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2020.12.16

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」⑦製造業:ヤマハ発動機提携講義Ⅱ-3S先進国統括部欧州グループの廣松有紀様による講義

国際キャリア学科では、グローバル企業と提携したプログラムとして、2017年度からヤマハ発動機株式会社との提携講義を実施しています。昨年度は、国際キャリア学科1年生を対象とする「フレッシャーズ・セミナー」と3年生を対象とする「Japanese Industry:日本産業論」の合同授業として、同社の柳弘之代表取締役会長による特別講義を開催しました。 

柳会長による特別講義(2019年)

今年度は国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」で、同社で活躍されている女性社員の方による講義をシリーズで開催しており、先日は同社3S先進国統括部欧州欧州グループでの営業業務に従事されている廣松有紀様をお招きし、オンラインで講義をしていただきました。

大学でドイツ語を学ばれた廣松様は海外営業や将来は海外駐在などグローバルな仕事がしたいという気持ちからヤマハ発動機に入社されましたが、最初に配属されたのは管理部門である人事部でした。担当されたのは新卒者の採用業務で「イメージと違う仕事だな」と思われた廣松様でしたが、ここで仕事の基本ともいえるPDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)について学ばれます。入社2年目、同じ部署ですが初めてグローバルな仕事といえる多国籍の社員の採用業務を担当されることになります。ここで廣松様は日本と海外との雇用慣行やキャリア観の違いに直面されました。特に、様々な業務を担当し、広範囲に異動のある総合職という職種について海外の新卒者の理解を得ることが難しく、入社に至ってもキャリア観の違いに悩む事例も出ました。ここで廣松様はより専門性を尊重するように採用方針を変更することに貢献されるとともに、徹底したコミュニケーションの大切さを学ばれました。

入社3年目に廣松様は同じ管理部門の広報宣伝部に異動され、IRの業務に従事されることになります。IRとはInvestor Relations、すなわち企業が株主や投資家に自社の経営・財務状況や業績、今後の方針などを広報するための活動です。具体的には、社内の各部署から得た情報をまとめて投資家の方々にわかりやすく提供し、その理解を得るための業務です。廣松様は北米やインドなどでのIRイベントの開催にも従事され、ヤマハの製品を実際に体験し、現地社員と交流していただくことでヤマハ発動機を長期にわたって支えて下さる投資家を得ることに注力されました。IRの業務では財務に関する知識も必要になり、ここで廣松様は学生時代以来の数字アレルギーを克服するとともに様々な部署でグローバルな仕事があることを実感されました。

その一方で、より自分の言葉で自社を紹介するためにはやはり現業部門を経験する必要があるとの気持ちを持たれるようになった廣松様に今度は念願の海外営業、しかもオランダにある欧州統括会社での駐在の辞令が来ます。オランダの統括拠点は欧州26拠点、約3000の店舗を総括する現地法人で、様々な国籍の社員が勤務している文字通りグローバルな職場でした。廣松様は各国にある支店と密接にコミュニケーションをとり、販売計画の策定から遂行、進捗の把握、日本の本社との連絡・調整などの業務に従事されました。講義ではここで廣松様が実際にオランダの統括拠点で担当された業務の実例、例えば顧客のモチベーションにあわせた効果的なプロモーションとしての3ブロック戦略や専売店比率向上などの販路政策などを紹介しながらマーケティングについてもわかりやすく解説いただきました。

念願の海外の現場での業務を担当された廣松様がその次に異動されたのは現在、配属されている本社営業の仕事で、今度は本社側から欧州市場をカバーする業務に就かれます。こうして約8年のキャリアを積まれた廣松様は現在のお気持ちについて「会社のなかにグローバルな仕事は意外とたくさんある。そのいずれにも大切なのは徹底したコミュニケーションである。当初のイメージと違っても仕事は食わず嫌いをせず、やってみるとそこから得られる経験や学びがある」ことを実感されるとともに、「本当にやりたいことは決して諦めずに、持ち続け、ライフプランとのバランスを考えながら働き続けていきたいと思っています」とまとめていただきました。

学生たちは憧れである海外駐在の業務を含めキャリアを積み重ねながら輝いている廣松様の臨場感あふれる体験談とわかりやすいマーケティング業務に関する解説に真剣に聴き入っている様子でした。以下は聴講した学生の感想(代表)です。

H.Mさん(広島県立福山明王台高等学校出身)

今回の廣松様の講義では、グローバルな仕事についての具体例を学ぶとともに、働くことについて深く考えることができました。また、仕事に対する熱意、お客様への思いやりというものは目に見えなくても伝えることができるということを廣松様の様々な経験談を通して学ぶこともできました。お忙しいなか、貴重なご講義をいただき、ありがとうございました。

A.Tさん(鹿児島県立加治木高等学校出身)

前回に引き続きヤマハ発動機様でご活躍されている女性社員の方にご講義いただきました。今回の講師の廣松様は前回の川口様とは異なる業務を担当されており、ヤマハ発動機様のちがう面を学ぶことができたとともに、世界を股にかけて活躍されてきたご経験を聞くことができて、とても勉強になりました。文化や言語の違いへの理解や専門知識が求められる環境で働き、キャリアを重ねてこられた廣松様のお姿は本当にかっこいいと思いました。 川口様と廣松様のお話を聴いて、お二人とも入社されてから様々な業務を経験され、着実に知識と働くうえでの技術を身につけておられると感じました。早い段階から多くの責任のある業務を担当されていて、ヤマハ発動機には一社員としてかなり成長ですることができる環境があるのだと感じました。私もお二人のように仕事に情熱を持つ女性でありたいと思います。そのためにも、日々、新たなことを学ぶ努力をして、成長する意欲を持っていたいと思います。とても勉強になりました。ありがとうございました。

