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2022.08.12

国際キャリア学科

(授業紹介)「Junior SeminarⅠ」(3年次前期ゼミ、中東・北アフリカ地域研究、山口ゼミ7期生)②

国際キャリア学科(ICD)では、3年次から国際政治経済・地域研究、国際協力、英語学・異文化コミュニケーション、経営・ビジネスの各専門分野のゼミ・クラスに分かれ、専門科目を重点的に学びます。
 
このうち、中東・北アフリカ地域を中心に国際政治経済について学ぶ山口ゼミでは、3年次、まず近年、世界を揺るがせてきた「イスラーム国」(IS)が生まれてきた要因や背景について、春休みに指定した『現代中東の国家・権力・政治』(ロジャー・オーウェン著、明石書店)や『「イスラーム国」の脅威とイラク』(吉岡明子/山尾大編、岩波書店)などの文献を輪読したうえで、4つのグループに分かれて討議し、その結果を発表しました。

3年後期には今度は経済に焦点を当てて、中東・北アフリカにおける広域的な経済ハブとなってきたレバノン、バーレーン、ドバイ(アラブ首長国連邦)、カタールなどを取り上げ、それぞれの経済政策の成功(国によってはその後の挫折)の要因について様々な視点から分析を行い、発表します。

 

4年次には3年次のグループでの研究成果を踏まえ、各自、テーマを設定して卒業研究を進めます。研究テーマは在学中の経験、卒業後の目指す進路(職業)などを踏まえ、各自が最も深い関心を持った分野を担当教員と協議しながら選定する予定です。

以下では前回記事に引き続き「イスラーム国」が生まれてきた要因や背景についての発表を終えた3年ゼミ生の感想をご紹介します。

M.Sさん(福岡大学附属大濠高等学校出身)

前期の研究テーマ、入学以来、2年間かけてさまざまな授業で触れてきた内容でもありました。調べれば調べるほど、様々な要因が浮かび上がってきて、まとめることがとても難しかったです。「なぜそういう状況になったのか」「なぜこの戦争や紛争、政変は起こってしまったのか」などに着目して、今後も学びを深めていきたいです。私たちのグループは他のグループに比べて少し内容が浅かったと感じました。後期は役割分担を明確にし、より掘り下げた研究とプレゼンテーションができるようにがんばります。ありがとうございました。

T.Kさん(長崎県立佐世保南高等学校出身)

1年次の「Freshers Seminar」で受けた山口先生の授業が面白かったので、このゼミを選択しました。正直に言うと「イスラーム国」の研究はとても難しかったです。インターネットなどには誤りの情報も多いため、関連する書籍や文献を読み込み、調べました。しかし、「イスラーム国」が生まれた要因は私が思っている以上に深く、多くの問題が絡んでいました。先生から教えていただかなければ、理解できなかったと思います。グループで協力し合い、調べ上げた結果、先生から学んだことと私たちの研究結果が繋がりました。どこから調べていいのか、どこを調べているのかわからない時もありましたが、先生の助言をもとに頑張りました。「イスラーム国」の誕生には中東・北アフリカ地域だけでなく、米国やソ連・ロシア、英国など様々な域外の大国が関わっていることがわかり、とても興味深かったです。他のチームの発表からも新たなことを学ぶこともできました。チームによって重点を置いている点が異なり、発表の仕方などにもそれぞれ特徴があり、同じテーマではありましたが、面白かったです。後期の研究も同じチームで頑張りたいです。

M.Iさん(聖和女子学院高等学校出身)

グループ研究や発表を通して、中東・北アフリカ地域への理解が深まっただけでなく、「イスラーム国が生まれてきた要因」についてチームの皆と自分達なりの答えを導き出すことができました。歴史を遡り、要因となった出来事をピックアップし、それらが起きた背景や原因について文献から情報収集を行いました。チーム内の意見交換を通じて、それぞれの出来事にはつながりがあることが分かり、年表を作るなどして出来事を一つ一つ整理していくことで、意見をまとめることができました。グループでの研究だったからこそ、歴史的背景、宗教的背景など、多角的視点から物事を考えることができ、それによって結論を導き出すことができたのだと思います。チームのメンバーと授業時間外でも集まり、納得のいくまで一緒に研究できたことにとてもやりがいを感じました。他のグループの研究結果はそれぞれ異なり、私達とは違った角度から要因を導き出していて、参考になることが多く、とても興味深かったです。

H.Kさん(福岡県立南筑高等学校出身)

前期のゼミでは、1年生のフレッシャーズ・セミナーの時にも学んだ「イスラーム国がなぜ誕生したのか」についてさらに深掘りして、研究しました。どのような歴史的背景があったのか、どのような人物が関わっていたのかなど、多角的に調べましたが、全てのことを理解するには難しかったです。過去の戦争や紛争、政変、思想の違いなど様々な要因が重なって、「イスラーム国」の誕生に繋がったことが分かりました。研究していく過程で、一人で書籍や文献を調べても理解が難しい部分が多くありました。しかし、先生の解説を聴き、調べていった様々なことが繋がり、少しずつ理解できるようになりました。グループ研究では先生から学んだことを復習しあい、新たに気づいたことや疑問に思ったことを出し合いました。プレゼンテーションでは、それぞれのチームで重点を置いている部分が違いました。そのため、私たちのグループが目をつけていなかった部分を説明してくれたり、同じ内容でも詳しく調べてくれていたので、より理解を深めることができました。調べ始めた時は、難しすぎて発表できるかどうか不安でしたが、グループのメンバーで分担して協力できたことで、達成することができたと思います。また、先生からご紹介いただいた『バイス(VICE)』という映画を観て、「イスラーム国」誕生の直接的な要因となったイラク戦争に際してのアメリカ側の考えや行動なども同時に学べました。9・11後からイラク戦争へとアメリカを導いたチェイニー副大統領の生涯や、当時のブッシュ政権がどのような過程を経て意思決定を行ったのかなど、一連の流れがよく理解できて良かったです。歴史は様々なところで関連していて、過去の歴史を辿って学んでいくことで、現在の世界の繋がりを知れて面白いと感じました。後期のゼミでも新しい知識をたくさん身につけて、もっと中東・北アフリカ地域のことを学びたいと思います。

M.Iさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)

前期の研究を通して、「イスラーム国」誕生にはさまざまな国や人が関わっていることが分かりました。特に印象に残ったことは、歴史的背景や出来事に焦点を当てて調べてみると、原因が一つではなく、すべての出来事が相互につながり、影響しあい、その結果として「イスラーム国」が誕生したことでした。グループワークでは多角的視点から物事を捉えて、効率よくまとめることができたと思います。また、他のグループのプレゼンテーションは私たちとは異なる出来事に焦点をあてて調べていてとても勉強になりました。「イスラーム国」ができた要因について学ぶ前は、ただ自己利益を追求した危険な集団という認識でしたが、その誕生の背景には先進国を中心とした各国の介入の影響を受けていること、増え続ける人口に対して経済成長が追いつかず、それが若年層の高い失業率と閉塞感につながっていることなどが分かり、理解が深まりました。

T.Pさん(福岡日本語学校出身、ネパール出身)

「イスラーム国」が生まれた要因について考察することを通して、中東・北アフリカ諸国の政治、経済、社会について理解することができました。グループでの意見交換やプレゼンテーションを通して、自分に足りない知識に気がつくことができました。日本語のレベルをアップに努めながら、後期ではカタールについての研究に取り込んでいきたいと思います。