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2020.08.17

言語芸術学科

授業紹介:舞台制作Ⅰ―オンライン演劇発表会

 言語芸術学科の「舞台制作Ⅰ・Ⅱ」は、1年生から4年生までが履修できる演劇実践の科目です。

 本年度の前期授業は、新型コロナウィルス感染対策のため、遠隔授業で実施しました。このコロナ禍においてオンラインツールを使用しながら創作活動を行う舞台芸術をリサーチした上で、私たちも8つの班に分かれオンライン演劇を製作しました。

 新入生から4年生の混成チーム。しかもメンバーはお互い初対面の人も少なくありません。はじめこそオンラインという形式に戸惑いもあったようですが、結果的にはZoom演劇ありオーディオドラマあり、形式もジャンルも多様な、力の入った短編作品ができました。

 7月19・26日の二週に分けて「オンライン演劇祭」と銘打って、受講生どうしの発表会を行いました(当日はYoutubeLIVEを使用し、チャット欄を設けてお互いに作品の感想を自由に言える雰囲気をつくりました)。

発表作品『zoomに迷い込んだ女達』とオーディオドラマ『夢の旅路』

 担当教員にとっても、このような取り組みは初めてです。毎年この授業をリピート科目として受講している4年生の振り返りのレポートが、この前期授業の学びのあり方を明解に示していますのでご紹介します。

前期授業を振り返って

 4回目の受講となる「舞台制作」。今年は遠隔というイレギュラーな形で始まった。

 私が思う「舞台制作」の良さは大きくわけて3つある。

  • 他学年、他学科と交流ができる
  • 知識がない状態からしっかり学ぶことができる
  • 舞台の上に立ち、公演することができる(実践) 

 しかし、新型コロナウィルスの影響により「対面授業ができない」。どう作り上げていくのか未知だった。私は人と会ってコミュニケーションを図ることの方が得意だったため、文面だけでどう交流していくか、舞台制作の醍醐味といえる後期授業の公演はどうなるのか思うところは沢山あった。

 前期の授業が終わって、私が思ったことは「なんとかなるな」ということだった。全ての講義がオンラインとなり、前期の課題制作は主にLINEやGoogle Meetを使ってのやり取りで行われた。きちんとコミュニケーションが取れているだろうか、気持ちを汲み取ることができているだろうか。初めてのことでみんなが困惑している中、どれだけ楽しいことができるか、何ができるかを考えた。

 授業内での「オンライン演劇祭」。とても楽しめた。どの班も工夫されていて面白く、端末一つでリアルタイムに感想を相手に届けることができる。オンライン演劇について考えさせられる良い機会になった。名前だけしか知らない受講生を、演劇祭を通じて、「あ、あの子なんや!」と思うことができたのが楽しかった。一方、画面が何分割かされている場合は、どこに集中していいのかわからず、見せ方の勉強になった。また、オーディオドラマの難しさも痛感した。声だけの勝負、どれだけ集中して聴けるか。チャットをしながら聴くことは中々難しいのではないかと思った。

 私の前期課題製作の班のメンバーはみんな積極的で、家庭の通信環境やいろいろな事情もあるので「①音声で参加」、「②チャットで参加」に分かれ製作を進めた。①の人は所々で②の人の話を聞き、②の人は①の意見をまとめて、チャットに載せてくれた。中々良いバランスで進められたのではないかと思う。

 後期の講義も対面は厳しい。欲を言うならば対面で行いたいし全受講生と交流したい。しかし、今何ができるか、制限の沢山ある中で模索し、挑戦心を持って取り組むことができるこの環境に楽しみすらある。

 なんだかんだ言っても舞台制作は面白い授業だ。

この授業は通年で実施されるため、後期に再び作品創作に取り組みます。前期に培った関係性がどのように展開するのか、創作する私たちも今から楽しみです。