A.Tさん(大分県立大分鶴崎高等学校出身)

私が今回の廣松様の講義から学んだことは、どの業種、職種でも大切なのはコミュニケーションだということです。接客業や営業職はもちろんのこと、事務でも同僚の人とコミュニケーションを取り合わなければいい仕事はできません。廣松様はどの仕事でもコミュニケーションが大事だとおっしゃっていましたが、私もきっと仕事をしていくなかでそう感じると思います。どの仕事に就いたとしてもこのことを大事にしていきたいです。

Y.Yさん(宮崎県立延岡星雲高等学校出身)

国境を越えて異文化の中で働くことは本当に大変なことだということが分かりました。グローバルな会社で働きたいと私もずっと思っていたので、今回、廣松様の貴重なお話を聞けて本当に良かったです。今後、就職活動をするなかで学んだことを活かしていきたいと思います。貴重なお話をありがとうございました!

S.Mさん(熊本県立玉名高等学校出身)

廣松様が海外と国内で積み重ねられてきた数々の経験値は計り知れなく、尊敬の気持ちが生まれました。異なる業務を担当することで業務内容や社員、顧客、取引先など様々な側面から会社を知ることができるのは、なかなかできない経験だと思います。ヤマハ発動機とは新しい環境のもとで挑戦できる機会が用意されている会社なのだと感じました。廣松様のお話から希望の配属でない場合でも、食わず嫌いをせず、日々の仕事に取り組むことで得られる学びがあること、それが後々、あらゆる場面で役に立つということもわかりました。今回も素晴らしい講義をありがとうございました。

N.Nさん(佐賀県立白石高等学校出身)

今回の廣松様の講義で一番、心に残った言葉は、「食わず嫌いをしない」という言葉でした。配属された部署や仕事内容にあまり関心がなくても、そこから得られることがたくさんあるかもしれませんし、自分の好きなことが増える可能性もあるなと思いました。やりたいことを貫き通すのも大事なことですが、やったことがないことにもしっかり挑戦してみることがとても大事だと感じました。

M.Iさん(長崎県立佐世保商業高等学校出身)

廣松様からは数々のアドバイスをいただきましたが、なかでも印象に残っているのは「食わず嫌いをしない」ことです。これは前回の講義で川口様も話されていたことですが、企業には様々な職種や業務が存在します。自分が目標とする職務につける可能性もありますが、予想していたこととは異なる職務を任せられる可能性もあります。実際に廣松様もそのギャップを感じたとおっしゃっていました。そういう状況におかれた時、「ちょっと違う」と感じることはあるかもしれませんが、「その先に得られるもの」に目を向けてみれば、想像以上の楽しさややりがいを感じることができるかもしれません。目の前にある物事に満足がいくか否かは自分の気持ちの持ちようにかかっています。廣松様が言われていたように、少し視点を変えてみるだけで、知識ややりがい、次の目標など大きな成果を得ることができると思います。私も働き始めてギャップを感じた時、「食わず嫌い」をするのではなく、満足がいくまで職務を全うしたいと思います。「徹底したコミュニケーション力」、これもまた廣松様から学んだことです。廣松様が掲げられていた「グローバルに活躍したい」という目標は私の目標でもあります。海外で活躍するためには相手と良い関係を構築するために異文化を理解するだけでなく、ミスがないように徹底したコミュニケーションをとる必要があります。大学に入学して3年、様々な国の出身の方と交流をしてきました。ある程度、異文化理解ができるという自信はありましたが、ビジネスとなると、難しい場面も出てくると思います。ミスマッチが起きないよう、信頼関係を築く、信頼関係を築く為に、自分本位にならないよう努めたいと思います。

H.Sさん(福岡県立八幡高等学校出身)

今回、講義してくださった廣松様は、私たちと同じ国際系の大学を出られていて、グローバルな仕事を学生の頃から目指されており、しかも女性であるということで、身近な存在に感じました。 講義を通じて一番に感じたことは、グローバルな仕事には、想像以上にさまざまな種類があって、文化の違う人々に何かを伝えようとするときには徹底的なコミュニケーション力が求められているということです。また、将来、就職して、仮にやりたいことがなかなかできなくても、与えられた仕事に一生懸命、取り組むことで、それが自分の糧となること、その後に続いていくことを忘れないでおこうと思います。

M.Mさん(福岡県立宗像高等学校出身)

廣松様の講義を聞いて、ヤマハ発動機のように幅広く事業を展開し、様々な選択肢がある会社は素敵だなと感じました。また、働く上でのコミュニケーションの大切さを改めて感じました。特に海外の方と接する時にそれは重要になります。そのためにも英語力をつけておく必要があると思います。講義を通して仮に自分がやりたいと思っていなかった仕事でも一生懸命やってみるとそこから得るものがあり、自分を成長させるのは自分次第なのだということを痛感しました。

R.Tさん(久留米市立久留米商業高等学校出身)

廣松様が経験されてきたお仕事はまさに私が将来、やりたいと思っている仕事でした。とてもためになるお話ばかりで、将来の夢がさらに明確になりました。他方で、改めてグローバルな仕事の難しさも痛感しました。また、志望していない部署に配属されても落胆せず、視野を広げるいい機会であると考えることが必要であると知るとともに、自分の思い描いている未来を実現するために今は可能性を広げることが大切だと思いました。前回の講義でお話を伺った川口様とは部署が違うこともあり、同じヤマハ発動機でもまた違った魅力を知ることができた講義でした。