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2023.11.07

国際キャリア学科

(授業紹介)「Senior Seminar」(中東・北アフリカ地域研究、山口ゼミ7期生)

国際キャリア学科生は3年次から国際政治経済・地域研究、異文化コミュニケーション、経営・ビジネスの各専門分野のゼミ・クラスに分かれ、専門科目を重点的に学びます。

このうち、ドバイやトルコ、エジプト、モロッコ、カタールなど中東・北アフリカ諸国の政治経済を中心に学ぶ山口ゼミの4年生は、3年前期には世界を揺るがせた「イスラーム国」(IS)が生まれてきた要因や背景について、春休みに指定された『現代中東の国家・権力・政治』(ロジャー・オーウェン著、明石書店)や『「イスラーム国」の脅威とイラク』(吉岡明子/山尾大編、岩波書店)などの文献に基づき、各自で調べてきた結果をグループに分かれて討議し、その結果を発表しました。3年後期には「経済・ビジネス」に焦点を当てて、レバノンやバーレーン、ドバイなど中東・北アフリカ地域における広域的な経済ハブとなってきた国々を取り上げ、それぞれの経済政策の成功(国によってはその後の挫折)の要因について様々な視点から分析を行い、発表しました。

 

続いて、4年次には日本製品の市場としても有望視されている国を取り上げ、その代表的な産業及びに当該市場でのビジネスの可能性とリスクについて考察し、発表しました。4年生たちは研究、発表と並行して就職活動に取り組み、それぞれ目指していた企業に内定しました。

4年後期には、それまでのグループでの研究成果を踏まえ、各自、テーマを設定して卒業研究を進めています。研究テーマは在学中の体験や卒業後の進路(職業)などを踏まえ、各自が最も深い関心を持った分野を担当教員と協議しながら選定しました。なお、今年卒業した6期生の卒業研究のテーマは次の通りでした。

  • 「アラブ諸国における国家体制」
  • 「中東・北アフリカ地域の経済ハブと航空産業の発展」
  • 「ドバイ首長国のホテル産業」
  • 「ドバイの外国人労働者問題」
  • 「国際物流拠点としてのドバイの発展」
  • 「ドバイの都市開発」
  • 「イスラーム金融」
  • 「日本企業のハラール対応への取り組み」
  • 「エジプトの経済発展」
  • 「イランの政治・経済」
  • 「中東地域における女性の社会進出」
  • 「中東の生活と暮らし」

6期生の卒業研究はいずれも深く考察したことがうかがえる非常に良い内容となっていました。7期生の卒業研究も楽しみです。以下は4年次の共同研究を終えたゼミ生の感想(代表)です。

M.Iさん(聖和女子学院高等学校出身)

4年前期のグループ研究では、新興市場として注目されてきたトルコの航空産業と自動車産業に焦点を当て、どのように発展してきたのか、政治やマクロ経済の動き、そして国外の企業と比較しながら答えを導き出すことができました。私は以前から興味のあった航空産業について調べ、トルコ航空が世界的ブランドに成長した要因について考察しました。中東地域にはエミレーツやカタール航空など世界的に高い評価を受ける航空会社が多く、トルコ航空がどのように対抗しているのかを中心に研究しました。そのなかで、トルコ航空は国内線需要も高いことやエルドアン政権下の全方位外交に伴い就航都市数が飛躍的に拡大したことなど、他の中東航空会社との違いを見つけることができ、とても興味深かったです。就職活動と並行しながらの研究であったため、チームのメンバーがなかなか揃わず、大変でしたが、授業時間外でも集まるなどして、納得のいくまで一緒に研究できたことにとてもやりがいを感じました。

T.Kさん(長崎県立佐世保南高等学校出身)

私たちのグループはトルコを取り上げ、私はそのなかでも自動車産業に焦点を当てて研究を行いました。最終的に何を伝えたいかを先に決め、研究を進めて行きました。序論と結末はできたとしても、本論は難しかったです。先生に助言をいただきながら、頑張りました。私たちが今回、発表の際に意識したことは、補足説明を入れることです。専門用語が出た際にはそれについて補足説明をし、より理解してもらうように工夫しました。少しの工夫で相手への伝わり方が違ってくるので、これからも改善を続け、より興味の湧くようなプレゼンテーションをしていきたいと思います。卒業研究も頑張ります。

M.Nさん(福岡県立筑前高等学校出身)

私たちのグループはカタールを取り上げ、今後、カタールでのビジネスで有望な業種として「代替エネルギー関連産業」「教育関連産業」「観光業」に絞り、それぞれに必要な要素を考察しました。就職活動の最中でグループのメンバーの時間調整が大変でしたが、限られた時間でもお互いの意見からインスピレーションを受けながら最終的には納得のいくプレゼンテーションを行うことができました。他のグループの発表からもそれぞれの国と市場の特色を学ぶことができました。特に、トルコ・グループが行っていた中東の主要航空会社を比較しながら分析していた発表は分かりやすかったです。これらを参考にしながら、卒業レポートの執筆を進めていこうと思います。

A.Oさん(福岡県立香住丘高等学校出身)

私たちのグループはドバイを取り上げました。ドバイは中東諸国の中でも発展が著しく、ビジネス・チャンスに溢れた日本企業が進出すべき国といったイメージが強かったのですが、「ドバイ・ショック」を重点的に調べていくなかで、ビジネス上の考えられるリスクについても考察することができました。他グループの発表からは、トルコ、カタール、モロッコの市場の状況や有望な産業について知ることができました。卒業研究はゼミの集大成となるので、満足できる内容になるよう努力していきます。

M.Sさん(福岡大学附属大濠高等学校出身)

私たちのグループは、「モロッコで活躍する日本企業とその進出理由」をテーマとしました。就職活動の真っ只中で全員のスケジュールが合わなかったり、思うように研究が進まなかったりと、今までで一番、難しいグループワークでした。そこで、お互いの就職活動の状況を報告し合い、無理のない割り振りをするように心掛けました。研究活動だけでなく、就職活動に関する相談を通して、お互いに対する理解がより深まりました。他のグループのプレゼンテーションからもパワーポイントの構成や予備知識があまりない聞き手に対するわかりやすい伝え方を学ぶことができました。

Y.Sさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)

私たちのグループはカタールについて考察しました。カタールと言えば、2022年FIFAワールドカップ、砂漠、豊かな石油・ガス資源などの印象を持っていましたが、実際に調べて行くなかで、秋田県ほどの小さな国に私が知らなかった多くの魅力が詰まっているということに気づくことができ、とても楽しく研究を進めることができました。他方で、経済活動を支えている外国人労働者の待遇など抱えている課題にも気づくことができました。就職活動で忙しいなか、4年前期のゼミは友人と励まし合う機会にもなり、本当に良かったです。

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