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2025.11.13 イベント

【イベント報告】ZINEとビジュアル・コミュニケーションの教育・研究シンポジウム

11/8(土)に開催したZINEについてのシンポジウム(申込は終了しました)は、公開討論やワークショップという充実した内容で盛況のうちに終えることができました。

シンポジウムに登壇された、出版社「未知の駅」主宰の諫山三武氏にコメントをいただきました。

 今回のシンポジウムでは、近年注目を集めている「ZINE(ジン)」カルチャーについて、飯塚純先生と公開討論を行い、参加者の皆さんには「アナログX」と「This is a pen」という二つのワークショップを体験していただきました。紙とペンというシンプルな手段で自己表現を行ううちに、参加者の方々が次第に生き生きと表情を変えていく様子がとても印象的でした。デジタル時代におけるアナログ・コミュニケーションの奥深さ、そして「自分の声」の居場所を探す時間になったように思います。

 ZINEのように、個人が資本を介さずに本をつくる営みは、これまでにも自費出版やリトルプレスなど、さまざまな呼び方をされてきました。その本質は「DIY精神」にあります。ここでいうDIYとは、単なる日曜大工の意味にとどまらず、「お金や市場の力に任せず、自分たちの手で世界を組み替える行為」であり、主体性を取り戻すための思想でもあります。ZINEはまさにその延長線上にあり、既存の枠組みのなかでも、自分たちの世界をユーモラスに立ち上げようとする試みだといえます。

 SNSが一瞬で拡散するのに対し、ZINEは人から人へとゆっくり伝わる「弱い」メディアです。しかし、この「弱さ」こそがZINEの魅力でもあります。何を書くか、誰に届けるかを自分で選び取る行為が、自らの声と世界との距離を見つめ直すきっかけになるのです。部数もデザインも配布先も自分で決めるZINEづくりは、「選択」を自分の手に取り戻す実践であり、効率やスピードを最優先する社会の中で、あえて小さく、ゆっくりと表現をかたちにする――そんな営みだと思います。

諫山さん、ありがとうございました。
 

(学科Today編集担当)