福岡女学院大学国際キャリア学科(ICD)では「Business Internship」(国際ビジネス・インターンシップ)の一環として、アシアナ航空の全面的な協力を得て、ソウルで客室乗務員実務研修を実施しました。
同研修プログラムはアシアナ航空の新入社員教育課程に沿って構成され、参加した学生たちは客室乗務員としての身だしなみ(メイク、髪型等の指導)にはじまり、表情・挨拶・対話・立ち居振る舞いを中心としたイメージ・メイキング、歩き方や正しい姿勢の実習、ボイス・トレーニングと機内アナウンス実習、訓練用モックアップ(実物大の航空機模型)を使った機内サービスと非常着水訓練、模擬面接などをアシアナ航空の教官の方々にご指導いただきながら体験しました。研修が行われたのはソウルの金浦空港に近いアシアナ航空本社に隣接するトレーニング・センターで、研修期間中は全員、同社の客室乗務員の制服を着用し、昼食や夕食も社員食堂で社員の方々と一緒にとりました。
本研修はアシアナ航空が外部から受け入れる研修としては最も長い集中コースで行われましたが、その間、学生たちは目に見えて成長し、最終日に行われた修了式では高い評価をいただきました。研修終了後は、教官の方々から「この研修を通して皆さんを私たちの会社、アシアナ航空の後輩だと思うようになりました。ぜひ夢を叶えるよう、これからも頑張ってください。応援しています」との嬉しい励ましのお言葉もいただきました。
アシアナ航空と提携した客室乗務員研修はコロナ禍で実施できなかった期間ををはさみ今回が5回目となりますが、過去、本研修に参加した国際キャリア学科卒業生は日本航空、全日本空輸、スカイマーク、ジェイエア、日本トランスオーシャン航空、アシアナ航空、スターラックス航空、キャセイパシフィック航空などで客室乗務員やグランドスタッフとして活躍しています。今回の研修も航空会社志望者にはもちろんですが、違う業界を目指している学生にも自分を知り、今後、どのように努力していけばいいのかを考える、とてもよい経験になったようです。
以下では、前回に引き続き本研修に参加した学生の感想(代表)をご紹介します。
H.Sさん(福智高等学校出身)
私は、航空業界の業務の現場を体験し、接客スキルや国際的なサービス・マナー、安全意識について実践的に学ぶことを目的にアシアナ航空客室乗務員研修に参加しました。研修プログラムは同社の客室乗務員の方々が受ける訓練と同じ内容で構成されており、現場で必要なスキルや知識を体験的に学ぶことができました。
初めにアシアナ航空の会社概要や研修の流れについて説明を受けた後、イメージ・メーキング研修に入りました。アシアナ航空の客室乗務員の制服に着替え、髪型を整えながら、第一印象の重要性について学びました。表情や姿勢、立ち振る舞い、そのひとつひとつで印象が大きく変わることを実感し、特に姿勢の指導では背筋を伸ばしつつ自然な笑顔を保つことの難しさに気づきました。教官からは繰り返し「笑顔が最も重要です。歯を10本以上見せるくらい笑いなさい」と指導を受けました。メイクの研修も受け、機内照明でも映える化粧のポイントや清潔感を引き立てる色使いについて学びました。訓練用シミュレーターや安全訓練の設備も間近で見ることができ、客室乗務員の仕事の幅広さと奥深さを知りました。
サービス実習では、初めにエコノミー・クラスのロールプレイを体験し、お客様へのお飲み物やお食事の提供、通路での動き方などを体験しました。限られたスペースで効率的かつ丁寧に動くためには工夫が必要で、想像以上に体力を使う作業だと感じました。プレミアム・クラスのサービス実習では、お客様の上着や荷物の預かり方、食事の際のテーブル・セッティングなども学びました。お客様と目を合わせることや腰を少し傾ける姿勢など、細やかな所作の指導も受け、細部まで気を配ることの重要性を実感しました。機内アナウンスの練習では、発声方法やイントネーションを細かくご指導いただきました。教官からは「お客様が目の前にいるつもりでアナウンスするように」と教えていただき、笑顔で声を出すことで機内の雰囲気や印象が明るくなることを学びました。声の出し方一つでお客様に与える安心感や快適さに大きな影響があることに驚きました。ウォーキング研修では、姿勢を保ちながら綺麗に歩く練習をしました。自分の姿勢のクセを確認するため、目を閉じてその場で足踏みをしましたが、気づかないうちに大きく位置がずれていました。ご指導くださった先生方の歩き方は本当に美しく、「制服を着て歩くことは、その会社の顔として見られているということ」「誰かに憧れられるような歩き方をしなさい」という言葉が強く印象に残りました。立ち姿や歩き方も客室乗務員として重要なことであることを実感しました。
