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2022.07.01

大学院

臨床心理士・公認心理師の現場から学ぶ④ ~修了生の声~

本専攻は、臨床心理士第一種指定大学院として開設し20年目を迎えます。これまでに235名の修了生が巣立ち、資格を取得し様々な分野で活躍しています。

この秋には、20周年を記念して、「臨床心理士のアイデンティティに基づいた心理臨床実践について」をテーマとしシンポジウムを企画しています。

そこで、todayでは「修了生の今」を紹介していきます。先輩達の活躍は、在校生だけではなく、これから大学院進学を目指す人々の道しるべとなるでしょう。

今回は、いくつかの臨床現場で働きながら、なおかつ、今年度から子育て世代包括支援センターで、臨床心理士・公認心理師として活躍している本学臨床心理学専攻修了生のA.M.さんを紹介します。

~臨床心理士・公認心理師として働く修了13期生A・Mさんからのメッセージ~

***現在の仕事***

 保健福祉センターでの発達相談、精神科クリニック、公的機関で働く人のメンタルヘルス、遠隔心理支援など多領域で活動をしています。今年度より子育て世代包括支援センターに初の心理職として配属されました。妊娠・出産から乳幼児期まで、あらゆる相談を受け付ける「ワンストップ窓口」を担う専門職の一員として他職種と協働しています。思いがけない妊娠や養育の課題を抱える家庭に訪問し、沐浴サポートや体重測定など現場で求められるニーズに柔軟に沿いながら、心理学的な見立てやコンサルテーションを提供しています。難しいのは、援助希求性が低い養育者との関係づくりです。いかに人として信頼を得て、ニーズが引き出せるかが問われている気がします。初年度なので、心理職としての職務を自ら確立しなければならない面は大変ですが、現場に心理職がいて良かったと言われた時は嬉しいです。
昨年からは、コロナ禍をきっかけに、自分にできる社会課題解決は何かと考えて、誰もが気楽にアクセスできるように、オンラインカウンセリング事業を立ち上げました。この支援活動を通して、私たちの専門的支援がより多くの人達に広く理解していただけることに繋がればと思っています。

***現在の職場に活かされる本学大学院での学び***

大学院では、多様な学内外の実習や実践的な訓練、常に自らを振り返る訓練を重ねました。それは今の職場での協働や見立て、心理職のアイデンティティ確立につながっていると思います。自ら環境に働きかけ、ともに課題に取り組み、他者の幸せのために奉仕するという「女学院スピリッツ」は私を支える原動力です。他職種と最前線で母子の命を守り、時には生きる意味を失った人を支え、援助要請ができない方と繋がる難しさにもがくなど、力不足だと感じることは多いです。そのような時こそ、「ポジティブな人間観」が問われているように思います。大学院では自分では気づかなかった部分をたくさんの先生方や仲間に引き出してもらえました。今度は自分が周囲の人を活かせるように、還元していきたいです。人のこころと向き合うには、知識や技術を超えた自分の感性や人間観が試されます。「女学院スピリッツ」とともに、開かれた心理士として奮闘していきたいと思います。

 

◎今後も、臨床心理士・公認心理師の現場で働く修了生について、随時紹介予定です。