国際キャリア学科生は3年次から国際政治経済・地域研究、異文化コミュニケーション、経営・ビジネスの各専門分野のゼミ・クラスに分かれ、専門科目を重点的に学びます。
このうち、ドバイやトルコ、エジプト、モロッコ、サウジアラビアなど中東・北アフリカ諸国の政治、経済、社会を中心に学ぶ山口ゼミの3年生は、前期には世界を揺るがせた「イスラーム国」(IS)が生まれてきた要因や背景について、『現代中東の国家・権力・政治』(ロジャー・オーウェン著、明石書店)や『「イスラーム国」の脅威とイラク』(吉岡明子/山尾大編、岩波書店)などの文献に基づき、各自で調べてきた結果をグループに分かれて討議し、その結果を発表しました。
続いて、後期には今度は「経済・ビジネス」に焦点を当てて、レバノンやバーレーン、ドバイなど中東・北アフリカ地域における広域的な経済ハブとなってきた国々を取り上げ、それぞれの経済政策の成功(国によってはその後の挫折や破綻)の要因について様々な視点から分析を行い、発表しました。現在は日本企業の事業展開上、有望視されているトルコ、モロッコ、サウジアラビアを取り上げ、その経済状況、代表的な産業、ビジネスの可能性とリスクについて考察しています。以下は、中東・北アフリカ地域の経済ハブに関する共同研究を終えたゼミ生の感想(代表)です。
山口ゼミ8期生が後期に研究の対象とした中東諸国
A.Yさん(福岡県立福岡中央高等学校出身)
M.Fさん(福岡県立宗像高等学校出身)
私たちのチームは、レバノンのベイルートが広域的な経済ハブとして発展した要因、内戦による破綻と現在の状況について研究しました。私はチームのメンバーの意見を聞いて論点を整理したり、全体の構想をまとめたりという仕事で貢献できたのではないかと感じています。次回のサウジアラビアに関する共同研究でも自分の役割を考えながら取り組んでいこうと思います。
R.Kさん(宮崎県立宮崎西高等学校出身)
Y.Aさん(福岡県立糸島高等学校出身)
M.Oさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)
M.Sさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)
私が特に調べた分野は自由貿易港としてのドバイの発展を導いた経済政策です。ドバイは早くから石油資源に依存しない経済の構築を考え、陸海の交通インフラの整備に力を入れ、港湾の整備に始まり、世界各国の企業の誘致に成功するフリーゾーンの開設に繋がったことを知りました。また、ドバイにおける宗教・宗派やマクトゥーム首長家による統治治についても深く知ることができました。