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2023.02.22

メディア・コミュニケーション学科

授業紹介:私たちの身近にある戦争遺跡(「国内スタディ・ツアー」①)

メディア・コミュニケーション学科では集中講義「国内スタディ・ツアー」を2月の第2週と3週に行いました。
事前説明会の様子も是非ご覧ください)

今回は、これまで見過ごされてきた戦争の跡をたどり、私たちが「戦争」とどう向き合い、それをどのように語り継いでいけるのかを学生と共に考えてくという授業でした。担当は池田理知子教授です。

母校の歴史と戦争とのつながりについて学ぶ事前学習の一環として、福岡女学院資料室も訪問しました。資料室ツアーを終えた学生のコメントの一部を載せておきます。

・福岡女学院の歴史について当時の史料などを見ながら改めて学び、キリスト教の女学校としてどのような困難があり、またそれをどうやって乗り越えてきたのかについてをよく知ることができました。(M・Rさん)

・福岡女学院の展示室は初めて入ってみましたが、想像以上に充実していてこんな近くに貴重な資料や解説が見られる場所があるのだと思いました。わかりやすい説明と前回の講義を踏まえての訪問だったので面白かったです。(I・Aさん)

福岡女学院資料室にて

資料室ツアーの次の日が、第1日目のフィールドワークでした。西南学院大学の伊藤慎二先生の案内で、大濠公園から薬院にかけて、戦争の跡をたどりました。

福岡城の石垣に残った空襲の火災跡
今でも周辺に福岡連隊関係の戦争遺跡が残されている

薬院大通り西にある陸軍用地の境界標柱。かろうじて「陸」の文字が読み取れる

浄水通りの電柱にある「セーラー服発祥の地」の看板。左手が「振武寮」跡地

かつて薬院にあった福岡女学校(現福岡女学院中学校・高等学校)には、予期せず生還した特攻隊員を隔離し収容する「振武寮」という施設があり、肉体的また精神的な暴力による「再教育」がそこでは行われていました(福岡女学院と「振武寮」の関わりについてはこちらもぜひご覧ください)。

生きて帰ってくるなど「あってはならないもの」としてその存在が隠されていた特攻隊員がそこでどのような日々を送っていたのか、現在は新しいマンションが立ち並ぶその場所で、学生たちは過去へと思いを馳せていました。
特攻について語られるとき、「お国のために戦って散った軍神」として美化される風潮がありますが、決してそうではなかった特攻の実態を知っておく必要があると思います。

フィールドワーク初日を終えた学生のコメントを一部紹介します。

・福岡はビックバンなどで都市開発を進めていますが、そんな街中にも当時の福岡大空襲の跡や日本陸軍の跡地などが目に見える形で残っているのに驚きました。それと同時に戦争の痕跡が日常のなかで風化していること、残っているものに目を凝らし時代背景があるのを知ることが重要だと感じました。(M・Aさん)

・実際に足を運び解説を聞いて、より戦争について深く考え感じることが出来たので、とても貴重な時間になりました。次のフィールドワークでもさらに学びを深められるようにしたいと思います。(I・Aさん)

伊藤先生、お忙しいなか本当にありがとうございました。
次回は北九州市でのフィールドワークについて紹介します。

(学科Today編集担当)