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2021.12.13

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」2021年度⑨ホテル業:リーガロイヤルホテル小倉の小久保由実様による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスや公務の第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。

先日の講義にはリーガロイヤルホテル小倉から総支配人室の小久保由実様をお招きし、ホテル業界の仕事と求められる人材、そして接遇の基本についてお話しいただきました。小久保様は全国のリーガロイヤル・ホテル・グループでも限られた人しか認定されていない「接遇インストラクター」の資格をお持ちで、主として従業員の方の接遇研修を担当されています。

小久保様からははじめにシティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテルなど、日本におけるホテルの分類から説き起こしていただき、「賓客のための近代的ホテルを大阪に」との大阪の政財界の要望を受けて開業した新大阪ホテルを前身とするリーガロイヤル・グループの歩みと現状についてご紹介いただきました。続いて、北九州のランドマークとして1993年に開業したリーガロイヤルホテル小倉について、2016年に開催されたG7北九州エネルギー大臣会合や上皇上皇后両陛下がお泊りになった2017年の全国豊かな海づくり大会福岡大会などでのエピソードを織り交ぜながらご紹介いただきました。

ホテル業界の仕事については、①宿泊部門(フロント、フロアーサービス、宿泊予約、客室係等)、②料飲部門(宴会サービス、レストラン等)、③営業部門(セールス、宴会予約、ブライダルコーディネーター、ブライダルプランナー)、④事務部門(総務人事、経理購買、企画広報、施設保全)、⑤調理部門で構成されるホテルの組織と業務内容、さらにはそれぞれの部署に求められるサービスのポイントと心得などについてわかりやすく解説いただくとともに、得意な英語を武器に国際会議などで活躍されてきた男性社員の方と出産・育児を経験しながら現在、予約センターで活躍されている女性社員の方のキャリアの歩みをご紹介いただきました。続いて、「CS・ES・No1」というリーガロイヤル・グループのビジョンについて解説いただきました。CSとは顧客の満足、ESとは従業員の満足のことで、そのNO.1を目指すという行動指針は社員の方が意見を出し合って作られました。

ホテル業界で働く人に求められる資質のうちホスピタリティ(おもてなし)については、マナーとサービス、ホスピタリティの違いを説明いただいたうえで、「この時、この場、この人だけにと思いやりの心を持って個別におもてなしをすること、それがホスピタリティです」「お客様の立場に立って考え、望まれることを自然に察知して、心を込めて心に響くようにサービスすることが大切です」「情けは人の為ならずといいます。お客様への心配りはホテルへの高評価にもつながります」と解説いただきました。

続いて、相手に好印象を与える接遇の基本について、接客と接遇の違い(接遇とは単にサービスや商品を提供するだけではなく、そこにプラスアルファの心遣いが込められた対応があること)から説き起こしていただき、①身嗜み、②表情、③言葉遣い、④挨拶、⑤態度の5つのポイントをあげられ、それぞれについて「第一印象の80%以上は見た目、身嗜みで決まります。その時間は6~7秒です。身嗜みのポイントは清潔感、控えめ、上品さです。清潔なことはもちろんのこと、相手に清潔だと感じてもらうことが重要です。上品さは自己研鑽を積み、教養を身につけていくことで自然と身についていきます」「挨拶は自分の心を開いて相手に迫るという意味です。あ=あかるく、い=いつでも笑顔で、さ=先に挨拶をして、つ=次の言葉を」「態度で大切なのは、心の中の気持ちの深さを、あなたのしぐさで相手に伝えることです」「ホテルスタッフが大切にする表情は笑顔です。マスクをしていると表情が分かりにくくなりますが、眉をあげて目を優しくすることに気を付けましょう」「言葉遣いは心遣いです。綺麗な言葉で、丁寧な言葉で話しかけ、優しく、易しい言葉を使いましょう。できるだけプラスの言葉を使うように心がけましょう」など分かりやすくお教えいただき、「これらのポイントは悪いと非常に気になるところであり、逆によくすれば好印象を持っていただくことにつながります」と述べられました。

