「基礎演習D」と「専門演習II(3年池田ゼミ)」の合同授業として、ふくおか自由学校主催の講演会に参加しました。講師は「北九州平和資料室TICO PLACE」を開設・管理している小松芳子さんです。農業用倉庫をリフォームして資料室を作った経緯や、そこで何を伝えたいのか、どういう場所にしたいのかなどの熱い思いを語ってくださいました。あっという間の2時間半でした。
「世界中から戦争をなくしたい」という彼女のメッセージは、学生もしっかりと受け止めてくれたようです。コメントの一部を紹介します。
小松さんの「戦争を学ぶ=人間を考えるという言葉が特に印象に残った。歴史を学ぶのは正直好きではないのだが、今日のお話を聞いて素直にもっと知りたい、学びたいと思えた。(K・Aさん)
「絶望から希望を感じる場所にしたい」「自然と触れ合うことは戦争をなくすことにつながる」「知識を入れることで多角的にものを見ることができる」など、話を聞いていて感心することが多く、戦争があったこと、何があったのかを伝えることの大切さを改めて感じることができた。(N・Kさん)
「『戦争』をつくったのも『人間』ならば絶対に『戦争』をなくすことができる」という小松さんの言葉にとても考えさせられた。こんな当たり前な考え方が私にはなかったなと思った。戦争についてどこか他人事として考えていたんだと再度確認できた。(G・Iさん)
普段は資料室に展示されている遺品の一部が、会場にも置いてありました。講演前の短い時間でしたが、学生たちに丁寧に説明してくださっている小松さんの姿が印象的でした。また、遺品からいろいろなことを「想像」してほしいという彼女の想いが、学生たちにも伝わったようです。
展示物を見ているとき、小松さんが一つひとつ丁寧に解説してくださった。一般の資料館であれば、ガラスケースの中に飾られている資料と横にある説明文を読むだけだったが、実際に触ることで今とは違う教科書の紙の質感だったり、焼夷弾の重さだったり、当時使われていた布や糸の感触などが伝わってきた。(M・Hさん)
実際に戦争の遺品に触れることで、初めてわかることがたくさんあると思った。「こんなに重いんだ」「銃と刀はこうしてつなげられるんだ」と、展示を眺めるだけではわからない体験だった。このような体験が平和について関心をもち、政治や環境保全といった課題にも向き合うきっかけになると思った。(N・Yさん)
12月には「基礎演習D」の授業の一環として資料室を訪ねます。今回の講演会場での展示にはなかった多くの遺品が、きっと雄弁に語りかけてくれることでしょう。
小松さん、再会を楽しみにしています。
(池田 理知子)