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2021.12.09

言語芸術学科

【授業紹介】百読百鑑Ⅱ③ 『十戒』

 言語芸術学科では、4年間で文学の名作100冊、演劇・映画鑑賞100本を目標とする「百読百鑑」という授業があります。

 「百読百鑑Ⅱ」は、映画を中心とした2年生の授業です。授業では、古今東西の名作映画リストの中から一人一作品選んで、その作品の魅力をプレゼンテーションします。

 受講生は必ずしもその作品に精通しているわけではありません。しかし、この授業で大切なのは、未知の作品に出会ったときに感じる新鮮な驚きや違和感を丹念に言葉にする作業です。

 ご紹介するのは、昨年度おこなった授業から質疑応答の様子です。プレゼンテーションの後は、毎回教員と発表を担当した学生による質疑応答の時間が設けられます。昨年度は遠隔実施でしたので、チャット欄で他の受講生から感想コメントももとめました。

『十戒』 (1956・アメリカ)

監督: セシル・B・デミル  出演: チャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナー他

旧約聖書の「出エジプト記」をもとに、指導者のモーゼがヘブライ人たちを率いてエジプトから脱出するまでを描く。

紅海が割れ、海の中を進むクライマックスシーンは非常に有名。

──発表ありがとうございました。特にストーリーを中心にお話していただきました。冒頭では『ドラえもん』の「十戒石板」にも触れてくれましたね。実は『ドラえもん』にはこの映画の影響を受けた「十戒石板」と「モーゼステッキ」というひみつ道具があります。この映画、非常に長かったと思うんですけど、どんな印象を持ちましたか?

今回、初めて見ました。まずDVDが2枚に分かれていて。前半は印象的なシーンがあまりなくて、後半の方にたくさん印象的なシーンがあったんですけど、えーと…

──前半はどちらかというと単調かもしれませんね。

でも、後半になるにつれて、神の災いの話がメインになって、ハラハラする場面が多かったです。3時間を超えたくらいから、どんどん盛り上がって、有名な海が割れる場面がありました。あの場面がやはり爽快でした。

──そうですね。とにかくこの話は長いんです。だからこそ最後まで見ると、達成感を感じられるかもしれません。このような長編大作映画はこれまで見たことがありますか?

そもそも、あまり映画を見たことはなくて、これだけの長編も初めてでした。作品を選ぶときに「福岡女学院学」でちょっと触れたことを思い出して希望しました。字幕と日本語の吹替、いろいろ選択して鑑賞したんですけど、吹替がなくなったりするシーンがあって。なぜ吹替がなくなったりするのかは分からなかったんですが。

──それは、テレビサイズの2時間で放送されていたことがあったんですね。その時にカットされた場面の吹替は用意していなかったんだと思います。だから、フルサイズで見た時に吹替が準備できていない場面は、字幕で対応するしかなかった。そういう理由があるみたいです。今とは平均上映時間も違いますので、そのことも頭に置きながら鑑賞してもらえるといいと思います。
これは大島先生の授業(「福岡女学院学」)でも話されていたそうですね。大島先生はどういうお話をされていたんですか?

海のシーンのCG製作について話してくださいました。それから、血に染まる川のシーンの撮影手法について、教えていただきました。

──チャット欄でもそのことに触れてくれている人がいますが、面白いですね。工夫を凝らして撮られていたということですね。この百鑑リストの映画は他の授業でも取り上げられる名作ばかりですので、別の授業でも紹介されたら、また教えていただけると嬉しいです。

この授業で取り上げられる映画作品は、他の授業で扱われることもしばしばあります。各々の授業が関連し合っているのも、この学科の学びの魅力のひとつです。

学生の受け答えから、日頃の取り組みが伝われば嬉しいです。