講義の最後には、「接客スタッフにとって最も大切なスキルは聴く力、傾聴力です」と話され、その傾聴力を高めるためには「目と耳と心を活用して、注意深く、一生懸命に聴くこと、誠心誠意、相手と誠実に向き合い、その心をしっかり受け止めること、自分の心に余裕を持つこと、先入観を持たないこと、そして相手に興味を持ち、それを相槌や表情で示しながら次に何を言おうか考えながら聞くことが大切です」とアドバイスいただきました。学生達は2歳のお嬢様を育てながら接遇のプロとして活躍されている小久保様からのわかりやすく、丁寧なアドバイスに真剣に聞き入っていました。

なお、リーガロイヤルホテル小倉様との提携講義は今回で5年目を迎えましたが、過去の提携講義を聴いた国際キャリア学科の卒業生からは例えばY.Sさん(一期生、福岡大学附属若葉高等学校出身)がヒルトン福岡シーホークに、Y.Kさん(一期生、福岡県立小倉西高等学校出身)がホテル日航福岡に、A.Tさん(三期生、福岡県立福岡中央高等学校出身)が近鉄・都ホテルズにそれぞれ就職し、第一線で活躍しているほか、現4年生も株式会社星野リゾート・マネジメントやルートインジャパン株式会社などへの就職が内定しています。

 

以下は聴講した学生の感想(代表)です。

M.Yさん(福岡県立春日高等学校出身)

今回の講義では、ホテル業界のお仕事やリーガロイヤルホテル小倉の業務内容について、またおもてなしや接遇など様々なことを学ぶことができました。小久保様はクッション言葉を使って話せるように、普段からニュースを見たり、新聞を読んだりして、勉強していらっしゃると聞き、私もぜひ実践しようと思いました。今回、学んだ接遇の基本はホテル業界だけでなく、どの業界に進んでも必ず活かすことができると思います。忘れずに書き留めて、実践していきたいです。リーガロイヤル・グループは各地に展開しているため、コロナ禍が収束したら色々なホテルに宿泊して、それぞれの特色や良さを実感したいと思います。

K.Oさん(福岡県立春日高等学校出身)

私はリーガロイヤルホテル小倉に今年夏に宿泊させていただきましたので、小久保様の講義をとても楽しみにしていました。私が宿泊した際、チェックイン時間より1時間くらい早く着いてしまったのですが、フロントの方はお部屋の準備ができているからと快くチェックインの手続をして下さり、出かける際や帰ってきた際には「いってらっしゃいませ」「おかえりなさいませ」ととてもあたたかくお声がけして下さいました。今回の講義のなかで、ホスピタリティについてのお話がとても印象に残りました。ホスピタリティとは、お客様の立場になって考え、「この時、この場、この人だけに」と個別におもてなしをし、心を込めて心に響くようにサービスをすることだと学びました。そのような気持ちでおもてなしすることで、自分の心も豊かになるのではないかと思いました。また、身嗜み、表情、挨拶、言葉遣い、態度の接遇の五限則についても教えて頂きました。なかでも清潔感や表情を特に気をつけていく必要があると思いました。就職活動のために意識するのはもちろん、普段の生活でも意識していこうと思います。ありがとうございました。

M.Mさん(福岡県立筑紫高等学校出身)

講義のなかで特に印象に残ったのが、ホスピタリティ、おもてなしについてのお話です。お客様の立場になって考えること、そして心を込めてお客様の心に響く様にサービスをすることが大切だと学びました。「自分が困っている時に他人がしてくれた親切を思い出すと良い」というアドバイスが分かりやすかったです。どの仕事においてもこれは大切なことだと思いますので、心のこもったおもてなしのできる人間になれるように頑張っていきたいです。接遇の五原則のお話も非常に為になりました。身嗜みについては、清潔感、控えめであること、上品さが重要だそうです。清潔感については他の業界の講義でも聞いていたので、業界を問わず、社会人として大切なマナーなのだと思いました。また、接客では「聴く力」がもっとも大切なスキルだと学びました。自分自身を振り返ってみて、先入観を持たずに次に何を言うか考えながら聞くということができていないと実感したので、改善できるように努力しようと思います。今回の講義では接客についてのお話もたくさん聞くことができて、就職活動の面接でも重要なポイントが学べ、非常に勉強になりました。

H.Nさん(福岡県立朝倉高等学校出身)

