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2023.07.11

現代文化学科

【研修旅行】「潜水艦の窓:歴史と自然の一体化」フィールドワーク現代文化(欧米 B:渡航先ハワイ)

 今回のフィールドワークにおいて、2名の学生が潜水艦に乗って海の中を見て回るツアーに参加した。これは日本ではなかなか経験できないことであり、参加した一人の学生は、「約2万円の参加費を支払ってこのツアーに参加しました。決してお手ごろな価格ではありませんが、それだけの金額を払うだけの価値があったと思える時間を過ごすことができました」とのコメントを残している。今回の記事では、彼女たちが見た海の世界を紹介する。

 クルーズ船で沖合まで出るとある一ヶ所だけ水面が白く見えるところがある。するとあっという間に潜水艦が浮上してきて、クルーズ船の乗客は驚きと興奮に包まれつつも、潜水艦へと乗り込んでいく。学生の一人は、「初めて生で潜水艦を見たので、潜水艦が浮上してきただけでもかなり興奮しました」と、この時のことを振り返って感想を漏らしている。そして潜水艦は海の中へと潜航していくのだが、船が沈んでいく過程で気圧の変化を感じるのではないかと思っていたが、「違和感を一切感じることなく沈んでいったことが印象的」ともコメントしている。海底で最初に目にした人工物は人工環礁で、そこには様々な海の生物が住処としていた。この海の中の別世界について、学生は次のようなコメントを記している。

 

 

潜水艦に乗って、海底に沈む戦闘機や船とハワイならではの生態系の海洋生物を見て、歴史と自然が一体化しているところに魅力を感じた。なぜなら、過去の負の遺産が今を生きる生物の棲み家となっていることを不思議に思ったからだ。本来であれば、負の遺産は人間なら訪れることはあっても、そこに住むという選択をすることは滅多にないだろう。だが、魚やウミガメはそこで生態系を築き、営みを続けている。このことから、負の遺産は悲惨な出来事の象徴として扱うだけでなく、どのように有効活用していくのかについても考えていかなければならないと感じた。

 

 

 日本での日常の学生生活では決して目にすることのない海底をじかに見ることで、この二人の学生は、自然の中に今もなお存在する歴史的遺産を、今までにはない視点から見つめ直す機会を得ることができた。このような日常を超えた経験こそが、フィールドワークへ参加することの醍醐味となっている。