昨年の春、鹿児島県の大隅半島にある鹿屋市にフィールドワークで行きました。市内の古い旅館に泊まったのですが、ロビーの壁に観光用のポスターが貼られていました。そこには、「じゃないほうの半島」と大きく書かれた文字が。地図上で錦江湾を挟んで、左側が薩摩半島ですが、そっちじゃないほうの半島という意味ですね。
桜島は鹿児島県のシンボルとして有名な山ですが、もちろんじゃないほうの大隅半島につながっています。対岸の鹿児島市側から見た姿が、誰もが知っている「桜島」のイメージではないでしょうか。桜島は標高が1,117mですが、霧島や指宿などの少し離れた町からでもその姿を見ることができます。
私の授業で、ある地点からの桜島をスクリーンに映して、山の名前を当てさせたのですが正解者は誰もいませんでした。少し見る角度が変わると、まったく別の山に見えてしまうのでしょう。ちなみに鹿児島市内の鴨池港から垂水港に向かうフェリーに乗ると、刻々とその姿を変えていく、じゃないほうの桜島を見ることができます。
物事を違った角度から眺めてみると、今まで気づかなかった点やまったく想像もしていなかった点に驚くこともあるでしょう。大学での学びは、いわば立ち位置を変え、見る高さを変えて物事の多様な姿を探究していくものだといえるのかもしれません。これからの大学生活でみなさんは何を学び、どのようなことを発見していくのでしょうか。それを私たち教員にも話してみてください。知的探求心をもって、ともに学んでいきましょう。
みなさん、ご入学おめでとうございます。
(学科長 池田理知子)



