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2021.08.18 現代文化学科

新任教員・相良誠司教授(教職分野)のご紹介

 現代文化学科では、2021年度より相良誠司教授(教職分野)をお迎えし、主に教職関連の科目を担当されています。そこで今回は相良先生による自己紹介をお届けします。

 英語圏には、《A rolling stone gathers no moss.》ということわざがある。日本の「転石苔を生ぜず」である。

 このことわざ、アメリカとイギリスとでは解釈が正反対なのだそうだ。アメリカでは、「変化を続けていく人には、苔が生えない」。一方、イギリスでは、「ころころ変わっていく人には、苔も生えない」。アメリカでは、苔が生えないことが望ましく、イギリスでは、苔が生えることが望ましいという見方・考え方がベースとなっている。日本ではイギリスと同じく、「じっくりと一つの物事に取り組むこと」が美徳とされている。

 私は、昭和五十六年四月、福岡市立中学校の一国語科教諭として教育の道を踏み出した。しかしながら、結果的に、自分自身が選択した中学校国語科教諭という道から予想だにしなかった場を転々とすることになる。
 平成二年度からは、福岡教育大学附属福岡中学校文部教官。平成八年度からは、福岡市立曰佐中学校教諭。平成十四年度からは、異校種の福岡市立板付小学校教頭。平成十五年度からは、行政の福岡市教育委員会主任指導主事。平成十九年度からは、再度異校種の福岡市立弥永小学校教頭・校長。平成二十二年度からは、再度行政の福岡市教育センター研修課長。(この間、夜間に九州大学人間環境学府教育システム専攻に通い、修士課程を修了した。)平成二十五年度は、福岡市立松崎中学校校長。平成二十六年度からは、再々度行政の福岡市教育センター所長。平成二十九年度からは、再々度異校種の福岡市立福岡西陵高等学校校長。令和元年度からは、再任用として福岡市立青葉中学校校長である。これまで退職届は十度も書いたことになる。畢竟、本年度四月から、冠たる福岡女学院大学に教職課程担当の教員として採用していただいた。これまで、数多の小学生・中学生・高校生の成長に関わってきたが、大学生にまで関わることになろうとは夢にも思っていなかった。
 これまでの四十年間、いずこに転がるか予想もつかない転石のごとく、様々な異なる世界に身を投じてきた。不器用なだけに異文化の中で悪戦苦闘することも多かったが、邂逅した方々から支えられつつ、そのつど一から学びなおしてきた。おかげで、異文化の中で、いや異文化の中だからこそ、自分をいっそう高めることができたように思う。
 日本には、いにしえより「恩送り」という言葉がある。恩を受けた方への「恩返し」はかなわなくとも別の方に恩をお返しすること、それを「恩送り」というのだそうだ。
 苔のような味わいや趣きは持ち合わせていない無粋な私だが、いただいたご縁を大切に、ささやかな「恩送り」をしていければと考えている。