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2023.08.07

メディア・コミュニケーション学科

教員コラム:教科書やニュースが伝えない「戦争」を知る

85 年前に他界した川柳作家・鶴彬(つる・あきら)の作品が再び話題になっているようです。7月30日の西日本新聞の記事によると、佐高信が書いた『反戦川柳人 鶴彬の獄死』がその火付け役だとのことでした。

新聞記事のなかでは「屍のゐないニュース映画で勇ましい」という句が紹介されていました。鶴が鋭く批判していた当時の「ニュース映画」ですが、現代におけるメディア報道はあの頃とは違うといえるのでしょうか。

「北九州平和資料室」は、6月23日にオープンした私設の小さなミュージアムです。

展示室の風景

40平米ほどの広さしかなく、10名も入れば展示室はいっぱいになってしまいますが、そこには戦争の実態をしっかりと伝えようとする工夫がいたるところにみられます。たとえば、館内の展示物はすべて手に取ってみることができます。爆弾の重さや軍服の肌触りなど、当時の様子をより身近に感じられるはずです。

「北九州平和資料室」の外観

この資料室を作った小松芳子さんは、昨年度の集中講義「国内スタディ・ツアー」(2023年2月実施、詳細はこちら)で北九州の戦跡などを訪れたときに講師をしてくださった方です。戦争とは過去に起こった出来事ではなく再び起こるかもしれない、そうなったらどうなるかを考えてもらいたいというメッセージを学生たちに熱く語っていたのが印象的でした。その彼女の平和への思いがぎっしりと詰まっているのがこの資料室です。

後期の授業(基礎演習D)では、学生たちと一緒にここを訪れます。

小松さん、12月には再びお世話になりますが、よろしくお願いします。

(池田理知子)