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2021.04.16

現代文化学科

コロナ禍の新たな観光スタイル「ニューロカリズム」を提案

 池田ゼミでは、観光を多角的に分析・検討できるようになることを目標としています。特に観光をメリット・デメリットの双方から分析し、観光地の現状及び実態を把握し、その地域が抱える問題点を捉え改善策を考えています。本日は2020年度に取り組んできた研究成果をご紹介させて頂きます。

 新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの収束は依然見通しが立たず、国内外のさまざまな産業がその煽りを受けています。特に観光業界への影響は大きく、前年比と比較するとこれまで順調にその数を伸ばしていた訪日外国人旅行者数だけでなく、国内観光も低迷が続いている状況にあります。

 池田ゼミでは2020年度、多様な交流促進事業を通して人々の交流の創造に貢献し、その先の感動体験を提供されてきた株式会社DNPプランニングネットワーク様にご教授頂きながら観光の多様性観光を基軸とした商店街活性の事例について考えてきました。コロナ禍の状況下、観光を通して女子大生にできることは何かを考えたときに注目したのは3密を避けて地元の人が近場で過ごす「マイクロツーリズム」でした。そこで地域の観光資源の再評価を実施するとともに、観光地における賑わいの創出の一助となるべく、地域の資源を活かした新たな観光スタイルの創出のため、女子大生による福岡県内の商店街を活用したマイクロツーリズムモデルコースの作成に取り組みました。

 この企画には池田ゼミに所属する4年生17名3年生19名6チームに分かれて取り組みました。各チームとも必ず商店街を軸としたコースであることを必須とし、テーマや取材店舗の選定、写真撮影及び使用許可、パンフレットのデザインに至るまでその全てを学生が企画・立案しました。コロナ禍ということもあり遠隔での作業を余儀なくされましたが、チーム内で役割を分担しながら取材やデザインを制作し、そこにプロの視点を加えてパンフレット作成を進めてきました。今回はデザイナーにパンフレットデザインの助言を、観光資源を活かしたモデルコース作成には株式会社DNPプランニングネットワーク様に助言を頂きながらモデルコースの作成に取り組みました。

 観光は他所の土地に旅行に出かけることだけではなく、実際に地域とそこで生活を営む人たちとの触れ合いのなかで生まれる何かを感じ、認め合うことにもその魅力です。この企画を通して改めて観光の魅力を認識させて頂くとともに、私たちが暮らす福岡の魅力を改めて再発見する機会となりました。その思いを込めて地元や地元愛を指す「local」と、女子大生の独自目線をイメージした「ism」を融合させた「localism(ロカリズム)」という言葉をつくり、「ニューロカリズム(New-Localism)」と題した新たな観光、地域づくりのきっかけとなり、福岡観光の新たな観光スタイルとしての定着及びブームとなることの願いを込めたパンフレットを完成させました。この「ニューロカリズム」が新たなトレンドとなるように、そして地域の観光資源を再発見できるきっかけとなるように、エリアを拡大させた周遊モデルコースの新設やSNS等による広報活動を実施し、観光ツールとしての定着を図っていきたいと思います。

謝辞 この企画に全面的にご協力を賜りました黒原廉様をはじめ株式会社DNPプランニングネットワークの皆様、デザインをご担当頂きました池田健太郎様に心より感謝申し上げます。またコロナ禍にありながらも取材を御快諾くださいました関係者の皆様に感謝申し上げます。

▼『ニューロカリズム』パンフレットはこちらから▼