今年の3月に卒業した学生の皆さんは、社会に出て2ヶ月が経とうとしています。元気にお過ごしでしょうか?心理学科では、学科の教育カリキュラムをより良く改善していくために、毎年、卒業生の声を大事にしています。今年も心理学科での4年間の学びを振り返ってもらいながら「どのような学びが自分の成長につながったのか」、アンケートを通して卒業生に質問しました。
卒業生の声を整理すると、自分の成長につながる心理学科の学びとして主に4つの領域があるようです。それぞれの領域ごとに卒業生の声を一部ですが、紹介します。
「講義科目」に関する声
心理学という学問の中には多様な専門領域があります。多様な専門領域の講義科目を通して、自分の日常生活をより良いものしていくためのヒントや気づきが得られたようです。
- 自分自身を振り返る機会が多くありました。また、他者とのコミュニケーションの取り方などを学び、友達との仲を深めることができました。
- 環境の違いによる自分の行動への影響の違いなどを学んだことにより、色々な行動パターンを考えられるようになりました。
- 意志決定の場でどのようなことに気をつける必要があるか理解できました。
「心理学プロジェクト演習」など産学官連携に関する声
「心理学プロジェクト演習」などの演習は、心理学の知見を学び、活かしながら、企業や自治体の課題に実際に取り組んでいく「課題解決型学習(PBL)」を取り入れています。学生は活動を通して、視野の広がりや課題に向き合う姿勢の変化などを実感しているようです。
- 心理学と社会との結びつきを考えることができるようになりました。何か新しいことに踏み出す時に「よし!やってみよう」と考えるようになり、大学入学前よりも挑戦する時の気持ちの抵抗やハードルが下がり、楽しく物事に取り組めるようになりました。
- 自分に、今、できることを考えること、そしてそれを実践することで自信を持つことができました。また、逆に自分の苦手な面などにも目を向けチャレンジするなど、大きく成長できたと思います。
「心理実習」に関する声
「心理実習」は、「心理実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」とあります。学生は、教育、福祉、保健・医療領域など、様々な支援の現場を見学し、また要支援者との関わりを通して体験的に学んでいきます。学生は、自分の進路を真剣に考えたり、自分や他者について理解を深めたり等、成長を実感しているようです。
- 主体的に実践的なプログラムに積極的に参加できたことで、支援の現場の雰囲気を実際に感じ、また自分の将来像について想像でき、成長できたと感じます。
- 要支援者と実際に関わる実習をさせていただき、現場でのニーズ等を経験的に知ることができました。
- それまで自分視点で考える傾向がありましたが、この実習に参加し、自分の頑固さがなくなり、複数の視点から物事を考えるようになりました。
病院見学時の様子
心理実習後のカンファレンス
「ゼミ活動」に関する声
3年次になると学生たちは“ゼミ”に所属し、指導教員のもと、ゼミの仲間たちと研究や学外活動に励むことになります。教員やゼミの仲間と深くかかわりながら共に卒業研究を作成していくプロセスは学生にとって貴重な学びの場となっているようです。
- ゼミの中で、集大成として卒業研究に取り組んだことで、4年間の学びを振り返ると共に、学びを表現することができました。
- 卒業研究を通して、テーマ決めから実験の実施、分析、考察に至るまで取り組み、心理学や統計に対する理解が深まりました。また、それだけでなく、自分のクセや短所に気づき、成長につながるきっかけを作ることもできました。
- 私は、遠慮して自分の考えを奥にしまい込んだり、我慢してしまったりすることがありました。しかし、ゼミに入り、周りの人や先生があたたかい雰囲気で傾聴してくださるので、自分の考えを安心して話すことができました。今では、以前より明るく楽しく周りの人と関われるようになり自分でも成長を感じています。本当に様々な方の支えで今の自分があるので感謝しています。
心理学科では、学生の生の声を大事にしながら、今後も、学生たちの成長を支えるべく、教職員一同で励んでいきたいと思います。
※写真はすべて2020年3月以前のものです。