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2022.09.05

現代文化学科

【研修旅行】世界遺産と観光を学ぶフィールドワーク Day1 活動報告

 現代文化学科には欧米諸国やアジア諸国、日本各地に実際にでかけ、現地の社会・文化を見聞する研修旅行科目「フィールドワーク現代文化」があります。この授業はただ旅行に出かけるだけではありません。事前授業で出発前に出かける国や都道府県の歴史や文化、社会について調べて理解を深めたうえで、勉強したことを実地体験によって確認します。
 コロナの感染拡大を影響で2019年度を最後に実施できていなかったフィールドワーク現代文化ですが、2022年度は前期集中科目でまず「フィールドワーク現代文化(日本)」が開講されました!
 今年度のテーマは「世界遺産と観光」!!世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」「明治日本の産業革命遺産」の構成資産を実際にめぐり、そこに関わる多様な関係者に話を聞くなかで、世界遺産としての価値とともに地域の人々の思いを知ることを狙いとするフィールドワークです!また、観光都市長崎を代表する観光地を巡り、観光のメリット・デメリットを広く分析できるようになることを学ぶことを目指しました。
 1日目は長崎県平戸市へ!平戸市は古くから海を通じた海外との交流が活発な場所で、17世紀初頭オランダ船やイギリス船が訪れ、江戸幕府の許可を得て日本最初の西洋貿易港として栄え、異国の文化の発信地となった場所です。また長崎県内で最初にキリスト教の布教が開始された地として、風光明媚な美しい自然のなかにキリスト教の歴史と文化が息づく観光地です。
 事前授業では長崎のキリスト教の歴史や潜伏時代の特徴、そして世界遺産登録までのプロセスを学んできましたが、現地研修では実際に長崎のキリスト教の歴史の始まりの地である平戸の史跡を巡るなかで、特に潜伏キリシタンの信仰継続のあり方や、世界遺産登録後の地域の変化などを自身の目で見て、感じて、学びを深めていきます。
 まず訪れたのは「寺院と教会が見える風景」!平戸ザビエル記念教会と光明寺、瑞雲寺が交差して見える風景は、日本と西洋の文化を感じさせる平戸を代表する景観のひとつです!!
 次に「平戸ザビエル記念教会」に向かいました。平戸を訪れる多くの観光客が訪問するザビエル教会を訪れ、平戸とキリスト教の歴史や、教会と観光との調和に関する課題などを考えました。
 続いて訪れたのは九州の北西端に位置する平戸市生月島。生月島は禁教令が解かれキリスト教の信仰が容認されるようになった後も先祖代々続く潜伏時代の信仰を継続した「カクレキリシタン」の信仰が今もなお受け継がれています。まず生月町博物館「島の館」を訪れ、カクレキリシタンの信仰形態や古式捕鯨などの貴重な歴史文化を見学しました。
 次に訪れたのは生月島山田集落の高所に建ち、大正元(1912)年に長崎県を中心に多くのカトリックの教会堂建築を手がけた鉄川与助の手により完成したレンガ造りの教会である「山田教会」を訪れました。コロナ禍のため、堂内の見学はできませんでしたが、教会が建てられた歴史や背景を学びました。
 そして平戸の最後には「田平天主堂」を訪問しました。田平天主堂は当初世界遺産候補として構成資産に挙げられていましたが、潜伏キリシタンに世界遺産の価値証明が変更された際に除外を余儀なくされました。しかし、除外後も世界遺産登録の影響で観光客は年々増加しており、それに伴い本来の「信仰の場」としての意味と観光地化の動きに地域は揺れ続けています。観光客が増加したことで生じた問題点や揺れる地域の実情に触れ、信仰の場と観光との調和の難しさを実感しました。
 フィールドワーク1日目の最後に訪れたのは「ハウステンボス」!!オランダの街並みを再現した日本一広いテーマパークで美しいイルミネーションやグルメ等を楽しみました。まさに”花と光の感動リゾート”を自ら体感できました!!
 フィールドワーク1日目も充実した研修となりました。2日目は長崎県外海地方・浦上地区をめぐります!!!

※掲載された写真は撮影時のみマスクを外しています