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2021.11.22

現代文化学科

和菓子の新製品コンセプト発表会 ~金沢ゼミ~

 金沢ゼミでは、社会人の方々との交流を通じ、プロジェクトの推進・達成に加え、企業の文化や仕事のやりがいなどを知り、そこから学生自らの将来を考えてみることを目標にしています。今年度の3年ゼミ生13名は3グループに分かれ、地元の和菓子屋さんである株式会社 富貴にご協力いただいて、お菓子の新製品開発プロジェクトに取り組んでいます。

 先日のゼミでは、富貴 松本社長に本学までお越しいただき、各グループが考えた新製品のコンセプトを発表しました。
 学生たちはこれまで、自分たちが考える新しいお菓子を「どんな方が」「どのようなシーンで」「誰と」「どのような思いで」食べてほしいかを考えてきました。すなわち、新製品の具体的な形を考える前に、お菓子の開発者となる学生たちが、そのお菓子にどのような思いを込めたいか、ということを考えてきたわけです。
 実際の企業における新製品開発でも、こうしたコンセプト・ストーリーは大切なもの。企業の場合多くの人々が製品開発に関わりますが、その人々の拠りどころとなるもの、すなわち製品コンセプトがとても重要で、開発メンバーがそのコンセプトに共感し、共有することが非常に大切になります。疑似的ではありますが、学生たちも同じことを経験しています。

 学生たちの発表に対して、富貴 松本社長からは、丁寧なそしてとても温かいねぎらいのお言葉と励ましを頂きました。学生たちはこの日まで、コンセプト自体の細部の詰めや発表する資料の作り込みなどに、多くの時間と労力を掛けてきました。その努力の結晶が今回の発表であり、学生たちの思いが松本社長によく伝わったと思います。

 またコンセプト発表に取り組む中で、学生たちは多くのことを学んだようです。発表会後に寄せられた、一人の学生の感想を紹介します。

「コンセプト発表を終えて感じたことが2つあります。
 1つ目は、自分一人ではなし得ることはできなかったということです。グループのみんなやゼミのみんな、金沢先生、松本社長はじめ多くの方々のご協力があったからこそ成功できたと思います。
 振り返ると、コンセプト考察がうまく進まず、当初予定していた発表会日程をずらさざるを得なくなりました。そして自分のグループのことでいっぱいいっぱいになっていました。いろいろな場面で気付くのが遅く、いつもギリギリになってしまったのは、全体でのコミュニケーションが足りなかったこと、情報共有が不十分だったことが原因です。いろいろな壁があったと感じています。でもそれを乗り越えられたのはこのゼミのみんなや指導してくださる金沢先生のお陰だったと思います。

 そしてまた、今回の取組みでゼミ生同士の距離がさらに近くなったと感じました。ですが、仲良しこよしのグループではこれからの製品案考察、またその他の活動は成り立たないですし、私たち自身成長はできません。そうならないためにメリハリをつけ、お互いに指摘し合いながら活動を進めたいと考えています。

 2つ目は自分の思いを伝えることの大切さ、難しさを知ったことです。練習の時よりも本番の方がいっそう、「松本社長に私達の思いを伝えたい!」と思う気持ちが溢れて、練習の時よりも感情が出てきました。
 他のグループの発表でもみんなのそれぞれの思いがたくさん伝わってきました。またこれまで何度も悩んで悩んで努力し続けたみんなとの日々がフラッシュバックするように浮かんできました。それは、これまでのみんなの努力や苦労を知っているからだと思いました。思いを伝えることは簡単なことではないですが、伝えたいと思う強い思いがあれば必ず伝わると感じました。この気持ちを忘れずにこれからも頑張りたいです。そして私は松本社長にも思いは届いたと感じています。

 これからもゼミ全体で協力し合って製品案を作り上げ、プロジェクトを成功させたいと思います。松本社長から頂いたアドバイスやお話をこれから作り上げる製品案に込めて、そして私たちが込めたい思いを忘れずに、これからも頑張ります」。

 松本社長には大変お忙しい中ご来校いただき、心より感謝申し上げます。学生たちはかけがえのない経験を重ね、確かに成長しています。何卒今後とも変わらぬご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。