人類が今のように科学文明を発達させることができたのは、なぜだと思いますか?
もっとも重要な答えの一つは、失敗する理由や成功する方法を多くの人と共有できたことです。そしてその共有を可能にしたことの中心には印刷技術があります。
印刷は複製を多量に作り出す技術ですが、その時にとても重要なポイントがあります。それは「反転技術」です。鏡に写る像のように、元の情報が主として左右反転した状態や色彩と陰影の反転、立体では凸凹の反転など、複製と反転は切り離すことができません。以前はYouTubeでもときどき左右反転した動画を見かけることがありました。
この課題は、立体の反転について体験することを目的にしています。
手順1:油土(粘土に似たものですが、水ではなく油で練ってあるため、乾いて固化することがなく、繰り返し使えます)を平たく伸ばし、溶けた石膏の流れを止める「土手」を付けます。平たい部分に自分の手を押し付けて型を取ります<凹型>
上手に作業が進めば、関節のしわや毛穴をはじめ、指紋までくっきりと写し取ることができ、学生時代の自分の手を半永久的に留めることができます。気を付けるポイントは、凹型では「くぼみ」に見えるため気にならないのですが、凸型に置き換わると「尖った出っぱり」となり、割れて失敗することです。凸と凹の反転を注意深く予想することが大切です。
この課題をきっかけに複製と反転について考え、印刷・写真・映像等の科目理解に役立つことを期待しています。
(金藤 完三郎)


