言語芸術学科には年度の枠を越えてたくさんの本や映画と向き合っていく「百読百鑑」という授業があります。
授業では学生がそれぞれの作品の魅力をプレゼンテーションしていきますが、早期に入学が決まっていた新入生は、ウォーミングアップとして入学に先駆けて「百読百鑑レビュー」に挑戦してくれていました。
ここではその一部を紹介していきます。
『遠野物語』 著者:柳田国男
byオカメ
『遠野物語』は、岩手県遠野地方に古くから伝わる昔話や伝承を集めた説話集である。
内容は、川童やザシキワラシなどの妖怪にまつわる話や、神隠し、山の神や家の神に対する信仰や地域に根付いた風習など多岐にわたる。いずれも、当時の人々の生活と密接に結びついており、遠野という土地の文化や価値観を感じ取ることができる。
『遠野物語』には「ザシキワラシ」に関する話がいくつか登場する。ザシキワラシといえば、誰もが知る有名な妖怪であり、家に棲みついて繁栄をもたらすが、去ると家が没落するとされている。特に十八話「孫左衛門のザシキワラシ」では、ザシキワラシが去ったことで一家が衰退したと解釈されている。しかし、物語の中で男が出会った二人組の小さな女の子は、本当にザシキワラシだったのだろうか? 私は、十八話と十九話を通して、この二人の女の子は孫左衛門の娘だったのではないかと考えた。物語では娘は一人とされているが、当時は双子が不吉とされていたため、二人の存在は隠されていたのではないかと思う。十八話で「お揃いの着物を着ていた」と書かれていたことも、そう解釈した理由だ。
このように、一つの物語でも解釈の余地があり、読み手によって考え方が変わるのも遠野物語の大きな魅力だと感じた。
『遠野物語』は、現実の出来事と異界の境界が少しずつ混ざり合い、まるで自分が実際に追体験しているような感覚を抱かせる。それは、特徴的な語り口調によるものであり、これこそがこの本の最大の魅力だと感じた。物語を読み進めるうちに、遠野に暮らす人々の生活の情景が浮かび、日常の中に不可思議な現象が隣り合わせに存在していることが伺える、他にはない独特の魅力がある。また、遠野地方の歴史や地理を学んだり、実際に足を運んだりすることで、さらに深く物語の世界に浸ることができ、楽しみ方が無限に広がる作品だと感じた。
『羊たちの沈黙』 監督:ジョナサン・デミ
byくまぽりん
『羊たちの沈黙』は、1991年に公開されたのち、アカデミー賞主要5部門を独占受賞し、サイコ・スリラーの金字塔と謳われた。
アメリカ各地で連続猟奇殺人事件が起こる。ターゲットは若い女性であり、その遺体からは皮膚が剥ぎ取られていた。このことから犯人は「バッファロー・ビル」と呼ばれ、依然として捜査が進められていた。事件解明の糸口を掴むため、FBI科学行動課では監禁中の凶悪殺人犯の心理分析を行なっていたのだが、連続猟奇殺人犯で元精神科医の囚人ハンニバル・レクターはFBIへの協力を拒んでいた。そこで、FBI実習生クラリス・スターリングはレクターから事件の情報を引き出す任務を与えられる。話をするうちにレクターはクラリスに興味を持ち、ある取引を持ちかける。それは、事件に関する情報を与える代わりに、クラリスの個人的な情報を教えて欲しいというものだった。
この作品の大きな魅力は、レクターの狂気にある。彼の佇まいは紳士的で上品だ。一瞬、本当にこの男が殺人鬼かどうか疑うほどに。だが、彼は躊躇も焦りもなく殺人を遂行する。紳士的な一面を持ちながら、その仮面の下には狂気的な殺人衝動が潜んでいる。その二面性がひどく魅力的に映った。そして彼が口を開くと、その場の空気は一瞬で彼に支配される。レクターの作り出す異常な空気感に気圧されるように、作品全体の雰囲気も暗く重苦しい。そのカリスマ的な彼の存在から、一挙手一投足から目が離せない。レクターの顔が真正面にくるようなカメラワークも秀逸であり、瞬きを一切せずに淡々と話し続ける彼の威圧感や不気味さがより際立って映った。劇中の音楽も素晴らしく、緊迫感がひしひしと伝わり世界観に没頭してしまう。
事件解明のため、クラリスはレクターと交流を続ける。そして明らかになっていく事件の真相。その目で是非、確かめていただきたい。
『ハリー・ポッターと賢者の石』 監督:クリス・コロンバス
byみこ
『ハリー・ポッターと賢者の石』は、孤独な少年が魔法の世界へと足を踏み入れ、仲間とともに成長していくファンタジー映画です。シリーズ全8作のうちの第1作目であり、壮大な物語の始まりを描いています。魔法学校での新たな出会いや、友情、試練を通じた成長、そして宿敵ヴォルデモートとの対峙など、ワクワクする要素が詰まった作品です。ファンタジーが好きな人はもちろん、冒険や仲間との絆を大切にしたい人にもおすすめの映画です。
孤児の少年ハリー・ポッターは、自分が魔法使いであることを知り、ホグワーツ魔法魔術学校に入学するところから始まり、学校で新しい友達と出会いながら魔法について学んでいきます。ハリーは両親を殺した魔法使いヴォルデモートの存在を知り、彼が学校に隠された賢者の石を使って、復活しようとしていることに気づきます。ハリー達は復活を阻止するために試練に挑戦し、賢者の石を守ることに成功します。
私が印象に残った場面はハリーがロンやハーマイオニーと友達になり友情を深めていくところです。三人で試練を乗り越えていくシーンはチームワークの大切さを感じることができ、自分も友達と協力して何かを成し遂げたいと思いました。例えば、チェスの試練では、三人それぞれが役割を果たしながら、お互いを頼る場面が印象的でした。このシーンを見て私は、仲間を頼りにすること、信じて一緒に成し遂げることが大切だと思いました。一人一人の力を合わせることが大切と言うことを改めて感じられました。
また、ヴォルデモートの復活を阻止する場面が印象に残っています。ハリーが賢者の石を守るために立ち向かっている姿を見て、ハリーは物語が進むにつれて勇敢な魔法使いになっていくところに成長を感じることができました。私はこのシーンのハリーを見て、自分を信じて目標に進んでいこうと思うことができ、前向きな気持ちになれました。
是非この作品を見て、ハリーの成長や友達との友情が強くなる場面を見届けてほしいです。困難なことに立ち向かうハリーを見て前向きな気持ちになれる人が多くいると思います。努力を続けることの大切さを改めて感じられる作品だと思います。



