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2024.02.02

国際キャリア学科

(授業紹介)「Freshers SeminarⅡ」2023年度後期(国際キャリア学科1年必修科目、国際学・地域研究分野)

国際キャリア学科(ICD)では、英語等の語学を基盤に、①国際ビジネス、②異文化コミュニケーション、③地域研究・国際協力の三分野を中心に学びます。いずれも将来、世界とつながる仕事で活躍していくうえで重要となる分野です。専門分野の学びは専門ゼミが始まる3年次から本格化しますが、1年次からもその入門的な授業を行っています。例えば、「Freshers Seminar」です。

 

前期と後期に開講されているこの授業では、山口(国際経済・ビジネス、地域研究)、オキーフ (国際協力、社会学:米国出身)、中島(英語学・異文化コミュニケーション)、蘭(異文化コミュニケーション:中国出身)の4名の教員でローテーションを組んで、各分野に関する入門的な授業を行っています。1年生たちは前後期各15回の授業で各分野についての入門的な授業を4つのクラスに分かれて受講します。また、あわせて学年全体で世界とつながる仕事で活躍されている外部講師による特別講義も受講します。今年度は、西日本フィナンシャルホールディングスの久保田勇夫代表取締役会長、ザボディショップジャパンの倉田浩美社長、国連ハビタット福岡本部の星野幸代本部長補佐官、そしてシンガポール航空の方々による特別講義を開催しました。

後期開講の「Freshers SeminarⅡ」のうち、山口が担当する授業では地域研究と国際学に関する入門的な授業を行いました。地域研究とは、主に世界の特定の地域を様々な側面から研究し、その特徴を理解しようとする学問分野です。本授業では中東・北アフリカ地域を取り上げ、大規模テロなどで世界を揺るがせてきた「イスラーム国」(IS)を題材として、こうした組織が生まれてきた要因について、夏休み期間に各自が調べ、考察してきた結果に基づいて、グループごとに議論し、発表する授業を進めました。

 

各クラスとも「イスラーム国」が生まれてきた要因を2003年のイラク戦争とその後の米国による占領統治の混乱、2010年末のチュニジアでのジャスミン革命に始まり多くのアラブ諸国に波及した政治的変動「アラブの春」とその後のシリア内戦など、直近の要因に求める意見から、7世紀のイスラーム教の成立期から続くスンナ派とシーア派の宗派対立に求める意見、1991年の湾岸戦争や1979年のイラン革命に求める意見など、各グループとも関連する様々なことを深く調べて発表していました。

グループでの検討と発表を通じて、学生たちの意見は「世界で何が起きているのか知ろうとすること、そしてそのなかで私たちには何ができるのか考えていくことが大切である」「平和な環境にいることに感謝し、内戦下、懸命に生きているシリアの人々の現状を伝えようとしたジャーナリストの後藤健二さんの遺志を無駄にしないように努めるべきである」「異なる文化や宗教、価値観に対する寛容さ、多様性を尊重することが大切である」といった考えに集約していきました。

 

ロシアによるウクライナ攻撃やイスラエルとハマスの戦闘が世界を震撼させていますが、その背景には米国が2001年の9.11同時多発テロ以降、アフガニスタン戦争、イラク戦争、「テロとの戦い」など中東・北アフリカのイスラーム圏での長引く紛争に関与するなかで、その国際的影響力を低下させてきたことがあることが指摘されています。将来、世界とつながる仕事で活躍することを目指している皆さんはぜひテレビや新聞などを通して、世界で今、何が起きているのか知り、なぜそうなっているのかそれぞれ考えてみてください。

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国際キャリア学科(ICD)は、世界のために、地球を舞台に活躍する女性を育てます。