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2020.01.28

メディア・コミュニケーション学科

手と足を使って学ぶ「組織コミュニケーション」:活動報告1/3~その1 葡萄祭でのメディア・コミュニケーション学科の展示物を作る~

2019年度後期に行われた「組織コミュニケーション」の授業では、水俣病の原因企業であるチッソの労働者であるにもかかわらず、会社側につくのではなく、被害者である水俣病患者の支援を続けてきた新日本窒素水俣工場労働組合(新日窒労組)に焦点をあてました。新日窒労組の歴史を紐解くことで、労働者が一組合員としてだけでなく、企業城下町の地域住民として誰とどのような関係を築き、その関係構築のためにはどういったコミュニケーションがとられたのかを学びました。メディア・コミュニケーション学科で身に付けたデザインの知識を生かしたパネルや補足資料を作成し、葡萄祭当日の展示でプレゼンテーションも行いました。そこで何を得たのかが学生のコメントからうかがえます。また、熊本県水俣市でのフィールドワークのレポートからは、現地で学生が何をみて、それをどのように考えたのかがわかるはずです。ここでは3回に分けて、学生の活動の様子を紹介したいと思います。


報告その1
​葡萄祭は、2019年10月12,13日に行われ、多くの人が訪れました。
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1回目の報告は、その時にメディア・コミュニケーション学科のブースで展示した、水俣病を説明するパネルと石けんに関するパネル、またそれぞれの補足資料についてです。水俣病は、メチル水銀などの有害物質により環境が破壊されることで起こりました。その水俣病の教訓を生かすための取り組みの一つとして、環境にやさしい石けん作りが水俣では行われています。この石けん作りには、授業のなかで学んだ新日窒労組の元組合員が深く関わっています。彼らの技術がなければ、石けん工場の設備はできませんでした。また、石けんづくりのノウハウにも彼らの知識が生かされています。
 
下記の写真は、その二つのポスターが展示してあるブースの様子です。約10日という限られた時間のなかで作ったとは思えない充実した内容になりました。

 
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ポスターの前に置かれている2種類の補足資料は、内容もさることながら、パワーポイントやイラストレーターを使ったデザイン性の高いものとなっています。資料の一部を載せておきますのでご覧ください。

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最後に、パネルや資料を作成しただけでなく、葡萄祭にも参加してくれた学生の声を聞いてください。
 
"水俣病を知ろう"ということで、私たちは水俣病について調べました。今回の「水俣病を知ろう」のパネルは、水俣病を知らない人にどのように伝えれば理解してもらえるかを考え、Q&A形式で要点を簡潔にまとめ、水俣病発生のメカニズムをイラストで表現しました。葡萄祭当日は、たくさんの方がブースを訪れ、なかには水俣病についての意見を述べてくださる方もおられました。パネルを通して、水俣病について多くの人に知ってもらうことができたと思います。水俣病は二度と起こしてはいけません。私たち一人ひとりが未来の環境を考え、責任ある行動をしていかなければならないと強く思いました。(2年生 MNさん)
 

水俣病は、海を汚染したことで起きた公害病です。私たちに関係のないことではありません。一人でも多くの人に水俣病について知ってもらい、二度と同じことが繰り返されないように自分の生活を振り返ってほしいと思い、「石けんがよかもん」のパネル作りをしました。 葡萄祭では、たくさんの方にパネルを見ていただきました。界面活性剤入りの洗剤と石けんの違いを知って驚かれる方や、石けんに興味をもってくださる方が何人もおられ、関心の高さを感じることができてとても嬉しかったです。石けんは、私たちにも環境にも優しいものです。普段の生活から環境問題を意識して、少し気をつけるだけで未来の環境を守ることができるのだと、パネル作りを通してあらためて感じました。(2年生 SKさん)

次回の記事は以下よりご覧いただけます
活動報告その2 水俣でのフィールドワークで水俣病事件の背景を知る