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2022.02.14

現代文化学科

【池田ゼミ】4年間の集大成『ニューロカリズム-学びの旅編 in 鳥栖-』

 池田ゼミでは、観光を多角的に分析・検討できるようになることを目標としています。特に観光をメリット・デメリットの双方から分析し、観光地の現状及び実態を把握し、その地域が抱える問題点を捉え改善策を考えています。これまで池田ゼミの4年生は観光と社会の結びつきについて、企業との連携やフィールドワーク、旅行商品造成等の実践を踏まえながら学んできました。本日は2021年度に取り組んできた研究成果、そしてこれまでの研究活動をご紹介させて頂きます。

 2年次は旅行商品を造成していくなかで、さまざまなデータを分析するとともに、現地に赴いて多方面に意見を収集しながら調査を実施し、その地域に適した観光のあり方を考えることを目指してきました。なかでも長崎国際大学人間社会学部国際観光学科 森尾真之准教授と東彼杵町との共同研究として、長崎県東彼杵町の基幹産業である「そのぎ茶」のブランド認知の向上を目指し、福岡市などの大都市からの観光集客実現のため、「グリーンティツーリズム」の着地型企画旅行の造成に向けて、フィールドワークを実施し、着地側(東彼杵町・長崎国際大学)と発地側(福岡女学院大学)のそれぞれにおけるマーケティングについての知識を深めてきました。
 3年次は多様な交流促進事業を通して人々の交流の創造に貢献し、その先の感動体験を提供されてきた株式会社DNPプランニングネットワーク様にご教授頂きながら観光の多様性や観光を基軸とした商店街活性の事例について考えてきました。コロナ禍の状況下、「観光を通して女子大生にできること」は何かを考えたときに注目したのは3密を避けて地元の人が近場で過ごす「マイクロツーリズム」でした。そこで地域の観光資源の再評価を実施するとともに、観光地における賑わいの創出の一助となるべく、地域の資源を活かした新たな観光スタイルの創出のため、女子大生による福岡県内の商店街を活用したマイクロツーリズムモデルコースの作成に取り組みました。

 池田ゼミでは地元や地元愛を指す“local”、女子大生独自の目線をイメージした“ism”、そして私たちが大学で学ぶ観光“tourism”を併せた“localism”という言葉に、女子大生ならではの視点から地域の魅力を発信し、コロナ禍の新たな観光・地域づくりのきっかけになればとの思いを込めて「ニューロカリズム(New-Localism)」という名前をつけ、独自の観光のあり方の提案を試みました。

 2020年度は西新商店街を基軸に、テーマや取材店舗の選定、写真撮影及び使用許可、パンフレットのデザインに至るまでその全てを学生が企画・立案しました。コロナ禍ということもあり遠隔での作業を余儀なくされましたが、チーム内で役割を分担しながら取材やデザインを制作し、そこにプロの視点を加えてパンフレット作成を進めてきました。実際にデザイナーにパンフレットデザインの助言を、観光資源を活かしたモデルコース作成には株式会社DNPプランニングネットワーク様に助言を頂きながらモデルコースの作成に取り組みました。

 そして集大成となる2021年度は、本学が包括連携協定を結ぶ鳥栖市教育委員会様の依頼を受け、4年ゼミ19名が5チームに分かれ佐賀県鳥栖市を舞台に鳥栖及び福岡に在住のファミリー層をターゲットに鳥栖市を基軸とした近隣の市町村の観光資源を結びつけた観光モデルコースの作成に取り組みました。今回はテーマに「学び」を挙げ、地元の魅力を体感するなかで、単に「楽しみ」だけでなくこの旅を通して何か「新しい発見」があったということが、地域の観光資源の再発見のみならず、その地の”ファン”となる可能性を秘めているのではないかと考えました。

 昨年度の活動をさらに深掘りするために、特に力を入れたのが自分たちが昨年作り上げた「ニューロカリズム」をもう一度見直し、この企画のなかで最も自分たちが大切にしてきた「女子大生らしさ」とは何か?の探求でした。そこで株式会社1アートディレクター加藤一行様にプロの視点からどのような発信をすれば女子大生らしさを出しつつ、多くの人に伝わるパンフレットになるのか、そのノウハウや考え方を学び、自分たちのパンフレットのデザインやテキスト、写真などその全ての再考に試みました。

 観光は他所の土地に旅行に出かけることだけではなく、実際に地域とそこで生活を営む人たちとの触れ合いのなかで生まれる何かを感じ、認め合うことにもその魅力です。自分たちで実際に現地を訪れて取材をさせて頂いたからこそ、そこで感じる本物の体験や現地での触れ合い、人々の思いを体感することができました。
 ぜひ私たちの思いがつまったパンフレットを片手に、まだ知らない「何か」を探しに行ってみて頂けましたら幸いです。

謝辞 本企画の遂行にあたり、パンフレットのデザインから企画のディレクションまでその全てをご担当頂きました株式会社1 加藤一行様に心より感謝を申し上げます。また、昨年度に引き続き、ゼミ活動にご協力を賜りました株式会社DNPプランニングネットワーク黒原廉様に感謝申し上げます。またコロナ禍にありながらも取材を御快諾くださいました関係者の皆様、誠にありがとうございました。本企画にご理解とご協力を頂きました全ての皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

▼完成したパンフレットはこちらから▼