私は希望する就職先のひとつにホテル業界を考えており、なかでも企画や広報のお仕事に興味があるので、もしホテルに就職できた場合は最初にレストランなどお客様と接する場所で働いて、その後に企画部などで働けるようになるのかなと考えながらこの講義を受けていました。講義を受けてホテルに就職した場合の自分のキャリアプランを考えやすくなりました。小久保様がおっしゃった「情けは人の為ならず」という言葉を胸に、これから普段の生活でも他人のために行動していきたいと思います。

Y.Mさん(福岡県立福岡高等学校出身)

講義を通して、九州の玄関口で日本各地、そして世界からの人々をおもてなしするという重要な役割を担っていらっしゃるリーガロイヤルホテル小倉様のお仕事やそれに際した細やかな心掛けなどを学ぶことができました。また、ホテル業に限らず、就職活動や日常生活でも活かせる人に好印象を与えるポイントについても学べました。接遇やおもてなしの心掛けのいずれも人に対する思いやりや真心を持つことが共通していると感じ、学生生活や社会人生活においても大事な場面では最終的に「人」が見られるのではないかと考えました。勉学や就職活動はもちろんですが、日々の生活においても他人に対する真心を忘れず、人格の向上にも努めて参ります。今回は、貴重なお話をありがとうございました。

S.Kさん(福岡県立武蔵台高等学校出身)

リーガロイヤルホテル小倉の小久保様の講義では、ホテル業界についての詳しいお話とともに、これからの私たちに必要な様々なスキルについて学ぶことができました。ホテル業界の方々はお客様の快適な滞在のため、あらゆる面からサービスに徹しているいわばサービスのスペシャリストのような印象を持っていましたが、お話を聴いて改めてホテル業界のサービスに対する意識の高さやホスピタリティの素晴らしさを感じることができました。ホテル業界の方々に対する敬意さえ持つことができた有意義な講義でした。ありがとうございました。

Y.Uさん(鹿児島県立川内高等学校出身)

私はホテル業界に関心があるので、今回の講義は本当に勉強になりました。初めの印象ではリーガロイヤルホテル小倉のようなシティホテルは敷居が高く、その分、仕事の質の高さが特に求められるのではないかと考えていました。しかし、講義を聴き、ホテルの仕事はどこであっても求められる能力は同じであり、おもてなしの心を持ってお客様と接することが大切だということが分かりました。講義を通して、ホテルで働くうえでのホスピタリティの重要性を改めて認識することができ、お客様に良い印象を与えるためにも見た目だけでなく、表情や態度なども注意していく必要があるのだと痛感しました。今回の講義で学んだことを活かして、日常生活でも実践していきたいです。

A.Iさん(聖和女子学院高等学校出身)

小久保様は接遇の基本として、身嗜み、表情、挨拶、言葉遣い、態度の五つを挙げ、このうち身嗜みについては清潔感を与えることが大切だとおっしゃいました。確かに清潔にしていても相手の方にそう思われないといけないので、仕事では髪型や爪の長さなどそういう視点で考える必要があると思いました。挨拶については、「+αの言葉」があることで次の会話が始まるきっかけになり、相手に好印象を与えることを学びました。言葉遣いについては、きれいで丁寧な言葉を使う事だけでなく、どの表現を使うかでも印象が違うということを「ロビーが混雑している」「賑わっている」というわかりやすい例を示していただいたことで、気づくことができました。このほかにもホテル業について、またこれから仕事をしていくうえで活かすことができる様々な貴重なお話を聞くことができました。ありがとうございました。

A.Sさん(筑陽学園高等学校出身)

私は就職先としてホテル業界にとても関心を持っていますので、ホテルのお仕事やリーガロイヤルホテル小倉について知ることができ、また接客をする上での基本についても学ぶことができ、とても勉強になりました。本当に貴重なお話をたくさんお聴きすることができ、この講義はこれからに繋がる第一歩になりました。

M.Eさん(福岡海星女子学院高等学校出身)

将来はお客様と直接、関わることのできる接客業で働きたいと考えてはいましたが、おもてなしや接遇の基本について十分には知らなかったので、小久保様の講義はとても勉強になりました。お教えいただいたことをこれから常に意識していこうと思います。