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2024.01.24

国際英語学科

授業紹介:基礎から応用へ - 英語学習は深い ② across vs through

英語学習者の多くが「文法は苦手」という印象を持っています。たしかに、言葉の背景を理解しないまま暗記に終始するのでは無理もないことです。このシリーズでは、文法を分かりやすく説明します。その結果、皆さんのなかに、「文法学習は深く、楽しいものだ」という印象が生まれたら幸いです。国際英語学科では、1・2年次に英語の基礎を徹底して学びますので、皆さんの関心が深まることを期待しています。

■ 文法は面白い:across vs through

今回は前置詞の「across」と「through」に焦点をあてて考えてみましょう。①の文はどちらも「歩いて草むら(草原)を通ってきた」という意味ですが、across / through のどちも使用可能です。ただ、意味(イメージ)が異なります。さて、どう違うのでしょうか。考えてみてください。

①-1: I walked across the grass.

①-2: I walked through the grass.

この2つの前置詞を説明する場合、次のような例文が使われます。

②-1: I ran across the street.(through は使えません)

②-2: I came in through the front gate.(across は使えません)

さて、違いが分かりましたか?一般的には、平面的(二次元的)な見方をする場合に「across」が、立体的(三次元的)な見方をする場合に「through」が使用されます。②の例では、「道を渡る」場合の「道」は平面として捉えていますが、「正門から入った」の「正門」は立体的な捉え方をしています。

そうすると①の違いが分かりましたね。この場合前置詞の目的語は、どちらも同じ単語です。何が違うかといえば、「草の丈」が異なるのです。草の丈が低い場合は across が使われやすく、草の丈が高くなると(たとえば膝元とか)through が使われやすくなります。視点によって表現に違いが出るというのは、興味深いと思いませんか?

応用編として最後にもう1つ。私たちは立体的なものの捉え方をすると「閉塞感」を感じませんか?③-2は比喩的に使われています。

③-1: We drove through a tunnel.(車でトンネルを抜けた)

③-2: I lived through difficult times when I was young.(若い頃は辛かった)

もうお分かりのように、③では across は使えません。また、なぜ「困難や辛い経験」に対して through が使われるのかご理解頂けたでしょうか。「閉塞感」のイメージと「困難」なイメージの間に共通点があるからです。

ちなみに、日本語では誰かから無視されたときに「スルーされた」と言いますが、これも英語の through から来たのでしょうか。英語では "I was brushed off." と言うようです。文法も深掘りするとおもしろいですね。


国際英語学科は多様です。企業に進む割合は約9割ですが、中高での英語教員、児童英語指導員、国内・海外の大学院進学など色々な場所で卒業生が活躍しています。英語力を究極まで伸ばして世界で活躍したい人、海外で育った人、高校まで消化不良で悩んだ人、目標がまだ定まっていない人、どんな人でも学科の MISSION に賛同できる人を待っています。小さな学科だからこそ「やればできる!」。Think EAGL!

■ 3つの MISSION(日本語版)