キャリア形成を考える約500名の学び
「女性のキャリア形成」は、キャリアセンターが行うキャリア支援活動の一環として開講している科目です。
前期開講の「女性のキャリア形成Ⅱ・Ⅲ」には、1限目から3限目までの授業を、合わせて約500名の学生が受講しています。
朝早い時間から、多くの学生が積極的に学びに取り組んでいます。
授業を通して、学生たちは社会や仕事への理解を深めながら、自らの将来について考える機会を得ています。
ホテルの本来の使命とは
担当教員:福岡女学院大学 浮田 英彦 教授
今回の「女性のキャリア形成Ⅱ」の授業では、ホテル業について学びました。
ホテル業界は、本学でも就職先として高い人気があり、多くの学生が関心を寄せています。今回の授業では、ホテルの種類や経営上の特徴に加え、ホテルが担う本来の役割について理解を深めました。
安全と安心を支える
浮田教授が特に強調したのは、ホテルの最も重要な使命は、『人が安心して「食べること」と「眠ること」ができる環境を提供すること』という点です。
食事中、人は食事に集中するあまり周囲への警戒が薄れます。また、睡眠中は火災や地震などの異変にすぐ気付くことが難しく、過去にはホテル火災によって多くの被害が発生した事例もあります。
学生たちは、人が最も無防備になる時間を安全に守ることこそが、宿泊業の大きな社会的使命であると、改めて感じた様子でした。
「サービス」と「ホスピタリティ」の違い
授業では、「サービス」と「ホスピタリティ」の違いについても考えました。
サービスとは、宿泊や食事など、料金に対して決められたものを提供することです。
一方、ホスピタリティとは、相手が何を求めているかを考え、その期待を超える価値を自らの判断で提供する姿勢を指します。
例えば、雨の日に傘を貸し出すことがサービスだとすれば、お客様が濡れて困っていることに気付き、声をかけてタオルを用意したり、目的地までの行き方を案内したりすることはホスピタリティと言えるでしょう。
ホテルで働く人に求められるのは、マニュアルどおりの対応だけではなく、一人ひとりのお客様に寄り添い、「このホテルに泊まってよかった」と感じてもらえる心配りであることを知ることができました。
ホテル経営を支える工夫
さらに、ホテル経営についても理解を深めました。
リゾートホテルでは季節によって宿泊客数が大きく変動する一方、人件費や建物の維持管理費などの固定費は一年を通して発生するため、安定した経営が課題となります。また、都市型ホテルやアーバンリゾートホテルは、水辺など人が心地よさを感じる「親水性」のある場所に立地することが多いことなど、立地と経営の関係についても学びました。
<受講生の感想>一部
- 人文学部 現代文化学科 K.Y.さん(福翔高等学校出身)
サービスとホスピタリティの違いを学び、相手の期待を超える対応の大切さを知りました。マニュアル通りの接客だけでなく、お客様一人ひとりに合わせた気配りが、そのホテルの満足度やリピート利用につながることが印象に残りました。
- 人文学部 メディア・コミュニケーション学科 R.T.さん(東明館高等学校出身)
ホテル業は単に宿泊場所を提供するだけでなく、人が最も無防備になる睡眠や、安心を支える重要な役割を担っていることが印象に残った。また、サービスとホスピタリティの違いでは、マニュアルどおりの対応だけでなく、お客様一人ひとりに寄り添い期待以上の満足を提供する姿勢が大切だと感じた。一方で、人手不足や労働集約型産業ならではの課題も大きく、今後は人材育成や業務効率化を進めながら、質の高いホスピタリティを維持していくことが求められると思った。
- 国際キャリア学部 国際キャリア学科 Y.T.さん(鳥栖商業高等学校出身)
ホテル業界について学ぶことができて学びのある授業でした。労働集約型産業とは売上を増やそうとするとそれに応じて人手(人件費)が必要となるビジネスということを知りました。ホテル業界についてもっと詳しく学びたいと思いました。
- 人間関係学部 子ども発達学科 M.W.さん(福岡常葉高等学校出身)
今回の授業を通して、ホテルには宿泊するだけでなく、観光やビジネス、地域とのつながりなど、さまざまな役割があることを学んだ。また、ホテルには種類やグレードがあり、利用目的や利用者のニーズに応じてサービスが異なることも理解できた。さらに、人手不足や宿泊料金の変動など、ホテル業界が抱える課題についても知り、快適なサービスを提供するためには多くの工夫や努力が必要であると感じた。普段何気なく利用しているホテルも、多くの人の支えによって成り立っていることを知り、ホテル業への見方が大きく変わった。
- 人間関係学部 心理学科 M.T.さん(三養基高等学校出身)
ホテルが立地や価格帯だけでなく、利用者の目的や心理に合わせたビジネスを展開している点に関心を持ちました。特に、宿泊特化型のビジネスホテルが売上高で上位を占める一方で、高級ホテルは「非日常性」による緊張と解放のギャップを価値に変えているという対比が面白かったです。季節変動や曜日による料金差の工夫も含め、限られた条件の中で顧客を満足させる多様な戦略を学べました。
今回の授業を通して、ホテル業界の仕事には、接客技術だけではない大きな責任と社会的使命があることを学ぶことができました。
学生たちは、浮田教授の講義をヒントに、自らの将来や働き方について考えながら、実践的な力を身につけています。
今後の講義レポートも、ぜひお楽しみに!



