学科 Today

2024.11.28

メディア・コミュニケーション学科

オンラインで水俣病を学ぶ

池田教授が担当する「基礎演習D」の授業にお邪魔しました。
この日は、水俣病に関する資料館である「水俣病歴史考証館」と教室をオンラインでつなぎ、スタッフの方に館内を案内していただきました。

水俣病が公式確認されてから70年近くたった今でも、さまざまな症状に苦しんでいる方がいます。現在でも水俣病認定のハードルは高いままです。現地で患者や家族に寄り添ったり、水俣病を伝えたりする活動をしているスタッフの話に、学生達はさまざまなことを感じたようです。

<学生のコメント>

・実際に使用されていた船や網を見ながら話を聞くと、当時の生活の様子が感じられた。水俣病患者であってもチッソに恩恵を感じている人もいるというのを知って驚いた。実際に水俣に住んでいる人の目線で水俣病についての話を聞くと、外からではわからないリアルな状況を知ることができて貴重な時間だった。(N・Yさん)

・チッソの排水が水俣病の原因だとわかったのにすぐに止めなかったり、猫実験で原因がわかったのに隠されたり、食品衛生法が適用されなかったりといろいろなことが積み重なって被害が大きくなったことがわかった。その時々の時点で対策をとっていたら歴史は大きく変わったはずで、話を聞いていてもどかしかった。(M・Mさん)

・患者のもとに批判の手紙がきたという話は今と同じだと感じた。見た目からでは病気がわかりづらいからとすぐに批判してしまうのは、SNSで被害者に暴言を吐くという現在の状況と変わらないと思った。(N・Kさん)

私たちにできることは、水俣病は過去に起こった出来事としてすましてしまうのではなく、公害は自分たちの身近なところでも起こりえる問題だとして考え続けることではないでしょうか。
 

(学科Today編集担当)