福岡県ではアジアを舞台に福岡県の企業や自治体が活躍している現状を県内の青年に体感、認識させることで、国際的な視野を持ち、将来、企業や団体等での中核的な存在として活躍できる人材の育成を目標として平成10年度から海外青年派遣事業「福岡県グローバル青年の翼」を実施しています。
国際キャリア学科からは学科開設の2014年度からほぼ毎年、学科生が「福岡県グローバル青年の翼」の団員に選抜されてきました。過去、団員に選抜されて、研修に参加した卒業生は、ANAグループの商社であるANAフーズに勤務する二期生のY.Iさん(久留米市立久留米商業高等学校出身)、ヤマハ発動機に勤務する三期生のK.Mさん(福岡県立春日高等学校出身)、ウェスティンホテル大阪に勤務する三期生のM.Kさん(福岡県立八幡高等学校出身)のように現在、世界とつながる仕事で活躍しています。そして、今年度も1年生のI.Kさん(福岡県立筑前高等学校出身)が最年少団員に選ばれ、カンボジアとシンガポールでの研修を経験してきました。以下では、発展を続ける東南アジア諸国で貴重な経験を積んだI.Kさんからの報告をご紹介します。
「福岡県グローバル青年の翼」に参加して(国際キャリア学科1年 I.K)
私は福岡県が主催する「福岡県グローバル青年の翼」の団員に選抜いただき、カンボジアとシンガポールで行われた研修に参加しました。私がこのプログラムに参加しようと思ったきっかけは母からの薦めです。訪問先が東南アジア諸国と知り、興味を持ち、現地の実情を自分の目で確かめてみたいと思い、応募することを決めました。
海外研修は昨年11月に行われ、目覚ましい経済成長を遂げているカンボジアと多くの多国籍企業が立地するシンガポールを訪問しました。カンボジアの首都プノンペンでは、カンボジア農水省の国務次官の方と日本の農林水産省から出向されている大使館の方から主にカンボジアの農業の現状についてお話を聞かせていただきました。気候変動に左右されない水源の確保が必要であるものの、そのためのインフラを整える資金が不足していることが最大の課題であることを学びました。厳しい現状のなか、離農する人も増えているそうで、食料輸入に依存している私たち日本人はもっと他国の農業の現状に目を向けるべきだと思いました。他方で、福岡県が独自にカンボジアに支援を行っていたきたことも知りました。例えば、水道の整備のために北九州市が行った技術協力により、プノンペンの水道の品質は格段に向上し、東南アジアでは数少ない「水道水の飲める町」になり、この成果は「プノンペンの奇跡」とも言われているそうです。水道水が飲めない地域は世界に多くあるため、このような支援はこれからも重要であると思いました。カンボジア訪問で感銘を受けたのは私たちと同世代の学生たちの語学力、コミュニケーション能力の高さでした。プノンペンに次ぐ都市であるバッタンバンの教員養成大学の学生と交流しましたが、皆さん、英語がとても堪能でした。レストランやマーケットで働いている方、さらには孤児院の子どもたちも多言語を話せないと生活ができないという考えを持っており、英語はもちろん、日本語や中国語、韓国語なども話していていました。こうした状況は訪問前にはまったく想像していなかったことで、自分の目で見て、確かめることがどれほど重要か、実感することができました。
シンガポールでは、初日に日本貿易振興機構(JETRO)で講義を受け、シンガポール福岡県人会の方々との夕食会に出席しました。JETRO様の講義のなかで、シンガポールの最大の資源は「人」であるという言葉が印象的でした。街を散策しても世界各国の人々が集まっていることがわかり、シンガポールがアジアのハブとして発展しているということが理解できました。福岡県人会の方々との交流では、シンガポールで活躍されている福岡出身の方々の繋がりの強さを感じるとともに、シンガポールのビジネスに対して強い期待を持たれていることを知ることができました。海外で活躍されている邦人の方々はとても凛々しく、そのお姿から勇気をいただきました。2日目には、フードバンクのボランティアに参加しました。経済発展が目覚ましいシンガポールですが、日本と同様、少子高齢化が進んでおり、また格差の問題も深刻なようで、華やかな発展の裏には解決すべき問題があることを知ることができました。
今回の研修を通して、両国の現状と日本との繋がりについて学ぶことができました。団員最年少ということもあり、最初は不安もありましたが、先輩の団員の方々にたくさんのことを教えていただきました。幅広い年代の方々と共に研修を受けたことはとても貴重な経験となりました。私の価値観も大きく変わりました。インターネットの普及により多くの情報が入ってきますが、自らの目で確かめ、耳で聴き、肌で感じることが大切であると痛感し、多様な価値観を得ることができる楽しさにも気づくことができました。私の人生における大きな分岐点となりました。この研修で学んだことを糧に、自分の夢に向かって前進していきたいと思います。今回の研修を無事に終えることができたのは、ご理解、ご支援をいただいた先生方のおかげです。心から感謝しています。




