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2023.12.07

国際キャリア学科

(授業紹介)「International Relations II」:エチオピア、ケニア等での国際協力についての特別講義

国際キャリア学科3年生、4年生を対象とする「International Relations I」(前期)と「International Relations II 」(後期)(担当:千葉)では、私たちの生活と深く繋がっているさまざまな国際問題を学習しています。トピックの例として、人種差別と固定観念、国際協力や途上国支援、先進国での大量消費、とくにファストファッションの陰にある開発途上国での問題、環境破壊と生物多様性の激減、核兵器問題、ファッションと文化などがあげられます。


本科目では、CLIL(Content and Language Integrated Learning, 科目内容と言語学習を統合したアプローチ)を取り入れています。英語教材や補足資料、動画、ドキュメンタリー映画など、多様な教材を使用するほか、専門家を招いての特別講義もあります。また、受講生全員が授業のトピックについて口頭発表をし、学期末には英語でレポートを提出します。さらに、英語語彙力アップのため単語テストも実施しています。

先日の講義では、エチオピア、ケニア、ルワンダの現地NGOと連携し、支援活動に従事されてきた湯本沙友里様を講師に迎え、オンラインでご講義いただきました。湯本様は2013年より上記諸国に滞在し、ストリートチルドレン保護、貧困家庭支援などに携わってこられたほか、日本での啓発活動や現地文化の紹介イベントも実施されています。特に、エチオピアでは貧困家庭の教育を支援する「Dream to Shine free schooling ~輝く夢学校~」の運営を行い、就業人材育成事業を進めておられます。現在では100名ほどの子供たちがこの学校で学んでいます。


授業では、国際協力の意義、支援の現場で求められる姿勢、援助の喜びや課題などをご自身の経験を踏まえてご講義くださいました。講義後には、言語の壁や文化の違いの壁にどのように対処されているかなど、受講生から質問が続きました。


以下は受講生の感想(抜粋)です。

N.Nさん(福岡市立福岡女子高等学校出身)

貴重なお話を聴けて、とても嬉しかったです。私は中学時代からアフリカの貧困や飢餓の問題に関心があり、将来はNGOなどを通した支援活動に携わるという夢がありました。これまでは自信がなくて諦めていたのですが、湯本様の教育支援活動のお話を聴き、希望を持つことができました。支援の現場では身体面だけでなく心のケアが必要であること、心の傷が残ったまま親になると、その子供にも負の感情が引き継がれる危険性があることなども知りました。心身のケアの支援によって、貧困家庭の人々が生きる意味や目的を見出せることも実感しました。一人一人に寄り添う支援活動に魅力を感じ、自分の夢に対しても前向きになれました。湯本様が講義の最後に「日本でできないことは世界に行ってもできない。だから海外に行って何かをする前に、日本で今、できることに取り組み続けることが重要」と語られたことが心に刺さりました。現在、学んでいることや人間関係が将来につながることを信じ、日々の課題を感謝しながら乗り越えていきたいです。今回の講義で未来に希望を持てました。ありがとうございました。

M.Tさん(福岡女学院大学短期大学部出身、東筑紫学園高等学校出身)

エチオピアの位置や民族、言語などについて全く無知でしたが、想像していたよりも明るく賑やかな一面があることを知りました。ルワンダの人口、公用語、主な産業なども知り、農産物や鉱物資源の豊富さや、街並みがきれいで、レジ袋の持ち込みは禁止、ゴミ捨て禁止のクリーンDayがあることなど、環境に配慮した政策を実施していることを知りました。しかし、その陰には、1994年のジェノサイド(大虐殺)という過去があったことに胸を痛めました。貧困や心身の痛みに苦しむ人々のことを考えると、私たちにできることから取り組んでいきたいと思いました。ケニアの社会格差、犯罪、災害などの状況も知ることができました。今回の講義で国際協力の現場からの声を聞くことができ、開発途上国に対する見方が変わりました。今、身の回りにあること、できることから一つ一つ考えて、行動し、適切な寄付やボランティア活動に積極的に参加していきたいと思いました。湯本様が活動を通して得られたもの、考え方が変化した点など、さらにお話を聴いてみたいです。

A.Tさん(久留米市立久留米商業高等学校出身)

これまでアフリカに対しては、紛争の頻発、経済や医療の遅れというイメージしかなかったのですが、今回の講義を通して首都圏などでは道路や街並みが整備され、かなり発展している地域もあることを知りました。その一方で、貧富の格差が激しく、地方や貧困地域への対策が行き届いていない実情、特に児童労働問題や教育を受けることの困難さなども理解できました。私たちは大学敎育を受け、インターネットなどを自由に利用できる環境にありますが、それがどれだけ恵まれていることかが実感しました。また、周囲の人々と助け合うエチオピアの文化や「だれかのために役立ちたい」と奮闘している現地の人々の姿勢に感銘を受け、これらは今の日本人に欠けている部分だと感じました。この講義を機に世界の現状について学びを深め、国際協力やボランティア活動についても調べ、自分にできることは何かを考えてみます。

