新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。言語芸術学科の教職員、在学生一同、皆さんのご入学を心待ちにしていました。

　言語芸術学科は、日本語と英語を主とする言語芸術作品を新しい視点から捉える学科です。言葉の力を養い、幅広い想像力や思考力を身につけることを目標とします。

　言語芸術作品といってもその在り方は様々です。小説や詩といった文学から、演劇、映画、アニメやライトノベルといった皆さんにとって身近なものまで、様々なジャンルの作品が対象となります。近年であれば、ネット配信による映像作品やダンスのようなパフォーマンスなど、その伝え方や受け取り方も変化しています。私たちはそのような変化に対しても敏感でありたいと考えています。皆さんの何気ない気づきや疑問が「学び」の入り口となります。

　芸術作品について考えることは、その作品の背景や周囲にあるものについて学ぶことにもつながります。たとえば、私の専門とする演劇であれば、演技や演出のスタイルだけでなく、作品をとりまく制作環境や上演当時の社会的問題などが作品に大きく影響します。皆さんにはあらゆる作品に触れて、多様な価値観や歴史を学んでほしいと思っています。その学びは自分たちの生きる世界を自分なりに捉え、どんな分野にも通用する力を与えてくれるはずです。

　皆さんにとってこれからの大学生活がかけがえのないものになることを祈っています。

2023年4月　言語芸術学科学科長　須川渡