言語芸術学科の「国内フィールドワーク」では、これまで信州や奄美に赴き、その土地の文化や歴史を学んできました。
今年度は新型コロナウイルスの影響により、残念ながら直接フィールドに行くことはできませんでしたが、3年生の授業ではその代替としてオンライン上で「聖地巡礼コンテスト」を行いました。そもそも聖地巡礼とは、宗教の信仰行為としてその宗教における重要な場所を礼拝することを指します。近年は、アニメ作品のファンなどがその舞台となった土地を訪れる行為も「聖地巡礼」と呼びます。
今年度は、実際にフィールドには行けなかったので、受講生たちの普段過ごしている場所で撮影した写真をロケ地に見立て、聖地巡礼ガイドを創作する課題を行いました。グループに分かれ写真を持ち寄って架空のストーリーを創作。それだけでなく、ロケ地となった地域やその作品のファンがどんな行動をしたのかも想像しながら、架空の聖地巡礼ガイドを作ります。最後に、グループ対抗のプレゼンテーションを行いました(グループワークは全て遠隔で行っています)。
何気ない普通の景色を巧みに活かしたり、都市と田舎を対比させたり。受講生の生活範囲に合わせてどのストーリーもよくできていました。インスタ映えで人気のスポットになったり、作者のサインが飾られていたり…といった架空の設定も練られ、こちらの予想以上に、力作の聖地巡礼ガイドが出来上がりました。
受講生から最も人気のあったプレゼンテーション。病気がちの少女が初めて外の世界に踏み出す物語。何気ない川の風景や人気のケーキ屋さんがうまく活かされています。
「自分は神さまだ」と名乗る男性と出会った女性の物語。作者やロケ地の設定もよく練られていました。
プレゼンテーション後の授業では、松尾芭蕉にならって「その作品の大ファンである自分が聖地巡礼してきた」という体で、俳諧紀行文を作りました。架空のストーリーなのに、まるで本当に旅をしてきたかのように、皆すらすらと俳諧紀行文を書きます。聖地巡礼するファンに見事になりきっていました。何気ない風景をいつもと違うまなざしで見ることや、作品のなかに描かれる実際の風景に関心を抱くことは、フィールドワークをする上でとても大切です。また、実際の町づくり等においても、このような視点は非常に役立ちます。
実際のフィールドに行けなかったのは残念でしたが、これからまたフィールドに行ける日がきたら、ぜひ今回のように豊かな感性で臨んでほしいと思います。


