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2024.09.25 授業紹介

授業紹介:油土(ゆど)を使った立体石膏取り~造形表現基礎~

人類が今のように科学文明を発達させることができたのは、なぜだと思いますか?
もっとも重要な答えの一つは、失敗する理由や成功する方法を多くの人と共有できたことです。そしてその共有を可能にしたことの中心には印刷技術があります。
印刷は複製を多量に作り出す技術ですが、その時にとても重要なポイントがあります。それは「反転技術」です。鏡に写る像のように、元の情報が主として左右反転した状態や色彩と陰影の反転、立体では凸凹の反転など、複製と反転は切り離すことができません。以前はYouTubeでもときどき左右反転した動画を見かけることがありました。

この課題は、立体の反転について体験することを目的にしています。

手順1:油土(粘土に似たものですが、水ではなく油で練ってあるため、乾いて固化することがなく、繰り返し使えます)を平たく伸ばし、溶けた石膏の流れを止める「土手」を付けます。平たい部分に自分の手を押し付けて型を取ります<凹型>
手順2:水を入れたゴム椀(わん)に焼石膏を、ダマにならないよう注意して「振り入れ」します
手順3:水で溶いた石膏を、空気がはいらないよう端から静かに油土のうえに流し入れます
手順4:石膏は割れやすいので、補強材としてスタッフ(麻の繊維)を石膏に混ぜ入れたものでさらに塗り重ね、取っ手になるシュロ縄(ヤシの繊維)を上部に埋め込み、乾燥を待ちます
手順5:油土から石膏を離します<凸型>
手順5:手順6:希望者は、乾燥した手型石膏に金色・銀色カラースプレーで着色します

 

上手に作業が進めば、関節のしわや毛穴をはじめ、指紋までくっきりと写し取ることができ、学生時代の自分の手を半永久的に留めることができます。気を付けるポイントは、凹型では「くぼみ」に見えるため気にならないのですが、凸型に置き換わると「尖った出っぱり」となり、割れて失敗することです。凸と凹の反転を注意深く予想することが大切です。

この課題をきっかけに複製と反転について考え、印刷・写真・映像等の科目理解に役立つことを期待しています。

 

(金藤 完三郎)