学科 Today

  1. HOME
  2. 学科 Today
  3. 国際キャリア学部
  4. 国際キャリア学科
  5. (授業紹介)「Current Business」2023年度③官公庁:農林水産省九州農政局の方々による講義

2023.10.05

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」2023年度③官公庁:農林水産省九州農政局の方々による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネス、またはそれを支援する公務の第一線で活躍されてきた様々な業界、業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。 

 

先日の講義には、農林水産省九州農政局より経営・事業支援部輸出促進課の鵜狩課長と田所事務官、総務部総務課の赤池管理官を講師にお迎えして、官民を挙げての輸出促進が奏功し、近年、拡大基調にある農林水産物輸出の状況と農林水産省の取り組み、農林水産省と九州農政局の業務、求められる人材像などについてご講義いただきました。

前半は、鵜狩課長より「日本の農産物輸出の状況と輸出促進施策について」と題する講義をいただきました。初めに、全国と九州の品目別の農業産出額を示しながら、①九州は全国に比べて米の割合が低く、畜産の割合が高い、②畜産県である鹿児島、熊本、宮崎の南九州3県は単価の高さもあり、農業産出額では全国で5位以内となっている、②温暖な気候を活かし、野菜や果物の生産も多い等、九州における農業の現状について説明いただきました。続いて、人口の減少と高齢化で国内の市場が縮小する一方で、海外市場では人口増加に伴う飲食料の市場規模の拡大により輸出増加が見込まれるという日本の農産物・食品産業を取り巻く状況、そして農林水産省が輸出促進に取り組んでいる理由について解説いただきました。

 

2021年には1兆2382億円、2022年には1兆4140億円と1兆円の大台を超え、拡大を続けている日本の農林水産物・食品の輸出の状況については、①品目別ではウィスキーなどのアルコール飲料やカレー、ソース、マヨネーズなどのソース混合調味料、水産物、畜産物の輸出が多い、②相手国・地域別としては地理的に近く、食文化も近い東アジア諸国と米国が多い、③今年は中国による日本産水産物の輸入停止により水産物の輸出の減少が見込まれる、④九州の港等からの輸出は全国の約1割を占めており、品目では丸太(主として中国向け)、ブリなどの水産物、牛肉、焼酎が多く、オーストラリアには豆乳が輸出されているなど、具体例を交えながら解説いただきました。そのうえで、2030年までに農林水産物・食品の輸出を5兆円とするという目標が設定された食料・農業・農村基本計画と28の農林水産物・食品を輸出重点品目に選定して行われている輸出産地への集中的な支援等、農林水産省を中心とする農産物の輸出促進施策についてご説明いただきました。

後半では、総務部総務課で人事・採用を担当されている赤池管理官より、農林水産省と九州農政局の機構や業務、農林水産業が抱えている課題に対する取り組み、さらに公務員における職種などについて解説いただいたうえで、働き方改革や女性の登用が進められている職場環境などについて、ご説明いただきました。講義の最後には、今年、入省された輸出促進課の田所事務官が登壇され、農林水産省を目指された経緯や現在、担当されている「グローバル産地づくり推進事業」やメールマガジンの発行などのお仕事などについてお話しいただきました。お忙しいなか、熊本から講義にいらしていただいた九州農政局の皆様、本当にありがとうございました。

 

以下は受講した学生の感想(代表)です。

M.Sさん(福岡県立宗像高等学校出身)

今回の講義を通して、日本における農林水産業の現状や農林水産省の業務、そして国家公務員の仕事について詳しく知ることができて、とても勉強になりました。職場環境についても詳しくお話しいただき、一般企業よりも公務員の方が働きやすい環境にあるのではないかと感じました。育児休業取得率において、女性はもちろんのこと、男性職員も約7割が取得されている点にも驚きました。

M.Fさん(福岡県立宗像高等学校出身)

日本の「食」に関わる政策の基本を担っている農林水産省、九州農政局のお仕事について詳しく知ることができて、興味深かったです。お忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。

M.Kさん(福岡県立武蔵台高等学校出身)

就職活動に向けて、食品メーカーや食物に関わる企業が気になっているなかで、今回のご講義を聴き、日本の農林水産業、食品産業の振興の主軸を担っている農林水産省のお仕事に対する関心を深めました。今年の夏、九州農産物通商様でのインターシップに参加した際にご指導いただいた方からいただいた「食品に携わる企業は人間がいる限りなくならない」という言葉が非常に印象に残っています。重要で、かつ不可欠な産業である農林水産業を衰退させないためにも、私たち若年層も関心を持ち、行動していくべきだと考えました。

K.Hさん(福岡県立福岡中央高等学校出身)

農林水産省が様々な取り組みを行い、日本、そして九州を発展させ、人々の暮らしを少しでもより良くするために貢献されていることが印象に残りました。様々な企業も社会に貢献する取り組みを行っていますが、国家公務員は国を背負ってるという強い責任感が持てる職種だと思います。農林水産省以外にもたくさんの省庁があるので、関心のある分野を自分でも調べてみようと思いました。

