新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。学科を挙げて、みなさまのご入学を歓迎いたします。現代文化学科では、「文化」をキーワードにして、行為としての観光や観光産業、日本や異なる文化圏同士の交流、またその文化について幅広く学ぶことのできる科目が用意されています。みなさまには、これらの学びを通して、多様な価値観を認め、その文化的背景までも洞察できるような力を身につけてもらいたいと考えています。

　そのために、みなさまには好奇心を大事にしてほしいと思います。みなさまも色々な場面で疑問を抱き、「これはなぜだろう？」と思った経験があるでしょう。ただ、すぐに答えが分からなかったりして、その疑問を棄ててしまうこともあったでしょう。

　現代とはただの時間軸上の点ではありません。過去の人類の営みが集積したうえに成り立っているものです。現代の文化も過去の歴史の積み重ねから生まれてきたものです。

　とすると、みなさまがかつて抱いたであろう様々な疑問にも、過去からの積み重ね、すなわち文化的・歴史的な背景を負った答えらしきものが存在したと考えられます。好奇心から疑問を抱き、答えを考えながら、関係のありそうなことを調べて勉強していく。このような一連の知の営みを体系化したものが学問です。

　『論語』為政篇に「学びて思はざれば則ち罔（くら）し。思ひて学ばざれば則ち殆（うたが）はし。」という言葉があります。「学んでも自ら考えなければ、はっきりとは理解できない。考えるだけで学ばなければ、疑惑は解けない。」という意味です。みなさま、好奇心を大事にし、思い学んでいってください。

　最後に、みなさまの学生生活が有意義なものとなることを、学科教員一同、心より願っております。

2022年4月
現代文化学科
学科長　高戸聰