研修の最終日は安全訓練から始まりました。避難時の掛け声を行う体験もさせてもらいましたが、教官から「もっと大きな声で」と注意されました。お客様全員に聞こえなければならないため、大きな声で的確に指示を出すことの重要性を強く感じました。研修プログラムの最後には、教官の前で自己紹介の練習を行いました。入室時に笑顔がないことを指摘されましたが、姿勢が良いと褒めていただきました。自信を持って笑顔で話すことができましたが、他の人が話している時にはどこを向けばよいか分からず、目がキョロキョロしてしまっている点も指摘されました。この経験から、面接やプレゼンテーションでは自分の番だけでなく、他の人の発言にもきちんと意識を向けることが大切であると学びました。
短期間でしたが、非常に濃く、学びの多い研修でした。客室乗務員には接客スキルだけでなく、安全を守るための強い責任感、チームで動く協調性、瞬時の判断力が求められることを学びました。笑顔や姿勢、声のトーンなど非言語的な要素がお客様の安心感や信頼感につながることも実感しました。また、私は韓国語を3年くらい勉強していていますが、教官の方々に韓国語で話して通じたことがとても嬉しく、自信がつきました。今後は、語学力や接客スキルの向上はもちろん、体力や精神面の強化にも取り組み、努力を続けたいです。今回、得た学びを大学生活に活かし、自分自身をさらに成長させるきっかけにしたいと思います。
Y.Mさん(福岡県立糸島高等学校出身)
アシアナ航空での研修を通して、客室乗務員の方々は日頃から歩き方や立ち居振る舞い、身だしなみなど、常に自分磨きを欠かさないでいることを知りました。お客様に与える第一印象はとても大切であり、制服を身にまとった瞬間から「会社の顔」として見られるため、自然と美しい姿勢や笑顔を保つことを習慣とされています。その姿勢は「会社を代表している」という強い責任感の現れだと感じました。機外でも客室乗務員の方々は「見られている存在」であることを意識して行動し、移動の際も歩き方や姿勢、表情に気を配り、常にプロフェッショナルであることを忘れないようにされています。
安全面に関しては、客室乗務員は航空機内の安全を守るという重大な役割を担っています。そのため、緊急時に沈着冷静に行動できるよう、訓練を日常的に繰り返されていることを知りました。実際に緊急着水時の脱出訓練を体験させていただきましたが、とても責任の重い仕事だということを実感しました。特別な配慮を必要とするお客様への対応についても学びました。客室乗務員の方々は、お客様の年齢、身体的状況、文化の違いなどに応じて、どのような気配りが必要かを常に考えて行動されています。お客様一人ひとりに合わせた柔軟で思いやりのある対応が求められていることを学びました。客室乗務員に求められる資質の一つとして語学力も重要です。アシアナ航空の客室乗務員の方々は、世界中から訪れるお客様に対応するために英語をはじめとした外国語を継続的に学び、より自然なコミュニケーションができるように努力を続けられています。その学び続ける姿勢から、常に成長しようとするプロ意識を学ぶことができました。
本研修を通じて、客室乗務員の仕事は「安全と信頼を支える専門職」であることを学びました。今回の学びを自分自身の成長にもつなげ、今後の進路選択や自己研鑽に活かしていきたいです。
S.Nさん(博多高等学校出身)
アシアナ航空客室乗務員研修では、接客のマナーやサービスだけでなく、緊急時対応の訓練なども経験できました。客室乗務員は万が一の事態において乗客全員の命を守る責務を負う存在だということを改めて痛感しました。あらゆる緊急事態には、瞬時の判断と冷静な行動が求められます。日常の業務においても、常に安全を第一に考える姿勢が重要だと学びました。小さな出来事も安全運航に関わる可能性があるため、些細な異変にも気づく観察力や状況判断力が必要となります。加えて、多国籍のお客様に対応するための語学力や異文化理解、チームで協力して業務を進める協調性も欠かせません。これらすべてを高いレベルで備えることが、客室乗務員としての条件であることを学びました。
体験した様々な訓練のなかでも非常着水訓練が特に心に残りました。水泳は得意なので自信がありましたが、いざライフジャケットを着用して航空機から飛び降りる際には怖くなりました。実際の脱出の際は、1秒でも遅れたら命が助からないかもしれなくなる状況です。客室乗務員はそのような緊急事態の際にお客様の命を助けるため、的確かつ冷静なお声がけや誘導などを行わなければなりません。私が幼い頃から憧れていた職業はこのような努力が必要な世界であるということを痛いほど実感できました。それでも諦めようと思えないのがこの仕事の魅力で、ご指導いただいた教官の方々は「この仕事に就いて後悔したことは一度もありません」と笑顔で話されていました。
今回の研修を通じて私は憧れの職業の本質を深く理解することができました。それは決して華やかさだけでなく、人の命を預かる重責を背負うという覚悟と、どんな状況でも乗客に安心を与える力が必要な仕事であることが理解できました。私も将来、誰かに憧れてもらえるような客室乗務員になりたいと強く志すことができた貴重な研修でした。
Asiana Cabin Crew Challenging Course for ICD Students