Y.Oさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)

今回の講義では、農林水産省九州農政局のお話を伺いました。農林水産省が「食」を中心に環境も支えている行政機関であること、そして産業政策、地域振興、インフラ整備等の幅広い政策分野も総合的に担っていることを知りました。全国にネットワークがあり、総定員数は約2万人ということから、国の行政機関の規模の大きさを実感しました。講義のなかで、食料消費構造の変化による食料自給率の低下についても説明いただきました。食生活の多様化が進み、米を食べる量も全国的に減っており、その他の食品の多くを海外に頼らなければならない状況となっています。国内の農業生産の増大を図るためにも、日本で生産した食料を積極的に食べることが大切だと思います。しかし、農業に従事している人が減ったり、総人口が減ったり、高齢化が進んだりすることで、国内の市場規模はどんどん減少する可能性があります。農業従事者の平均年齢が67.8歳になり、他国と比べても高齢化が顕著に現れています。そのため、農業のこれからには新規就農者の存在が大きく影響すると考えました。

M.Fさん(福岡県立春日高等学校出身)

講義の最後に今年、入省された田所様がご自身の入省の経緯などについてお話しして下さいました。お話を聴き、私も様々な業界を見て、将来の選択の幅を広げていく必要があると感じました。私も将来、田所様のように、人のために、自分の育ってきた地域のために役立つお仕事をしていきたいと思います。

E.Mさん(福岡県立小倉南高等学校出身)

農林水産省は、「食」を中心に、産業政策、地域振興、インフラ整備、日本食・食文化の海外への普及、輸出促進等、様々な政策分野を担っていることを知り、とても驚きました。講義を聴くなかで、改めて食の有難さにも気づきました。職場環境などのお話も聞くことができたので、これからの就職活動に活かしていきたいと思います。

M.Iさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)

農林水産省が第一次産業を守り、農家の方々が利益を出せるような様々な支援を行われていることが印象的でした。特に、輸出を目指す農業従事者への手厚い支援は農業を盛り上げるだけでなく、地域や国全体の経済活性化にも貢献できるため、とても魅力的なお仕事だと感じました。私が留学していたオーストラリアでは日本食がとても人気で、日本食スーパーでお買い物をする人も多く、需要が大きいことを感じていました。今回の講義で、その国、その市場の需要に合わせた安心・安全な「食」の輸出を行うために多くの方々が携わり、努力をされていることがわかりました。貿易業界に興味があるため、農産物輸出に関する詳しいお話を伺うことができ、とても役に立ちました。国際社会で活躍する女性になるために、日本の文化や魅力、そして日本が抱えている課題をさらに知ることの重要性を感じました。

S.Sさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)

国家公務員は仕事量が多く、とても大変なイメージをもっていましたが、残業も減ってきていて、休暇も取得しやすくなってきていることを知り、ライフワークバランスが意識されていると思いました。テレワークやフレックスタイム制度も取り入れられていて、より働きやすくなっていることが分かりました。また、九州農政局で行われている若手職員を管内拠点へ派遣して現場感覚を養わせたり、農家に2週間派遣し、農業を体験させるなどの研修制度も魅力的だと感じました。大変なお仕事ですが、「食」を通じて日本を支えて、世界にもアピールできることは、とてもやりがいがあり、素晴らしいです。私は食べることが好きなので、食や自然に関わりのある職業に就きたいと考えるきっかけになりました。ありがとうございました。

Y.Oさん(福岡大学附属若葉高等学校出身)

農林水産省の方の講義を聴き、国家公務員の仕事について学ぶことができました。今、話題になっている中国による日本産水産物の輸入停止に興味があったということもあり、しっかりとお話を聴くことができました。講義のなかで触れられた「スマート農業」について関心を持ち、調べてみました。「スマート農業」とは、ロボットやAI、IoTなどの先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新しい農業のことで、海外では「スマートアグリカルチャー」や「アグテック」などと呼ばれています。農業をしている人が周りにいないので、現在の農業についてあまり知りませんでしたが、今回、「スマート農業」をキーワードに農業の現状について自分でも調べて学ぶことができ、とても良かったです。

S.Nさん(福岡大学附属若葉高等学校出身)

私はこれまで一般企業で働くことを考えていましたが、今回の講義を聴き、国家公務員、特に農林水産省の職務は幅広い人々と連携し、私たちが生きるために欠かせない「食」を守る魅力溢れる職務だと感じました。私は日本食が好きで、世界に誇れる文化だと思っています。農林水産省に入省することで、世界中に日本食の魅力を伝えることができることはとても魅力的だと感じました。

icd国際キャリア学科特設サイト

国際キャリア学科(ICD)は、世界のために、地球を舞台に活躍する女性を育てます。