さを学びました。暮らしを支える商品を通じて社会に貢献し続けるという不二貿易様の姿勢は、これから就職を考える私にとって大きな指針となるものでした。
M.Tさん(福岡工業大学附属城東高等学校出身)
商社の役割や不二貿易様ならではの特徴を具体的に理解することができ、非常に有意義な時間でした。特に、講義の最後に山本様がおっしゃった「その会社で頑張れるかどうかは自分次第」という言葉が印象に残りました。会社の知名度や雇用条件だけで判断するのではなく、自分がどのような環境であれば前向きに頑張れるのかを考えることの大切さを改めて実感しました。
A.Tさん(近畿大学附属福岡高等学校出身)
M.Kさん(東海大学付属福岡高等学校出身)
講義のなかで特に印象に残ったのは、不二貿易様の商品のデザイン性と実用性の高さです。なかでも、枕としても使用できるぬいぐるみは見た目の可愛さと機能性を兼ね備えており、思わず「欲しい」と感じるほど魅力的でした。使う人の気持ちを和らげたり、生活を少し楽しくするような商品づくりを行っている点に同社の強みが表れていると感じました。また、不二貿易様が海外にも拠点を置き、国境を越えたビジネスを日常的に行っていることも印象的でした。将来、海外で働きたい、あるいは国際的な仕事に携わりたいと考える人にとって、とても魅力的だと思いました。
Y.Sさん(ルーテル学院高等学校出身)
山本様の講義を通して感じたのは、実際に社会で働かれているからこそ語れる現実的な視点でした。就職活動では、どうしても「正解」を探そうとしてしまいがちですが、働き方や価値観に正解はなく、自分自身が納得できる選択をすることが大切なのだということを学びました。企業選びにおいても表面的な条件で判断するのではなく、自分がどのような環境で、どのような姿勢で働きたいのかを考える必要があると感じました。今回の講義は、専門商社の業務について学ぶだけでなく、これまで学んできたことを整理し、自分自身の進路を考え直すきっかけともなりました。大学生として残された時間を大切にしながら、将来に向けて準備を進めていきたいと思います。
「Current Business」




