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2022.03.04

国際キャリア学科

(授業紹介)「Freshers SeminarⅡ」(国際キャリア学科1年必修科目、担当:山口)

国際キャリア学科では、英語等の語学を基盤に、国際ビジネス、異文化コミュニケーション、地域研究・国際協力の三分野を中心に学びます。いずれも将来、世界とつながる仕事で活躍していくうえで重要な分野です。専門分野の学習は専門ゼミが始まる3年次から本格化しますが、1年次からもその入門的な授業を行っています。例えば、「Freshers Seminar」です。

 

前期と後期に開講されているこの授業では、山口(国際ビジネス、地域研究)、オキーフ (国際協力、社会学:米国出身)、中島(英語学・異文化コミュニケーション)、蘭(異文化コミュニケーション:中国出身)の4名の教員でローテーションを組んで、各分野に関する入門的な授業を行っています。1年生たちは前後期、各15回の授業で各分野についての入門的な授業を3回ずつ受講します。残る3回は世界とつながる仕事で活躍されている外部講師による特別講義を受講します。2021年度はヤマハ発動機の柳取締役会長財務省・税関の山口博多税関支署長在福岡米国領事館の近藤・シャー広報担当領事、福岡アメリカンセンターの犬塚ディレクターラブエフエム国際放送のDJアンナ様等による特別講義を開催しました。

 

専門分野に関する入門的な授業のうち山口が担当する後期の授業(地域研究、国際政治経済)では、大規模テロなどで世界を揺るがせてきた「イスラーム国」(IS)をテーマに取り上げ、こうした組織が生まれてきた要因について、夏休み期間に各自が調べ、考察してきた結果に基づいて、グループごとに議論し、発表する授業を進めました。

*山口教授の中東に関する書籍の紹介はこちらを参照ください。

 

「イスラーム国」が生まれてきた要因については、2003年のイラク戦争とその後の米国による占領統治の混乱、2010年末のチュニジアでのジャスミン革命に始まり多くのアラブ諸国に波及した政治的変動「アラブの春」とその後のシリア内戦など、直近の要因に求める意見から、英仏主導のオスマン帝国のアラブ領土の分割などの第一次世界大戦後の戦後処理に求める意見や7世紀のイスラーム成立期以降、続くスンナ派とシーア派の対立に求める意見など、各グループとも関連する様々なことを深く調べて発表していました。

2019年度の本授業

今年度の本授業は遠隔授業となりましたが、オンライン上での発表とディスカッションを通じて、学生たちの意見は「世界で何が起きているのか知ろうとすること、そしてそのなかで私たちには何ができるのか考えていくことが大切である」「平和な環境にいることに感謝し、内戦下、懸命に生きているシリアの人々の現状を伝えようとしたジャーナリストの後藤健二さんの遺志を無駄にしないように努めるべきである」「異なる文化や宗教、価値観に対する寛容さが大切である」といった考えに集約していきました。1年生たちは必ずしも「正解」がないことについて考えることを学んだようです。

 

現在、ロシアによるウクライナ攻撃が世界を震撼させていますが、その背景には米国が2001年の9.11同時多発テロ以降、アフガニスタン戦争、イラク戦争、シリア内戦、「イスラーム国」によるテロなど中東・イスラーム圏での長引く紛争に関与するなかで、その国際的影響力を低下させてきたことがあると指摘されています。国際キャリア学科に入学予定の皆さんはぜひテレビや新聞などを通して世界で今、何が起きているのか知り、なぜそうなっているのかそれぞれ考えてみてください。入学後の専門分野の学習にもきっと活かすことができます。

2020年度の本授業

(撮影の時だけマスクを外しています)