M.Oさん(長崎県立長崎北陽台高等学校出身)

明確に決まっていない自分の将来のために、今できることを精一杯、頑張ることの大切さを改めて教えられました。最後に湯本様がおっしゃった「日本で今、できないことは世界に行ってもできない」との言葉が印象的で、その通りだと思いました。アフリカの現状についてはこれまで知らなかったことが多く、無知であることの怖さを感じるとともに、この状況を多くの人々に知らせる必要があると思いました。私は世界が抱えている問題・課題を他人事としてではなく、自分の問題として世界と身近につながりたいです。

A.Yさん(長崎県立長崎北陽台高等学校出身)

開発途上国で支援活動に携わられている方のお話を初めて聴き、とても衝撃を受けるとともに、感動しました。恵まれた今の生活への感謝と同時に、自分自身に怒りを感じました。今、私たちが受けている敎育が決して「当たり前」ではないことと肝に銘じて、もっと夢に向かって、一生懸命に生きようと思いました。また、湯本様が「活動を通して現地の人々を支援しているが、実は私自身、彼らに精神面で助けられている」と言われたことが印象的で、私もそのような支援活動に従事したいと思いました。私は異文化や他言語を学び、将来は客室乗務員としてさまざまな国の人と関わりたいとの夢があり、本学科で学んでいます。今後、さらに色々な選択肢について考えていきたいです。

A.Nさん(福岡女学院高等学校出身)

開発途上国は、過去の植民地支配などにより、現在でもインフラや敎育面だけでなく、精神面にまで悪影響が及んでいることを知りました。また、象牙の売買のため多くの象が殺され「象の孤児院」ができていることや象牙の主な輸入国が日本であることに驚き、私たちの消費行動や日常生活が世界のどこかの地域の問題と関連していることに気づきました。世界で起こっていることを自分の問題として捉え、日々の行動を見直す良い機会になりました。エチオピアには、かつて支援を受けた方が以前の自分自身と同じような状況にある子供たちの未来のため努力されています。その姿に感動し、私も誰かのために努力していきたいと思いました。自分の価値観で決めつけず、現地の文化や歴史を理解してコミュニケーションをとることで、相手の真意が理解できるということもわかりました。さらに、先進国の責任が大きい気候変動により、アフリカの農業も影響を受け、住民の食糧確保が困難になっていることも今まで知らなかった点です。自国や自分の利益だけに目を向けるのでなく、自分以外の存在のために努力し、考える人が増えることで、世界が共存していけるのだと理解しました。

N.Nさん(福岡県立田川高等学校出身)

今まで知らなかった国々の現状を詳しく知ることができました。例えば、ルワンダはかつてベルギーの植民地であったことや最近では観光業やIT産業が発展していること、エチオピアにはコーヒー・セレモニーなどで人との繋がりを大事にする文化があることなどです。貧困の中にある人々が互いに寄り添って暮らし、湯本様を励ましてくれるお話、子供たちが将来は誰かの役に立つ存在になる夢を持って学んでいることなどに感銘を受けました。湯本様はエチオピアで受け取った思いを日本で伝える活動を通して、日本人がエチオピアに関心を持ち、助け合いに参加するという流れを作り出しておられます。そのような活動をされている湯本様を尊敬します。

M.Yさん(長崎県立諫早商業高等学校出身)

人は助け合いながら生きていかなければならないと実感しました。国際関係を学ぶなかで、国同士、人々同士の助け合いの重要性や、助け合うことで得られるものがあること、信頼や幸せはお金では変えないことなどをしばしば考えます。世界には誰かの助けがないと衣食住や衛生的な水など生活に必要なものが得られず、教育も受けられない子供たちがいるという現実は日本にいると知らないままになりがちですが、その実情を伝えていく必要があると思いました。最も印象的だったのは、湯本様が支援されている現地の子どもたちや若者が自分だけでなく地域や次世代のためになることを仕事にしようと考えていることです。私の子供の頃の夢は非現実的なものばかりで遊ぶことしか考えていなかったのに、人の役に立つという明確な夢があるのは本当に素晴らしいと思いました。人の役に立つという思いを大切にして、今後の就職活動を頑張ろうと思いました。

A.Mさん(福岡県立朝倉高等学校出身)

アフリカについては貧困というイメージを持っていましたが、都市部には高層ビル群や整備された道路があるなど、その発展ぶりに驚き、現地に行かなければわからないことが多くあると実感しました。湯本様は敎育支援に力を入れておられ、私も何らかの形で支援に携わっていきたいと真剣に考えました。

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